絶食解禁からしばらくの間は、お粥と具なし
の味噌汁を夜に食べ、エレンタールを2,100
kcal~2,400kcalを摂取する毎日。
同時にレミケードでの治療も続けていた。
副作用の問題もなく、通院でのレミケード
治療が可能になり、月に1回外来で行う
ことになった。
流れとしては、最初に外来の処置室で
点滴を入れるためのルートを確保(普通
の点滴と同じように針を刺す)。
同時に採血も行う。
外来の処置室のベッドに寝てレミケードを
開始。
約3時間かけてレミケードを滴下する。
点滴が終わると主治医の診察。
そんな流れだ。
レミケード治療をしていくと、体調が
どんどん良くなり、食事の回数も昼と
夜の2回食べれるようになった。
食べているものは、お粥や雑炊、
うどんなど消化の良いものを食べる
ように心がけた。
お粥と具なしの味噌汁から食事の
バリエーションが増えたのは正直
うれしい。
そんなある日のレミケードの日。
ボクはいつものように点滴(レミケード)
の準備ができるのを待合室で待つ。
しばらくすると看護師さんに呼ばれ、
ベッドに寝て検温、血圧、それと酸素濃度
を測るものを指につけて10秒くらい。
99とか98といった数字が出てくる。
すべての数字が問題なければ針を刺して
採血、そしてレミケードがスタート。
いつもと同じ感じ。
ボクはいつもレミケード終了する3時間の間、
本を読んだり寝たり…
で時間はあっという間だった。
今回も同じようなパターン。
ボクは本を読みながら眠くなったら
寝ようと思っていた。
30分くらい経過した頃だろうか。
何だか少し動悸がしてきた。
『あれ、オシッコもしたいな…』
ボクは点滴台を押しながらトイレに向かう。
向かっている途中で急にお腹が痛くなって
便意を催してきた。
『何だろうなー、効いてきてるからかな…』
そう思いながらトイレの便座に腰掛ける。
お腹が痛い割に思うように出ない。
すると、動悸も激しくなってきた。
『あれ、顔が何だか熱いぞ…』
『胃のあたりも痛くなってきた…』
ボクはトイレの個室を出て洗面所の鏡で
顔を見てみた。
すると、顔が何となく赤くなり、
腫れぼったい感じで目が充血している。
動悸も凄くなってきた。。。
ボクは気になりながらも寝たら治るかと
思い、トイレから処置室へ向かった。
処置室に入ると、この日ボクの担当して
いる看護師さんがボクを見て、
「あっ、ヒロ田さん大丈夫ですか?」
と声をかけてきた。
ボク「いや~、何か大丈夫じゃない感じ
です」
看護師「あれ、顔赤くて腫れぼったい
ですよ」
ボク「動悸も凄いんだよね」
看護師「もしかして副作用かも。
すぐ先生に言います」
何だか処置室ないが慌ただしくなってきた。
レミケードの点滴はすぐに止められ、
ベッドに横になる。
ベッドに横になってからが凄かった。
動悸がよりいっそう激しくなり、
何だか苦しい。
『胃なのか?お腹も痛いぞ。』
『顔は火照ってきて腫れてる感じだ。。。』
血の気が引いてる感じがしてきて
吐き気もしてきた。
そうこうしているうちに医師が飛んできた。
医師「あれー、アナフィラキシーだね。
生食(生理食塩水)流そう」
医師が看護師さんに指示を出す。
500mlの生理食塩水を持ってきて
それを全開で滴下する。
滴下するというかわいいもんじゃないな、
流すという感じだ。
『えっ?そんな勢いで点滴流して大丈夫
なの?』
今まで点滴と言えばゆっくり落とすという
イメージしかなかったボクは、勢いよく
流していることに驚いた。
後で聞いた話だが、副作用が起きた時は
早く身体から出さなければいけないので
早く流さないとダメなようだ。
10分、20分と経過していくうちに、
だんだんと身体が楽になってきた。
あまりにも早く生理食塩水を流したからか
オシッコがしたくなってきた。
少し我慢はしていたのだが、身体も楽に
なってきたし、それ以上に我慢できない
くらいになってきた。
「すいません、ちょっとトイレ
行ってきます」
ボクはトイレに行き、オシッコをたくさん
したあと処置室に戻る。
身体は楽になっていたのだが、点滴を
続けていたので終わるまでベッドで
寝て待つことにした。
2時間くらい経っただろうか。
すべてが終わり医師の待つ診察室へ。
医師「副作用出ちゃったねー」
ボク「今まで副作用出ないまま1年くらい
レミケードをやってたのに、急に出る
ことってあるんですか?」
医師「最初から副作用でる人もいるけど
ヒロ田さんみたいに後から出る人も
いるんだよね」
医師「アナフィラキシーショックの症状で
レミケードの副作用だわー」
ボク「じゃあレミケードの治療は今後ダメ
ってことですかね?」
医師「うーん、しばらくやらないで様子見た
ほうがいいけど、もしやるならまた入院して
今までよりも滴下速度を落として時間かけて
やっていく感じかなー」
ボク「せっかくいい感じだったん
ですけどね」
医師「そうだよねー。まず良い方法を
考えてみるよ」
レミケードの治療を始めてから、回数に
したら何回目だろうか…。
とにかく外来でのレミケード治療は
できなくなった。
後は医師の判断に任せるしかない。
ボクは何とも言えない心境だった。
副作用が出るのは嫌だ。
でも、せっかくレミケードで良くなって
きてたのに、治療できなくなると
また悪くなっていくのだろうか…。
そんな不安な気持ちを持ちながら
病院を後にした。
ーつづくー
ヒロ田