2017年2月15日、今日は病院の定期受診日だ。
病院には毎月行ってWOCナースの方と会い、ストーマの状況や面板（プレート）等の溶け具合などを確認してもらい、いろいろアドバイスをもらっている。
ここ数ヶ月は、ストーマ装具からの漏れが増えてきたので、話の内容も漏れについての話が多くなる。
ヒロ田「またここ最近漏れが多くなってきたんですよ」
林田さん「あれ、そうなんですね。じゃあちょっと面板（プレート）剥がして確認してみますね」
そう言って、時には他愛もない話をしながら装具交換をする。
林田さん「もしかしたらヒロ田さん凸型の面板（プレート）に変えたほうがいいかもしれないですねー」
ヒロ田「えっ？なんですか凸型って？」
林田さん「いまヒロ田さん使ってるのは平面の面板（プレート）なんですよ。それで、凸型っていうのは、このストーマサイズに合わせてカットする箇所が平面じゃなく盛り上がってるんですよね」
そう言って凸型のプレートを見せてくれた。
ヒロ田「へぇー、こんなのあるんですね」
「でも、これだとストーマの周りはくっつくけど、盛り上がってる部分だけついて、他はくっつきにくいイメージがありますけどね…」
林田さん「それが大丈夫なんですよ」
ヒロ田「これ（凸型）使ってる人いるんですか？」
林田さん「けっこういますよ」
「本当は、ストーマが皮膚に埋もれちゃって、ストーマの高さが無いときに使用するんです」
「なのでヒロ田さんはストーマの高さもあるし、皮膚にストーマが埋もれてるわけでもないから平面でいいと思うんですけど、ここ最近も、また漏れてくるようになってきたということなので凸型の面板（プレート）に変えたほうが良いのかなーと思ったんです」
ヒロ田「そうなんですね」
林田さん「凸型の装具が、いまワンピース（単品系）しかないんですけど、これサンプルあるので使ってみてください」
そう言って2種類のメーカーのサンプルを2枚ずつ渡してくれた。
ヒロ田「わかりました。じゃあちょっと次の交換で使ってみますね」
林田さん「そうですね、試してみてください」
ヒロ田「あと、皮膚も赤くなってきてましたよね」
林田さん「そうですね、漏れが続いたって言ってたので、その影響ですね」
「皮膚に便が付着すると、どうしても赤くなっちゃうんですよー」
ヒロ田「こういう場合ってどうすればいいんですか？」
林田さん「状況によるんですけど、今のヒロ田さんの場合だと赤くなっているだけで、ジュクジュクした滲出液が出てきているわけではないので、いつもよりストーマ装具の交換を1日早めにやってもらうことで治っていきます」
「もし、ジュクジュクした滲出液が出てきたら面板（プレート）が貼りつかなくなるので、その時は薬を塗って治すことになります」
ヒロ田「えっ、薬塗ってって、ストーマ装具つけてなかったら便が勝手に出てきちゃいますよね？」
林田さん「薬って言っても交換時に綺麗に洗って、皮膚を拭いてから薬を塗って、薬が乾いたら面板（プレート）を貼りつけるだけなので大丈夫ですよー」
ヒロ田「あー、なるほど、それで大丈夫なんですね。てっきり薬塗ってから1時間とか放置してなきゃいけないかと思いました（笑）」
林田さん「(笑)」
「ヒロ田さんの場合は、まだ薬は必要ないので今までよりも1日早めに交換するということを心がけてもらえれば改善すると思います」
ヒロ田「わかりました。じゃあ赤みが無くなるまで早めの装具交換と、凸型のサンプルを使ってみます。というより今使ってるメーカーの凸型のものも注文しようと思います」
林田さん「サンプル使ってみてからでもいいと思いますけどね」
「でも、ヒロ田さんは凸型の面板（プレート）を購入しても問題ないと思いますよ」
ヒロ田「わかりました。ちょっとサンプルも使用しつつ凸型を検討しますね」
ボクは、明るい気分で病院を後にした。
『だけど考えてみたら凸面の面板（プレート）に変えると言っても平面の面板（プレート）が家にまだ残ってるよな…』
『それ使っちゃわないともったいないよな…』
『凸面に変えると、面板（プレート）のサイズが変わるって言ってたから、今のパウチ（袋）も合わなくなるってことだもんな…』
『もったいないな…』
『数にもよるけど、もしけっこう残っていたら、それ使ってから凸面の面板（プレート）に変えるかな…』
自宅への帰り道、ボクはフト今使っている平面の面板（プレート）がけっこう残っていたことを思い出した。
『まず、いま残っている平面の面板（プレート）を2日に1回で交換して使っちゃおうかな…』
『皮膚の赤みを治すために1日早く交換て言ってたしな…』
『それからサンプルを使用させてもらって…』
『だけど凸面の面板（プレート）は来週早々注文しておくか…』
凸面の面板（プレート）という新しい出会いにワクワクもするが、今まで使っていた平面の面板（プレート）にも愛着がある。
ボクは何とも言えない気持ちで自宅へと戻ってきたのである。
ーつづくー
ヒロ田