第149話 ストーマ手術のための入院十七日目は外科医から手術説明

第149話 ストーマ手術のための入院十七日目は外科医から手術説明

初診を終えたボクは、父親と二人で消化器外科の待合室の椅子へと腰掛ける。

『まさか初診があるなんて…』

後で看護師さんに聞いてわかったのだが、新しく受診する科は必ず初診をして

からじゃないと次に進めないと言っていた。

さて、その初診を終えて待合室で待つこと20分。

まだか、まだかと心の中で思っていたちょうどその時、ボクの名前が呼ばれた。

ヒロ田「失礼します」

診察室のドアを開けて中に入ると、外科医の本田先生(以下、本田先生)がいた。

本田先生「あっ、すいませんお待たせして。手術を担当します本田です」

ヒロ田「ヒロ田です。よろしくお願いします」

本田先生「じゃあそこに座ってください」

「えーっと、まず内科の先生がいろいろ検査した結果、大腸の状態がかなり悪い状態

なので内科的な治療も厳しいという状況だということで、外科手術を提案されたと思う

んですけど…」

ヒロ田「はい、そうですね。トイレの回数が多いので自分でも相当悪い状態だと感じて

います」

本田先生「どれくらいトイレ行ってます?」

ヒロ田「1日40回以上というか、行く前に漏らしている状態なので回数で伝えれないと

いうのが正直なところです」

本田先生「あー、そうなんですね。ボクも内科の先生がいろいろ検査した結果を聞いて、

画像等も見させてもらったんですけど、かなり酷い状態なので外科手術したほうが良いと

思います。それで、ストーマ(人工肛門)の手術をするんですけども、一度大腸の手術を

したことあるって言ってましたよね?」

ヒロ田「はい、大腸のバイパス手術をやりました」

本田先生「その時は腹腔鏡でやったのかな…?」

ヒロ田「そうですね、腹腔鏡でやりました」

本田先生「あー、なるほどね。それで今回の手術は開腹でやろうと思ってます」

ヒロ田「あっ、開腹なんですね」

本田先生 「そうです。というのも小腸がどこまで潰瘍進んでいるか、大腸だけなのか、腸を

出してみないとわからないので、開腹で手術したほうが良いだろうと判断してます。小腸バ

リウムの検査では小腸に潰瘍はないのではないかと思うんですけど、こればかりは開いて

見てみないとわからないので…」

ヒロ田「わかりました」

本田先生「それで手術時間は7~8時間くらいを予定してます」

ヒロ田「あっ、けっこうかかるんですね」

本田先生「そうですね、大手術です」

本田先生が、どの辺りにメス入れるかホワイトボードに図を描いていく。

本田先生「それでストーマ(人工肛門)のことについては説明受けました?」

ヒロ田「はい、一昨日WOCの看護師さんから聞きました」

本田先生「じゃあ詳しいことは話さなくても大丈夫ですね?」

ヒロ田「はい、問題ないです」

本田先生「それじゃあ手術のことに関してですけど、今回、大腸を全摘して肛門を

くりぬいて永久ストーマにします」

ヒロ田「えっ?肛門をくり抜くんですか?」

本田先生「はい、くり抜きます」

ヒロ田「えっ?くり抜くということは穴が開いたまんまってことですか…?」

本田先生「あー、いや肛門をくり抜いてそこを全部縫ってしまいますよ」

ヒロ田「あー、そういうことですね」

くり抜いて…という表現にはビックリした。

何せ素人なもんで【くり抜く】と言われたら、穴が開いたままなのか…?と

想像してしまったのだ。

ポッカリ開いたままと想像したら、ちょっとゾッとしてしまった。

肛門も取ってしまう…という表現ならわかりやすかったのだが…。

くり抜いて縫い付けるということが分かった時は、ホッとしたと同時に穴が開いた

ままなのか?と想像した自分を思い出しニヤけてしまった。

けれど、同時に淋しい気持ちにもなった。

というのも、大腸は全摘しても肛門は残るものだと思っていたからだ。

肛門が残っていれば、後で小腸と肛門をつなぐことができるかもしれない…。

そう勝手に思っていたのである。

いや、確かに一時的なストーマだとそういう方法もあるようだが、ボクの場合は

取ったほうが良いようだ。

ヒロ田「でも先生、肛門を残して後でつなげるって手術もあるんですよね?」

本田先生「あることはありますけど、ヒロ田さんの場合はクローン病の合併症で

痔ろうになってて、その痔ろうも複雑痔ろうだから残しておいても良いことはないです。

なので悪いところは全部取ってしまったほうがいいです」

ヒロ田「なるほど、よくわかりました」

本田先生「それで、手術後のことなんですけど、考えられるのがまず腸の癒着ですね」

ヒロ田「あー、前の手術の時も聞きました」

本田先生「はい、腸をいじってしまうので、どうしても癒着しやすくなります」

ヒロ田「わかりました」

本田先生「あとは、排尿障害や性機能障害で勃起障害や射精障害が起きる可能性が

あります」

ヒロ田「あっ、はい」

ハイとは返事したものの、排尿障害や勃起障害、射精障害が起きるかも…と真面目な

顔して言われると、一瞬悩んでしまったな…。

『とは言っても体調不良で性機能はずっと停止中だし今と大した変わんないから良いん

じゃないか…』

と前向きに考え、言われたことを忘れることにした。

本田先生「それで手術は4月21日を考えてます。お父さん、その日は立ち合い

大丈夫ですか?」

ヒロ田父「はい、大丈夫です。時間はまだわからないですよね?」

本田先生「時間はまだ決まってないので、一週間前にはわかると思いますから

わかり次第お伝えします」

ヒロ田父「わかりました」

本田先生「何か不明な点とかありませんか?」

ヒロ田「はい、特にないです」

本田先生「では、サインいただくところ何枚かありますので、それぞれに記入お願い

します」

そう言って数枚の書類にサインをする。

本田先生「では説明はこれで終わりです」

ヒロ田「わかりました。では当日よろしくお願いいたします」

本田先生「はい、よろしくお願いします」

こうしてボクと父親は消化器外科の診察室を後にしたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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