第159話 看護師さんも数人が入れ替わりグチを聞きに来てくれた

第159話 看護師さんも数人が入れ替わりグチを聞きに来てくれた

IBDチームの山口先生がグチを聞きにくれた後、しばらく時間は経っていたが、

今度は看護師さんが病室に来てグチを聞いてくれた。

その後もしばらく時間が経ったあと別の看護師さんが来てグチを聞いてくれる…。

違う人が来るものだから同じ話を何度もすることになるのだが、話しているうちに

沸点まで達していた頭の中も徐々にぬるま湯へと変わっていった。

『何を言ったって手術が早くなることはないんだ』

『山口先生も看護師さんもオレに気遣って話を聞いてくれてる。別にこの人たちが

悪いわけじゃないんだしな…』

『とりあえずあと二週間くらいあるけど、28日に手術できることを期待して

頑張るか…』

『だけど、もうIVHは絶対やらないぞ…』

『まぁ、先生たちも手術まで普通の点滴でいきましょうって言ってるし、ここで

急に変わることはないだろう…』

ボクは、そんなことを自問自答しながら現実を受け入れるよう努力した。

『あー、だけどあと二週間かー。きついなーこのまま病院にいるのも…』

『でもそんなこと言っててもしょうがないもんな』

『だけど次の手術がまた延期になったら、先生達にも言ってるように退院させて

もらって、後のことはそれから考えることにしようか…』

現実を受け入れようとは思っても、なかなかすぐに現実を受け入れることができない。

自問自答しながら徐々に現実を受け入れていく。

そんなことを繰り返しているうちに、頭の中が新たな気持ちに変わりつつあった。

夕方、主治医と長塚先生が病室に来た。

主治医「ヒロ田さん、どうだい?どうだいって言っても後は手術待つだけだもんなー…」

ヒロ田「まぁ、ちょっと長引いてガッカリですけど、こればかりはしょうがないです。

ただ、次回が延期になるとなったらちょっと厳しいですね」

主治医「うーん、でもたぶん次は予定通り手術はすると思うんだよね。いまそういう

話で進んでるしさ」

ヒロ田「だといいんですけどね。ボクが気になってるのは、さっき山口先生にも言いま

したけど、次の28日に手術ができないとなれば次の週は5月5日でゴールデンウィーク

じゃないですか?まさかその日に手術はしないですよね?」

主治医が病室に貼ってあるカレンダーを見る。

主治医「そうだねー、ゴールデンウィークは手術しないねー」

ヒロ田「ということは、28日がダメだったら早くても5月12日が手術日ってことになる

ので、そうなると約一ヶ月は待たなきゃいけなくなる。それはちょっとキツイからそう

なったら退院したいって話なんですよ」

主治医「まあねー、そうなるよね。でも今度は大丈夫だわー、外科の先生も早く手術

しちゃったほうが良いって言ってるしね」

ヒロ田「だけど血栓が残ってるから…とか言って延びる可能性ありません?」

主治医「いや、ある程度小さくなってればやると思うよ。もともとヒロ田さんの血栓は

小さいものだから、ヘパリンやってれば手術までに無くなるか、もしくはかなり小さく

なると思うし。血栓見つかった当初、血栓があっても4月21日に手術するかいっていう

話も出てたんだけどさ、ただ万全を期していこうってことになってもう一週延びたんだ

よね。だから次の28日には手術はすることになるよ」

ヒロ田「じゃあ、28日に手術できることを期待して待ってます」

主治医「そうだね、後は一日おきくらいで採血やって、ある程度血栓が小さくなってるか

も判断できるし、最終的には手術の一週間前にはCT撮ってもらってチェックすることに

なるんだけど、約二週間ヘパリンやることになるから血栓は大丈夫だと思うわー」

ヒロ田「まずわかりました。そのように考えておきます」

主治医が28日は手術すると思うよと言っていたので少し安心はした。

だが、確実に手術をするとは言ってない。

疑り深い男だと自分でも思ってしまうが、ただ今回の場合はもう二度も予定がずれている。

さすがに「はいそうですか、わかりましたよ」と悠長には答えれなかった。

信頼という言葉もボクの中では崩れつつあった。

ただ、誰でもどんなことでも100%大丈夫ということはない。

主治医も「また手術が延期になりました」とはさすがに言えないだろう。

ボクも逆の立場ならそうだ。

『思うよ』と濁して言うしかないのだ。

そのため最悪なパターンも考えている。

ボクはある時期から最悪なパータンも考えておくように癖付けされたようだ。

最悪なことを考えておくことで、本当に最悪な事態になった時に、動じないで

いれるからだ。

今回も動じることはなかった。

ただ、がっちり言っておかないと、次もなあなあになってしまう可能性がある。

そのため少し強めに言っておいたのだ。

今回、主治医が28日で手術をする予定だと言っているので大いに期待している。

だが、同時に最悪なパターンも頭に入れておく。

最悪は、一度退院して仕切り直し。病院変更も含めて…。

そういったことをいろいろ考えているうちに、入院して二十四日目の消灯時間を

迎えたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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