第91話 5人に見られながら4本のヒュミラを打つ

第91話 5人に見られながら4本のヒュミラを打つ

ヒュミラを打つのは4箇所。

太ももの左右、お腹の左右に1本ずつ打つ。

どっちからでもいいのだが久々の一発だ。

チクッと痛くないか?

ビビッて変なとこに刺さないか?

そんなことが一瞬にして頭の中を駆け巡る。

周りはボクが準備しているところをじっと

見ている。

こうマジマジと見られるのは緊張するものだ。

ボクは、いかにも緊張はしてませんよ。

という顔で「それじゃ、始めていきますね」

と言い、看護師さんが用意してくれたアルコ

ール綿で左側の太ももを消毒した。

そして平然とした顔で太ももへ刺す。

『あっ、痛くない』

そう心の中で呟いた。

IBD専門の医師(以下IBD医師)は、刺した

のを見てこう言った。

IBD医師「前のと違って、あまり痛くないで

しょ。針が前より細くなったみたいだから」

ヒロ田「あー、そうなんですねー。そう言わ

れてみたらまったく痛くなかったです」

確かに痛くはなかった。

自分の太ももに自分で刺すというイメージが

何となく痛いように思っていただけで、痛く

はない。

そして液剤を注入していく。

シーンとしている中で液剤を注入するのは嫌

なので、説明しながら注入する。

「これ、注入速度早くすると痛いんですよ。

なので20~30秒くらいかけて打つようにして

ます」

「でも、どうなんでしょうね?これって早く

注入したほうがゆっくり注入するより効き目

があるとか関係ありますか?」

自分一人だけ話しているのも嫌なので、

そんな質問を投げかけてみた。

これには、IBD医師も看護師さんも影響は無

いとのことだった。

そんな話をしながら一本目が終わった。

次のヒュミラが用意されている。

IBD医師が、ボクのことを気遣ってか、それ

とも久々に打った生の感想をその場で聞きた

かったのかはわからないけれど「どう?ヒロ

田さん、やっぱり痛いかい?」と聞いてきた。

ヒロ田「そうですねー、やっぱり液剤を入れ

てくときはゆっくりやっても痛いですねー」

IBD医師「やっぱり痛いんだよなー。液入れ

ていくときは…」

そうIBD医師が呟いた。

針刺しは痛くないが液剤を入れる時は、ゆっ

くり入れても痛かった…。

次は右側の太ももへと二本目を打つ。

同じようにゆっくりと…。

いや、一本目よりもっとゆっくりだったかも

しれない。

そして三本目は左のお腹へ、四本目は右側の

お腹へと打った。

IBD医師「いや~、ヒロ田さんはすべて自分

でできるから凄いね」

看護師「ホントですねー、凄いです」

ヒロ田「いや、ただもうこの病気になって13

年目ですから慣れてきただけです」

そんな会話をしながらヒュミラの投与が終了

した。

今日は5月23日金曜日だ。

この投与が終わってしまえば5月27日の火曜

日までやることは何もない。

火曜日は、大腸カメラをやりながら、狭窄に

なっているところのバルーン拡張術をする予

定だ。

それまで検査や点滴もない。

採血の結果も安定してきている。

特に炎症反応(CRP)は今日(5月23日)の

結果で0.2と正常値だ。

前回の0.07より、ちょっとくらい上がったけ

れど正常値が0.3以下とされているから、十分

正常値の範囲内だ。

エレンタールも24時間かけてやっているのだ

が、2,400kcalを摂取しているため、点滴を

する必要がない。

抗生剤の点滴も無くなり、錠剤の抗生剤とな

った。

トイレの回数が1日10~12回と、相変わらず

多いが、行っても少量ずつだし、特に肛門に

負担がかかっている感じはない。

ただトイレに数多く行くのが面倒だけれど…。

体調もかなり良くなっている。

絶食して、エレンタール生活をしているのが

良いのかもしれない。

体調が良くなってくると、頭も冴えてくるよ

うになる。

ボクは、退院後の仕事について考えたり、退

院後にやるべきことなど、準備をいろいろす

るようになっていった。

準備と言ったって、パソコン内で書いて整理

したりするくらいだけど…。

ヒュミラの投与が終わった翌日、朝の回診で

IBD医師が来た。

IBD医師「ヒロ田さんどうだい?注射打った

ところが痛かったり、発疹が出てきたりとか

してない?」

ヒロ田「はい、ゼンゼン大丈夫です」

IBD医師「それじゃいいね。それで大腸カメラ

を火曜日にやるでしょ、その後にご飯も食べれ

るかを見たいから、退院は来週の金曜日とか土

曜日って感じかなー。大丈夫かい?」

ヒロ田「はい、きっちり治したいので大丈夫で

す」

IBD医師「じゃあ、その予定でいこうか」

予定通りいけば来週には退院ができそうだ。

ボクは一層やる気が出てきたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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