第144話 ストーマのための入院十三日目は解熱剤と抗生剤

第144話 ストーマのための入院十三日目は解熱剤と抗生剤

2016年4月4日。

入院十三日目の明け方、トイレに起きたボク

は、ずいぶん冷え込む朝だと感じながらトイ

レに向かった。

しかし、気温のせいで寒気を感じていたわけ

ではなかった。

熱があっての寒気だった。

6時40分。

看護師さんが解熱剤の点滴を持ってきてくれ

た。

同時に感染症かどうかを調べるために採血を

取る。

8時30分頃、IBDチームの医師がいつもより

少し早く回診に来た。

長塚先生(仮名。以下長塚先生)だ。

長塚先生「いやー、ヒロ田さん熱出ちゃった

んですねー」

ヒロ田「そうなんですよ。おそらく感染症だ

と思います」

長塚先生「そうですねー。一応、感染症かど

うか特定するために、いま検査出してますの

で」

ヒロ田「IVHのカテーテル抜かないとダメで

すよね?」

長塚先生「そうなんですよねー。ただ、いま

すぐには抜けないです。感染症かどうかハッ

キリしてから抜きますので」

ヒロ田「これ熱出てたら手術延びますね」

長塚先生「そうですねー。ちょっと熱出てる

ままだとできないので、何とか原因をハッキ

リさせて、そっちの治療をやっていかないと

ダメですね」

長塚先生「ところでヒロ田さん、なんで感染

症だって思ったんですか?」

ヒロ田「前にMRIポートで感染したので、そ

の時と似てるなーと思って…」

長塚先生「そうなんですね。いやー、感染し

ちゃうと高カロリーの点滴もできなくなるか

ら、いろいろと弊害が出てきちゃうので、

ちょっと厄介だなーと思って。でももし感染

症なら抗生剤とかで治していくしかないので

、まず結果出たらそっちの治療優先でやって

いきましょう」

ヒロ田「そうですねー。ちょっとこれで手術

延びるようなことになったらショックですけ

ど仕方ないですもんね。まずわかりました」

当初、手術は4月7日という案もあったが、ボ

クの栄養状態が悪く、もう少し栄養状態が良

くなってからということになり延期になった。

かなりガッカリしたが、こればかりは仕方が

ない。

高カロリーの点滴で栄養をつけて…という予

定だったが、感染症であればIVH用のカテー

テルを抜くことになる。

そうなると栄養はどうなるのか…。

いろんなことが頭の中を駆け巡る。

4月7日の手術がダメになったことで、次の予

定としては少し先の4月21日が濃厚だ。

入院前の打ち合わせでは一ヶ月も入院すれば

手術して退院もできるという予定だったのだ

が、どんどんずれていった。

日々、トイレの往復で疲れきってるボクには

長くなればなるほど拷問を受けてるような気

分になった。

9時40分。

再び長塚先生が病室に来た。

長塚先生「ヒロ田さん、採血結果はまだ出な

いんですけど、IVH抜きましょうか」

ヒロ田「あっ、いいんですか?」

長塚先生「おそらく感染症だろうということ

で、IBDチームの先生達と話して抜くことに

決めました」

ヒロ田「そうなんですね。じゃあ後は腕から

の点滴で体力つけなきゃいけないんですね」

長塚先生「そうですね。ちょっとカロリーは

低くなっちゃいますけどしょうがないですね」

ヒロ田「わかりました。で、どこで抜きます

?また透視しながらですか?」

長塚先生「いえ、このままここで抜いちゃい

ますね」

ヒロ田「あっ、そんな簡単にできるんですか」

長塚先生「はい、カテーテル入ってるとこを

糸で止めてるんですけど、それを切って抜く

だけなのですぐ終わります」

ヒロ田「そうなんですね。わかりました」

カテーテルが動かないよう糸で止めているの

だが、その糸をハサミで切る。

あとはスルスルとカテーテルを引っ張って抜

いて終わり。

長塚先生「じゃあこれで終わりましたので。

後は午後からになりますけど抗生剤の点滴を

やっていく予定です」

ヒロ田「わかりました」

13時過ぎ。

看護師さんが抗生剤の点滴を持ってきた。

看護師「ヒロ田さん、じゃあ今日から抗生剤

の点滴もやっていきますね。30分くらいの時

間で滴下していきます」

ヒロ田「わかりました」

看護師「30分くらいしたらまた来ますね」

手術が延びると体力的にも精神的にも辛い。

いや、精神的なほうが勝っている。

一日一日がすごく長く感じる。

気を紛らすようにしても、頭の中は早く手術

したい気持ちでいっぱいだから、気持ちが紛

れることなんてない。

もう、常に頭の中はトイレのことと手術のこ

としか頭にないのだから…。

入院したら暇だろうと、kindleにたくさんの

本をダウンロードしてきたが読む気力もない。

せいぜいテレビをつけてボーッと見ることく

らいだ。

そんなことを思っていると看護師さんがきた。

看護師「抗生剤の点滴見にきました。あっ、

もうそろそろ終わりますね」

看護師「ヒロ田さん、どうですか?体調は。

ちょっとお熱測ってみましょうか」

ヒロ田「なんだか少し寒気してきてるので、

また熱出てきてると思います」

看護師「あれ、じゃあまた解熱剤必要かな…」

ピピピ、ピピピ…

体温計の音が鳴る。

ヒロ田「うわっ、39.1℃です」

看護師「あっ、高いですね。じゃあ今戻って

解熱剤の準備してきますね。あと何か必要な

もの無いですか?氷枕とか…」

ヒロ田「どうしようかなー。寒気するから電

気毛布お願いしてもいいですか?」

看護師「わかりました。じゃあ電気毛布も

準備しますね」

こうして入院十三日目は抗生剤と解熱剤で

時間が過ぎていったのである。

ーつづくー

ヒロ田

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