ポートからの高カロリー点滴が可能になった日

ポートからの高カロリー点滴が可能になった日

中心静脈栄養ができるよう、皮下埋め込み型

ポートの留置術をすることになったのだが、

不安な点もいくつか出てきた。

ボクは看護師さんが巡回してきたときに、不

安に思ってることを聞いてみた。

1つは、皮膚に自分で刺すことになるが痛く

ないか?ということだ。

これについての回答は、「意外と痛くないん

だね」という人のほうが多いけれども、中に

は凄く痛がる人もいるので個人差があるのか

もしれないとのことだった。

2つ目は、寝ているときに高カロリー点滴を

やっていてトラブルはないか?例えば空気が

入ってしまったとか…。

その回答は、ポンプ(機械)を使って滴下

するので空気が入ったりするとアラームが

鳴って止まるのでそういったトラブルはない。

ただ、針が上手くポートに刺さっていなく、

寝ている時だったら気づかないで漏れたりと

かはあるかもしれないので、それだけは気を

つけてもらったほうが良いとのことだった。

あと、清潔にすることが大事なので、針の

抜いた後と刺す前には必ず消毒液で皮膚を

キレイにしてくださいとも言っていた。

こうして不安に思っていたことは聞くことで

納得し、不安解消することができたのである。

そしていよいよポートの埋め込み手術の日が

きた。

手術前に病室で看護師さんが留置する希望の

場所を聞いてきた。

鎖骨下に留置することは決定していたが、

右側か左側のどちらが良いかということを

聞いている。

ボクは右利きなので、針を右手で持って刺す

ことを考えると左側に留置してもらったほう

がやりやすいだろうと思い、左側に留置を

お願いした。

手術室までは入院している病棟の看護師さん

と一緒に歩いて行くのだが、ボクは入院した

ときから貧血気味になっており、検査も含め

移動は車椅子となっていたため、この日も

車椅子で移動することになった。

手術室前で手術担当の看護師さんと交代。

ポートの留置する場所など引継ぎを行って

手術担当の看護師さんと手術室に入った。

広い手術室にポツンと手術台があり、そこに

病衣の上だけを脱いで横になる。

看護師さんが手術の準備をしているのだが、

外科医はまだ来ない。

痔ろうの手術もそうだし、検査をする前も

そうだが、この寝かされて待っている間と

いうのは何となく緊張するものだ。

心電図や血圧計をボクの身体につけていく。

心電図のピコピコ鳴っている音が緊張して

ることをわからせてしまうのではないか…?

そういう余計なことも考えてしまう。

準備が整った頃に外科医が登場。

時間は1時間かからないくらいとのことだ。

外科医とのあいさつが終わるとボクの顔にも

身体に乗せてるものと同じ布(名称はわから

ない)が掛けられ周りの状況はわからなくな

った。

ガサガサやっているのだが見ることはできな

い。どうやらポートを留置するあたりの布を

切って皮膚を露出させているようだ。

ポートの埋め込む予定の箇所を触っている。

レントゲンで透視し、留置する場所を確認し

てマーキングしているのか…?

外科医「それじゃ局所麻酔しますね」

そう言いながら針を刺してきた。

針を刺すときはそんなに痛くはないが、麻酔

液を注入しているときは何となく痛い。

これが1回で終わらない。

何箇所かに同じことを繰り返す。

この時間がけっこう長く感じるのだ。

外科医「これ痛いですか?」

皮膚を何かでつまんでいるのか?

引っ張ってるような感じはあるのだが、痛く

はない。

ヒロ田「いえ、痛くないです」

外科医「麻酔効いてますね。それじゃ初めて

いきます」

そう言うと、次から次へと顔の上に何かが

乗ってきた。

外科医「ちょっと顔の上に道具置かせて

もらいますね」

ヒロ田「あっ、わかりました」

どうやら手術で使用する道具を顔の上に

乗せているようだ。

ボクの顔は道具を置く台に変わっていく。

皮膚の切開が始まった。当然だが痛くない。

すると外科医の他にもう1人医師の声が聞こ

えてきた。

外科医2「あー、新しいポートこれなんだー」

外科医「そうですねー」

と言ったやりとりが聞こえてきた。

手術を受けている身としては顔に布が掛けら

れ、おまけに顔に道具が乗っているから、

状況がわからないことに若干の不安を覚える。

新しいポートを初めて見た外科医はそんなボ

クをお構いなしに盛り上がっている。

気にしてもしょうがない。

『ボクの顔、身体は道具を置く台なのだ』と

思うようにして、息を殺し道具の台に徹した。

ボクに埋め込むポートはMRIポートという

ものらしい。

手術している時に痛みはないが、局所麻酔で

起きているため耳から音が聞こえるのと、皮

膚を引っ張ったり拡げたりしているのがわか

るから、あんまり良い気はしない。

可能であれば寝たまま気づかないうちに終わ

ってもらいたいと局所麻酔の時はいつも思う。

そうこうしているうちに外科医の「よし」と

いう声が聞こえた。

どうやら留置が終わり、レントゲンで透視し

ながら確実に留置されたかを確認したようだ。

外科医「手術終わりました。ポートはすぐ使

えますが、念のため明日から使用するという

ことでお願いします。ボクがチェックしに

いきますので」

ヒロ田「わかりました。ありがとうございま

す」

こうして皮下埋め込み型ポート留置術は無事

終了。

次の日、外科医が傷口などのチェックと共に

針を刺していくことになった。

不安だった針刺しの時の痛みはどうなのか…。

『鎖骨下なんか痛みに弱そうだけどな…』

そんなことを思う。

外科医「傷口は大丈夫なので使用は問題ない

です。じゃあこのまま針を刺していきますね。

ちょっとチクッとしますよ」

ボクは構えた。

『あれ…?針刺したの?』

痛みを感じないぞ…。

外科医「それじゃ今日から使用してください」

そう言い残し外科医は病室を後にした。

ヒロ田「いや~ゼンゼン痛くなかったです」

看護師「そうなんですねー。良かったです」

不安だった針刺しの痛みは全くなかった。

その後、自分でやることになったのだが、

痛みは無く、たまにチクッと感じる日も

あったくらいで、ほとんど痛みを感じる

ことは無かった。

こうしてボクは埋め込んだポートに約8年

お世話になったのである。

ヒロ田

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