第71話 主治医の異動と新しいIBD医師との出会い

第71話 主治医の異動と新しいIBD医師との出会い

何と言っても気になるのはトイレだ。

だが不思議なことに、仕事をしていると急な

便意を催すことがない。

周りに人がいる緊張感からか、なぜか便意を

催さない。

ちょっとトイレに行きたいかな…という感じ

はあるが、すぐに行かなければいけないとい

うものでもない。

ただ、もう少しでトイレに行けるとわかった

瞬間、急激な便意を催す。

漏らしてしまうかもしれないほどの勢いだ。

何とかトイレにかけこみ用を足す。

こんな時は女性だといいな…と思う時がある。

それは、人と一緒にトイレに入った時、男性

トイレは小便器と個室が分かれている。

オシッコで済む場合は小便器で良いはずなの

だが、ボクの場合、毎回オシッコだけでは済ま

ないので必ず個室に入る。

気にしすぎかもしれないが、毎回個室に入って

ると『また大便するのか?』と変に思われるの

が嫌だったので、この時ばかりは女性用トイレ

のように男性トイレもなっていたらなーと何度

も思ったものだ。

特にこの頃はオシッコだけでトイレに行くとい

うことはまず無かったと言ってもいいくらい【

トイレ=大便】という感じだった。

そのため、できれば知ってる人のいない時に

トイレに行くようにしていた。

昼と夜の仕事が重なると、どうしても寝不足

になる。

寝不足続きだとだんだんと下痢の回数も増え

てくる。

寝不足の時は、水に近い下痢になる。

いや、寝不足だけではないだろう。この時は

かなりクローン病が悪化してきていたのだと

思う。

この水っぽい下痢は漏れそうになるので怖い。

ボクは、漏れ対策で大人用のオムツを着用す

ることにした。

万が一漏れても大丈夫なようにそうしたけれ

ど、だからと言って、漏らしていい気持ちな

どまったくない。

やはり漏らしてしまうのは気が引ける。

まだ緊張感がある時は我慢もできるのだけれ

ど、トイレが近くにあるとわかった時や、一

人になった時など急に便意を催す。

本当に厄介なものだ。

食べるとトイレに行きたくなると思い、寝不

足の時は絶食を試みた。

糖分を取るために、甘い缶コーヒーを飲んだ

り、飴を舐めたりして過ごすことにした。

しかし、それでも夜遅くになってきた頃、何

度もトイレに駆け込むことになった。

『寝不足だけでこんなになるのか?』

ちょっと疑問に思いながらも寝不足が悪影響

を及ぼしていると思っていた。

しかし、後に原因がわかった。

眠気を覚ますために食べている辛いガムや

酸っぱいビタミン入りの飴などを大量に舐め

ていたのだが、そのパッケージをよく見てみ

ると、【多量に摂取するとお腹がゆるくなる

ことがあります】

と書いているではないか。

ボクは、それ以来そのガムや飴を控えるよう

にした。

思えば2012年頃からのボクは、ずっと体調が

良いという状態ではなかった。

CRP(炎症反応)は2.00~5.00の間を行った

り来たりしている。

もちろんその間に8.35とか12.00台になった

りすることもあったが…。

正常値が0.30以下なのだから高い数値だ。

それでも、不調の時は絶食したり、抗生剤の

薬を飲んだりして日々を過ごしていた。

トイレは1日10回は行っている。

それでも痔ろうからの排膿が順調にいってる

時は辛くはないのだが、1日10回トイレに行

くと、ちょっと多くて面倒だなという感じは

してくる。

2014年3月に入り、昼と夜の仕事を入れてか

ら急激に体調が悪化してきた。

病院に行く回数も増えてくる。

そんな時いつも行っている病院の主治医に

4月1日から勤務する病院が変わることを聞

いた。

ボクは、約12年通い続けてきて、慣れていた

病院だったけれど、それ以上にその主治医を

信頼していたため主治医の誘いもあり、ボク

も4月から主治医のいる病院に行くことにし

たのである。

早速行ったのは4月1日。

その時は、いろいろと話をして必要な薬をも

らい一週間後に採血と診察をすることになっ

た。

そして一週間後、採血が終わり診察に呼ばれ

主治医と話をしていたら、クローン病や潰瘍

性大腸炎を専門に診ているIBDの先生が、こ

の病院に移動してきたとのことだった。

そこで一度、その先生の話も聞いてもらいた

いと主治医が言うので、その日にIBD専門の

先生の話を聞くことにした。

ヒロ田「先生、その先生の話を聞くのはいい

んですけど、先生も診てくれるんですよね?」

主治医「うん、もちろんボクも診るけど、

専門の先生にも話を聞いてもらったほうが良

いだろうと思って…」

ヒロ田「わかりました。まず話を聞いてみま

す」

こうしてボクはIBD専門の医師の話を聞くこ

とになった。

『どんな先生なのか…?』

『優しい先生なのか…?』

『そもそも話を聞くだけなんだよな…?』

そんなことを思いながら待合室で待っていた。

しばらくするとIBD専門の医師に呼ばれて診

察室へ。

「ヒロ田です。よろしくお願いします」

そう伝えると、IBD専門の医師(以下IBD医

師)も笑顔で挨拶してきた。

悪い感じではない。

早速、今後の治療についての話になった。

IBD医師「ヒロ田さん、いろいろ情報もらっ

て、ある程度は把握できたんだけど、まず一

ヶ月くらい入院できませんか?」

ヒロ田「ボクも入院したほうが良いのかなー

と思うような症状なので、入院は考えていた

のですが二週間くらいで考えていました」

IBD医師「まずは二週間でも良いのだけれど

も、状況を聞いていると、まず痔ろうを良く

しないとダメだと思うので、痔ろうの手術を

してから、それを徹底的に良くして、次に腸

の状態を良くしていくという方法を取ったほ

うがいいと思うんだよね」

IBD医師の話が続く。

痔ろうは、菌を殺さなければいけないけれど、

腸の潰瘍は菌ではないから、まったく別の方

法で治さなければいけない。

IBD医師の見解では、クローン病での合併症

で痔ろうになったんだけれども、それを一緒

くたにして治す考えをしていてはダメだとい

うことだった。

そこで、痔ろうをまず良くしてから腸の治療

に入っていこうというわけだ。

ヒロ田「痔ろうの手術はどうやるんですか?」

IBD医師「シートン術が良いと思う」

ヒロ田「それであれば、ボクは何度もやって

いるので、それと同じではないですか?」

IBD医師「今までやっていたのは、ただ単に

複雑痔ろうになって膿が溜まっている箇所の

何箇所かにシートンをいれてただけ。今回は、

元の場所(膿が溜まる元になっている場所)

からシートンを入れることで、徐々に良くな

っていくと思う。そのために、どこから痔ろ

うが始まっているのか、MRIの撮影でわかる

のでその検査を受けてもらって、治療方法を

決めていきましょう」

それが初めて会ったIBD医師からの提案だっ

たのである。

ーつづくー

ヒロ田

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