第163話 ストーマ手術のための入院三十四日目は外科への移動時間が決まる

第163話 ストーマ手術のための入院三十四日目は外科への移動時間が決まる

2016年4月23日土曜日、入院して三十二日目の朝がきた。

手術まで何もない毎日が続いているが、土曜日になるともっとやることはない。

外来の診療をやっていないこと、ほとんどの医療関係者が休みということもあってか

病院全体が淋しい感じだ。

ヘパリン投与が続いているから看護師さんも定期的に来てくれるが、消化器内科の病棟では

ボクに対してやることは特に無い。

なので点滴の交換と血圧や体温のチェックに来るくらいなものだ。

主治医やIBDチームの医師も交代で回診には来るが、これと言ってやることはない。

「どうですか?手術もう少しですね」

という言葉をかけてくれるくらいなものである。

4月24日の日曜日も同じような感じだった。

そして2016年4月25日月曜日、入院して三十四日目の朝がきた。

いよいよ手術まであと3日となった。

『通常は3日くらい前に外科に移動するって言ってたよな』

『だけど今回はベッドの空きが無いから2日前に移動するって言ってたから

明日だな移動するのは…』

『せっかく病棟、病室にも慣れてきたのに変わるのもちょっと嫌だな…』

部屋は変わったほうが新鮮で良いという人もいるかもしれないが、ボクの場合は

基本、人見知りだから慣れるまでに多少時間がかかる。

そのため慣れたところにいたいと思うタイプだ。

でも外科に移動するってことは手術が近くなったということだから、今の自分にとっては

喜ばしいことでもあることに違いはない。

何とも言えない複雑な心境だった。

「ヒロ田さん、いよいよ今週だねー手術」

そう言いながら主治医とIBDチームの医師が朝の回診にきた。

ヒロ田「そうですね、もう少しです」

主治医「それでまだ移動の話って看護師さんから聞いてないでしょ?」

ヒロ田「はい、まだ聞いてないですね」

主治医「おそらく今日中に外科の看護師長とココ(消化器内科)の看護師長で部屋の

移動の打ち合わせすると思うからさ、明日には移動することになるわー」

ヒロ田「病棟にも慣れてきたところだったんですけどねー…」

主治医「そうなんだけどねー、でも手術するときは外科に移動しなきゃなんないから、

こればっかりはしょうがないわー」

ヒロ田「これ外科から消化器内科に戻ってくるときって同じ病室になるとは限らない

ですよね?」

主治医「うん、そうだねー。同じ病院内だけど一回消化器内科を退院して外科に入院する

というイメージだから同じ部屋を押さえておくことはできないんだよね」

ヒロ田「まぁ、別に同じ部屋じゃなくていいんですけどね」

主治医「うん、あと少しだから頑張って」

ヒロ田「わかりました。ありがとうございます」

検査続きというのも嫌なもんだけど、病室でじっとしてるというのも嫌なもんだ。

あまりにも暇なボクは手術後のことを考えていた。

『手術後いつから食事できるようになるのかな?』

『手術後3日とかかな…』

『最初に出るとしたらやっぱり重湯に具なしの味噌汁とかか…』

『前の手術の時は次の日から歩け歩けと言われたけど、今回もそうかな…』

『でも開腹してやるって言ってるんだから次の日からは厳しいよな…』

そんなことばかり考えている。

『それにしても外科に引っ越す時間は何時なんだ?』

『ゼンゼン何時になるか言いに来ないなー…』

時間は13時を過ぎている。

明日の引っ越しは何時なのか聞きたいところだけど、朝の回診時に消化器内科の

看護師長と外科の看護師長が打ち合わせをすると言っていたこともあって、看護師さん

が来るたび聞きたかったけれどせっかちだと思われたくないから我慢した。

けれどどんどん時間は過ぎていく。

15時過ぎ。

ボクはついにしびれを切らして点滴の様子を見に来た看護師さんに聞いてみた。

ヒロ田「明日、外科に引っ越すんですけどまだ時間てわからないんですよね?」

看護師「あっ、まだ時間聞いてないんですか?」

ヒロ田「そうなんですよね、明日父親が外科の先生の話を聞きに来るので、

引っ越しの時間とぶつかったら困るなーと思って」

看護師「あー、そうですよねー。ちょっと確認してきますのでもう少し待ってて

くださいね」

ヒロ田「はい、大丈夫です。お願いします」

しばらくすると看護師さんが戻ってきた。

看護師「ヒロ田さん、明日は10時過ぎに移動するみたいです」

ヒロ田「あっ、そうなんですね」

看護師「それでお部屋は外科病棟の〇〇号室になる予定です」

ヒロ田「あっ、わかりました。じゃあ父親にも伝えておきますね。ちょうどそのくらいの

時間に来ると思うので」

看護師「そうですね、お願いします」

ヒロ田「明日はその時間になったらどうすればいいです?」

看護師「こちらで全部外科の病室まで運ぶので、ヒロ田さんは歩いて行ってもらえれば

大丈夫です」

ヒロ田「じゃあ朝になったら荷造りしておきますね」

看護師「そうですね、ロッカーに入ってるものだけまとめてもらえれば、あとはそのまま

移動できますからー」

ヒロ田「わかりました」

こうして翌日4月26日に外科への引っ越し時間が決まったのである。

ーつづくー

ヒロ田

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