第46話 術前検査と手術前日の医師説明

第46話 術前検査と手術前日の医師説明

手術の方針が決まり、あとは手術に向けての

準備だ。

身長、体重、肺活量の測定をしたりする。

肺活量はけっこうあると思っていたのだが、

さすがに弱っていると、思うように上がって

いかない。

2回続けてやったもんだから、尚更疲れた。

その他、耳のところに針を刺して、どれく

らいで血が止まるか?という時間の計測。

その他、過去にやった病気や手術の有無、

そういったことを聞かれる。

どれも痛くないし辛くない。

その後、今度は手術室に行き、麻酔科の

医師と話す。

そこでもアレルギーがあるか?いま使用

してるクスリは?など、いろんなことを

聞かれる。

もちろん不安なことは無いか?なども

この時に聞いてくる。

病院内をそういったことで、いろいろ動き

回ったけれど、あっという間に終わった。

時間にしたら1時間くらいだろうか。

それ以外はやることもなく、病室で過ごす

だけだ。

体調が悪いと何が良くないって、やる気が

無くなることだ。

病室でしかも個室だから、ゆっくり仕事で

もしようかと思っていたのだが、どうも

やる気が出てこない。

テレビを見ながらボーッとしている時間が

長くなる。

入院前に本でも読もうと5冊くらい持って

きてたのだが、一度も本を開いていない。

パソコンも持ってきていて、いろいろ

やろうと思っていたのだが、そのパソコンを

開くこともなかった。

利用しているのは携帯メールくらいだ。

この時にスマホという便利なものがあれば

また違ったのだろうけど…。

携帯メールはとても楽なものだった。

パソコンのように開かなくていい。電源を

入れて立ち上がるまで待たなくてもいいし、

ずいぶん楽にできる。

看護師さんも、定期的に測定している血圧、

体温の時に来るくらいで、後は来ることが

ない。

1人部屋は気が楽でいいのだが、何もやる

ことが無いと淋しいものだ。

翌日が手術となった朝を迎える。

『翌日に手術だ』ということを改めて思った

時、『これで食べれるようになる』という

気持ちと共に、フト頭を過ったものがある。

それは、万が一、手術を受けたまま目を覚ま

さなかったらどうなるか?

ということだ。

『何か書き残しておいたほうがいいのか?』

小さな会社だけれど、経営していたボクは

万が一あった時のことを急に考え出した。

『社員はどうなる?』

『何かあった時、家や会社の解約手続きや、

その他の手続きは親がいろいろやらなきゃ

いけなくなるのではないか?…』

そう考えると不安になってきたのだ。

ちょうどその時、両親が見舞いに来た。

何かあった時は親に連絡がいくだろう。

そんな時、困らないように書き残しておくか

親を困らせるわけにはいかないと考えた

ボクは両親に聞いてみた。

「万が一、何かあった時のために書き残して

おいたほうがいいかい?」

親は以外にも冷静だった。

「腸の手術で万が一はないわ。間違いなく

大丈夫だ」

ボクはその言葉を聞き、余計なことを考える

のは、やめることにした。

親がそう言ってくれたことで吹っ切れた

のだ。

もし万が一あっても、親がそう言ってるの

だから、面倒な手続きとかも、きっとやって

くれるのだろう。

結果的に話しておいて良かった。

気持ちがスッキリしたのだから…。

社員に対してもメールか何かで…と考えて

いたけれど、それもやめることにした。

初めて全身麻酔で手術する。

そのため目を覚ますまで何が起きるかわから

ない。

そう考えると目を覚まさなかったらどうなる

?という不安な気持ちが出てきたりするが、

それを口に出して伝えることで気持ちが楽に

なるものだ。

夕方になり、麻酔科の担当医師が病室に来た。

最終打合せのようだ。

明日行う手術の麻酔方法や、手術後に痛み

止めと麻酔を少量ずつ注入できるが、それ

を希望するかしないか?

といったことを聞かれる。

【痛み止めと麻酔を少量ずつ注入していく】

という意味が分からなかったので、そのこと

について聞いたみた。

手術後、麻酔が切れてくると、痛みが出て

くる。

そのため、それを緩和させるために、500ml

のペットボトルくらいの大きさの容器に、

麻酔と痛み止めを混ぜ合わせ、定期的に圧で

注入していく方法があるとのこと。

それを行うのであれば、釣り糸くらいの細い

透明なチューブを手術前に背骨のところに

挿し込むとのこと。

「痛くないですか?」

気になったボクはそう聞いた。

痛くは無いけれど、チューブを入れるとき

押し込むからグッと押された感じはあるとの

こと。

もちろん、それはやらなくても良いよ。

と言っているのだが、麻酔が切れてから痛む

のも嫌だったので、ボクはそれをお願いする

ことにした。

説明を一通り聞いて、それ以外にわからない

ことは無かったので書類に署名する。

ボクの中で麻酔科医のイメージは、

麻酔を打ったら終わりで手術室から離れる

ものだと思っていたのだが、どうやら手術が

終了するまでずっといるらしい。

考えてみたら術前はもちろんのこと、術中

や術後も経過を見ていないと何が起きるか

わからないから当然と言えば当然か…。

さて、麻酔科医が帰ってから1時間くらい

経った頃だろうか。

今度は手術を担当する外科医が病室にやって

きた。

手術の方法を改めて説明しに来たのだ。

大腸の図を描いて、ココとココをつなげる

バイパス手術を腹腔鏡で行う。

手術していて状況によっては一時的に人工

肛門の必要があったり、その他、腸閉塞に

なったり…と合併症のことを説明してくる。

ほとんど起きることはないが…。

とも言ってくれていたので不安なことは

なかった。

これまた書類に署名。

ずいぶんと署名させられるものだ。

まぁ、言った言わないの問題があった時に

困るからだろう。

こればかりは仕方ない。

手術の予定は、翌日の11時30分~12時頃

からで、手術時間は約6時間とのことだった。

こうして手術前日が終わっていったのである。

ーつづくー

ヒロ田

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