第196話 恐れていたことが深夜0時30分にやってきた

第196話 恐れていたことが深夜0時30分にやってきた

2016年6月15日、前回ストーマ装具を交換したのが6月13日で、まだ2日目なのだが、前々回WOCナースの林田さんと一緒に交換したあと、初めて自身で交換したのと、サンプルでもらったパウダーを交換時にかけていなかったことから、少し気になってしまい2日目で交換することにした。

剥がした面板(プレート)を確認したところ、いつも溶けているへそ側の箇所は5㎜程度の溶けといつもよりは少なかったので、もう1日つけてても問題なかったであろうと判断した。

そして事件は2016年6月17日の深夜に起きた。

少し早めの22時頃に寝たボクは、深夜0時30分頃、うっすらと目が覚め、無意識にお腹の辺りを触ったところ…

『あれ、冷たいな…』

嫌な予感がしたボクは、パッチリ目が冴えてすぐに部屋の電気をつける。

『うわっ、漏れてる!!!』

とうとう恐れていたことが起きた。

慌てて立ち上がると、バサッとパウチ(袋)だけが床の上に落ちる。

落ちたと同時に便が床に…。

『うわ~、なんでこうなったんだ…?』

慌てながらもどうすれば一番良いかを瞬時に考える。

『まず二次被害を防ぐためにパウチ(袋)をつけよう』

『あれ、、、だけどプレート(面板)は皮膚にくっついてるのか?』

プレート(面板)が皮膚から剥がれていたら、パウチ(袋)をつけたところでストーマから勝手に便が出てきて、さらに漏れてしまう可能性がある。

『プレート(面板)はきちんとついてるな…』

『えっ?じゃあなんで漏れたんだ?』

『パウチ(袋)だけが外れたってこと?』

てっきりプレート(面板)が剥がれて漏れてきたのだと思っていたのだが、なんとパウチ(袋)だけが外れて漏れている。

パウチ(袋)を確認してみると、プレート(面板)とパウチ(袋)をロックする部分が外れている。

『あれ、一昨日交換した時にきちんとロックしたはずだけどな…』

『外れてるぞ…』

交換した時にロックしたはずだ。

いろんなことを考えながらパウチ(袋)をプレート(面板)につけ、汚れた床を拭く。

『どうしようかな…。プレート(面板)が剥がれてないなら、このまま朝までつけてて起きてから交換するか…?』

『いや、でもよく見たらパジャマも汚れてるな…』

『あれ、、、もしかして…』

パジャマも汚れていることを確認したボクは、布団が汚れたのではないか?と気になり確認する。

『うわっ、タオルケット汚れてる…』

『他は大丈夫か?布団も汚れてたら大変だぞ…』

すっかり目が覚めてしまったボクは、パウチ(袋)をつけたことで、これ以上勝手に漏れてくることがないと判断し、布団をくまなくチェックした。

『よし、とりあえずタオルケット以外は問題なさそうだ…』

『シーツも大丈夫だな…』

起き上がった際に、パウチが身体から落ちてしまったことで床が汚れてしまったことと、パジャマ、タオルケットが汚れた以外、幸いなことに被害は無かったようだ。

『さて、どうしようか…。とてもじゃないがこのまま寝れるという状態じゃないな…』

『今から装具交換する準備してシャワー浴びて交換したほうがいいな…』

冷静になってきたボクは、このままシャワーを浴びて装具交換することを決めた。

『しかし何でこんなことになったのかな…?』

『プレート(面板)はきちんと皮膚に貼りついたままだったよな…』

『で、パウチ(袋)のロックが外れて漏れてきた…』

『なんでロックが外れたんだろ…?』

『交換した時にきっちりロックしたと思うんだけどな…』

『いや、絶対ロックしていると思う…』

『もし交換時にロックをしてなかったとしたら、この2日間トイレに行って毎回確認してるのに気づかないわけがないもんな…』

『ということは、あと何が考えられる…?』

ボクはシャワーを浴び、装具交換をしながらも原因を追究するために自問自答していた。

『ってことは寝てる時に何かが原因で外れたのか…?』

『便の量からしても、パウチ(袋)がパンパンになったわけではないしな…』

『考えられるとしたらガスでパンパンになったとかか…?』

『でもそんなんでロックが外れるだろうか…?』

いくら考えても答えは出てこないのかもしれないが、二度繰り返さないためにもできる限り原因を絞りたかった。

『そうだ、今回はいろいろ試しているときで、パジャマの外にパウチ(袋)が出るようにして寝たんだよな…』

『気づかないうちに寝返りしたりして、何かの拍子でロック解除するところを触ってしまい、それが外れるきっかけになったとか…』

『まだパジャマの中にパウチ(袋)が入っていたら障害がが無いけれど、外に出してたら寝返りするだけでパウチ(袋)には負荷がかかってしまうもんなー…』

ボクは装具交換を終え、寝室に戻りながらそんなことを考えていた。

なぜそんなことをしたのか今ではわからないが、いろんなことを試しているときだったということは確かだ。

パウチ(袋)をパジャマの外側に出していたというのは、おそらく夜中に起きて便の処理をする際、パジャマを下げたりしなくても便の処理がしやすいのでは?という単純な発想からそうしたように思う。

お陰様でこの経験があったことでパジャマの外にパウチ(袋)を出すことは無くなったのだが…。

ーつづくー

ヒロ田

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