第81話 全身麻酔で痔ろうの手術をする日

第81話 全身麻酔で痔ろうの手術をする日

朝、看護師さんに言われたとおり、痔ろう手

術30分くらい前にトイレを済ませ、手術用の

病衣にも着替えておいた。

「これ下着つけたままでいいのかなー?」

そうボクが質問すると、

「あっ、下着はつけてていいんです。手術室

で脱ぐことになると思いますけど」と看護師

さんが言う。

看護師「ヒロ田さん、この病室から出るので、

このマスクつけてもらっていいですか?」

ヒロ田「あー、結核かもしれないからねー。

やっぱり出るときはマスク必要なんだね」

マスクをして看護師さんと一緒に病室を出る。

手術室は2Fだ。

病棟から一緒に来た看護師さんと手術室に入

ると、手術室の看護師さんが待っていて、そ

こでバトンタッチ。

今度は手術室の看護師さんの案内で手術室へ

と歩いていく。

ヒロ田「いや~、ずいぶん手術室ありますね

ー。こんなに広いとは思わなかった」

看護師「そうなんですよ、全部で9室ありま

す」

そんな話をしながら歩いていると、ボクが入

る手術室に到着した。

広い部屋の真ん中にベッドが一つ。

『あー、やっぱり手術室はこうなってるよな』

そう心の中で思った。

看護師さんに誘導されベッドに座る。

麻酔科の医師が既にスタンバイしていて説明

を受ける。

麻酔科医「先に座ったままで腰椎麻酔をしま

す。15分くらい座っててもらい、それから

全身麻酔をしていく流れになります」

ヒロ田「わかりました」

麻酔科医「では、ここに座ってもらって、こ

の枕を抱えるように少し前のめりになっても

らっていいですか?」

麻酔科医がボクの背骨の辺りを触っている。

麻酔科医「それじゃ少しチクっとしますね」

そう言いながら麻酔を打ってきた。

いつも思うのだが、針を刺されるときのチク

っとする痛さは大したことはない。

それよりも、液剤が入ってくるほうが痛い。

麻酔科医「どうですか?」

ヒロ田「液が入ってきてるからか奥のほうが

痛いような…」

麻酔科医「ズキっとする痛さですか?」

看護師「奥にあたってる感じですか?」

ヒロ田「いやー、ズキっという感じでもない

し、奥にあたってる感じなのかな…?なんか

違和感があるという感じでしょうか…」

きっと、背骨のところで神経のあるところだ

から、麻酔科医も慎重なのだろう。

しつこく聞いてくる。

看護師も聞いてくる。

でも、正直なんて表現していいかわからない。

奥が痛いと言えば痛いし、でもズキっという

痛さではない。

たぶん、液剤での痛さなのだろう。

麻酔科医「はい、これで終わりましたので、

15分くらい、このまま座っててくださいね」

麻酔科医に、座ったままでと言われ、手術台

の上に座ったまま待機していた。

近くには看護師さんがいてくれて、

「気分が悪くないか?」など話しかけてくれ

る。

ボクの様子を伺いながら定期的に血圧を測り、

酸素濃度を測る。

麻酔科医も「いまどんな感じですか?」と様

子を聞いてくる。

ヒロ田「足は痺れてるんですけど、動かすこ

とはできます。これって効いてるんですかね

?」

麻酔科医「はい、大丈夫ですよ。効いてます」

今までやった下半身麻酔は、横になったまま

背骨のところに3箇所くらい注射をされる。

しばらくすると下半身が自分で動かせなくな

るくらい効いてくる。

それに比べて今回は違う。

足が動くのだ。

まぁ、麻酔科医がいて状況を聞き、いま麻酔

が効いてるかを判断してるんだから間違いは

ないんだろうけど、ただ、今までとは違うの

でボクとしては効いてないんじゃないか?と

いう不安な気持ちも少しはあった。

胸には心電図をとってるんだろうか?

3箇所くらいに何かがついている。

静かな手術室に、「ピコ、ピコ、ピ…」とい

う心拍音なのか、鳴り響いている。

少し不安な気持ちになったりすると、その音

も幾分早くなったりする。

何だかボクの精神状態が見られてるようで

恥ずかしいもんだ。

ボクは必死に落ち着かせようと、小さく深呼

吸をして落ち着かせていた。

「30分になったら寝てもらいます」と麻酔科

医が看護師に伝えている。

手術室の時計を見ると時計の針は20分のとこ

ろを指していた。

『あれー、30分になったら…ということは、

あと10分こうしてなきゃいけないのか…』

麻酔科医「どうですか?お腹の辺りとか熱い

感じします?」

ヒロ田「熱い感じするといえばしますけど、

果たしてこれが熱いと言えるかどうか…」

麻酔科医「足はどんな感じですか?」

ヒロ田「はい、痺れてるような感じはありま

すけど、足は動かそうと思えば動かせます」

麻酔科医「効いてますね」

ヒロ田「えっ、これ効いてるんですか?」

麻酔科医「はい、大丈夫です効いてますので」

ボクが今まで経験した下半身麻酔と効き方が

違うため、効いてないのでは?と思っていた

けれど、効いているというんだから信じるし

かない。

そうこうしているうちに時計の針は30分を

指し、ボクはうつ伏せの状態でベッドに寝る

ことになった。

麻酔科医が看護師に注射を打つ指示を出して

いる。

何のための注射かはわからないが…。

注射が終わると麻酔科医が「これから全身麻

酔していきますね」と言ったとたん麻酔薬が

血管に入ってきた。

大腸カメラなどでホリゾンという眠って検査

するための注射がある。

その注射も血管痛がする。

針の刺さっている血管がビリビリしてくるの

だが、今回のはそのホリゾンより何倍もの痛

さがある。

ヒロ田「けっこう痛いですねー」

そんなことにお構いなくどんどん注入される。

そのうちフラフラーっと注射が効いてきてい

る感じがしてきた。

ヒロ田「あー、効いてきてますねー」

そうボクが口にした瞬間から覚えていない。

こうして痔ろうの手術が全身麻酔の状態で

始まったのである。

ーつづくー

ヒロ田

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