第96話 全粥から五分粥に変更そして退院日決定

第96話 全粥から五分粥に変更そして退院日決定

5月28日水曜日の昼。

食事を開始してから二回目の食事だ。

相変わらず全粥だけれど、おかずは普通に

出てくる。

普段ボクが食べないようなおかずばかりだ。

きっと、病院食だから栄養を考えてのことだ

ろう。

ただ、ボクは少し気になっていた。

何が気になっていたかと言うと、食物繊維の

おかずが気になっていたのだ。

身体には良いんだろうけど、ボクのような

クローン病患者で下痢をしている人には、と

っても嫌な食べ物だ。

なぜなら、消化せずに出てくるから気持ち

良いものではない。

でも【病院食なのだから大丈夫なはずだ…】

という気持ちもあり、ボクはすべてを食べた。

お昼ご飯を食べた後は、夕方のご飯まで何も

ない。

看護師さんもボクのところに来ることはない。

たまに他の患者さんの所に来たついでに顔を

出す程度だ。

ボクは、小腹が空いてきたら昆布茶を飲み、

それでもまだ足りなければ梅昆布茶を飲む。

結局は交互に4杯くらい飲む。

それにコーヒーが加わる。

コーヒーも4~5杯は飲む。

そのためオシッコに通う回数が増えてしまう。

そうこうしているうちに夜ご飯が出てくる。

夜は、やっぱり少し豪華な感じがする。

と言っても全粥に変わりはないし、低残渣の

食べ物であることに変わりはないが…。

こうして食事を開始して二日目の夜が終わっ

ていった。

5月29日木曜日。

IBD専門の医師(以下IBD医師)が回診に来

る。

「あっ、ヒロ田さん、トイレの回数減ってき

てるね」

看護師さんから聞いたのだろう。

ヒロ田「あー、確かに昨日は少なかったです

ね。それでも8回は行きましたけど…」

ヒロ田「ただ、ちょっと気になってるのが、

少しお腹の右下あたりが痛い感じするんで

すよね。また狭いところで詰まってるんじゃ

ないかと思うんですけど…」

そう言うと、IBD医師が「どれ」と言い、

ボクのお腹周りを触りだした。

IBD医師「いや、エレンタールもやって水分

も入れてってるし、溜まるってことはないわ」

IBD医師「今日の昼から五分粥にしてみるか

い?」

ヒロ田「大丈夫なんですかね?」

IBD医師「うん、大丈夫だと思うよ。固形物

取っていくとウンチも固まって出てくるよう

になるから」

ヒロ田「はい、お任せしますけど…」

IBD医師「じゃあ今日の昼から五分粥だすか

ら食べてみて」

全粥から解放される喜びと、大丈夫か?と

いう不安が行ったり来たりする。

IBD医師「ヒロ田さん、退院さー土曜日とか

でも良かったら土曜日とかでもいいかい?」

ヒロ田「金曜日の退院は厳しいでしょうか?」

IBD医師「うーん、そうだなー、今日から五

分粥も食べるし今日一日様子見て明日退院で

きるようにするかい?」

ヒロ田「はい、それでお願いします!」

IBD医師「食事はさー、病院で食べてるよう

な食事にして後はエレンタールで900kcalを

摂取するということで…」

ヒロ田「先生、エレンタールを1,200kcalに

して、食事を一食でもボクはいいですよ。

そのほうが良くないですか?」

IBD医師「うーん、やっぱりねー、ご飯を食

べるっていうのは大事なことだから、二食に

しよう」

ヒロ田「問題ないならいいんですけど、また

狭窄になって詰まったりしても嫌だなーと思

って…」

IBD医師「うん、いまヒュミラも効いてるし、

これから定期的にヒュミラをやっていくから、

それで様子をみてみよう」

こうしてボクの退院日が明日5月30日金曜日

に決定した。

何となくもう少し入院したい気持ちもあった

けれど、このまま仕事をしないというのも気

分的に良くないので、思い切って退院するこ

とにした。

『久々に家に帰れるぞ…』

お昼の時間になった。

いつものように看護師さんが食事を運んでき

てくれた。

「ヒロ田さん、明日退院なんですね」

「ご飯も五分粥に変わりましたよ」

見てみると、紙に『五分粥』と書いてあった。

今までは『全粥』だった。

基本的にボクはお粥が苦手だ。

なぜなら味が薄いから…。

もちろん、調理方法で変えれるんだろうけど、

お粥といったら入院中しか食べたことがない。

そのため薄味というイメージがボクの中でで

きたのだと思うが、それでも今回の入院期間

中は美味しくいただいている。

食べれるだけで幸せなのだから…。

ご飯のフタを取ってみると、五分粥が出てき

た。

『米の形があるぞ!』

そう心の中で叫んだ。

米の形があるのは何となく嬉しい。

ボクは、ぺろりと完食した。

夜は、やはり少しおかずが豪華になる。

料理名はよくわからないが鶏肉の料理が出て

きた。

久々の肉だ。

まさかクローン病で肉が出てくるなんて思っ

てもいなかった。

これまたペロリと完食した。

いよいよ明日は退院だ。

最後の夜かと思うと、嬉しさと何となく淋し

い感じがしてきたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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