ボクは5月の入院期間中、久しぶりにヒュミ
ラを投与した。
最初は4本の皮下注射を投与する。
その2週間後は2本の投与。
それ以降、2週間ごとに1本ずつヒュミラを
投与していく。
ボクは数年前にヒュミラを投与していた経験
があったので、医師と看護師が見守る中、自
分で4本投与した。
そして2週間後の投与は、退院してからにな
るので、処方してもらい、退院時に持ち帰る
というパターンでも良かったのだが、持ち帰
るのも面倒だったし、投与を忘れても困るの
で、その投与日に合わせ、病院で採血→受診
→投与という流れでお願いした。
病院で2回目の投与をやったのだが、その3日
後くらいに異変が起きた。
母親が買い物をしたいということで、買い物
に連れて行き、その帰りに母親がクリームの
たい焼きを購入してきたので食べてみた。
すると…
何だか味が変だ。
口の中がビリビリするぞ。
『えっ?なんだ?腐ってるの?』
気にしすぎかな?と思い、もう一口食べてみ
た。
『あれ、やっぱり味が変だぞ…』
ボクは腐ってるのではないかと思い、母親に
こう聞いた。
「なんかコレ味が変だなー。腐ってるわけ
じゃないよね…?」
母親がもう1つのクリームのたい焼きを食べ
てみた。
だが、ゼンゼン問題ないと言う。
『オレの口の中がおかしいのか…』
自分の口の中がおかしかったということでこ
の日は終わった。
そして翌日、なんとなく甘いものが食べたく
なり、あんぱんを購入し食べてみたところ、
昨日食べたタイ焼きと同じように口の中がビ
リビリくる。
ボクは甘いものを食べると口の中がおかしく
なるようだと学習し、甘いものを食べないよ
うにした。
しかし、甘いもので口の中がおかしいだけじ
ゃなく、どんどん口内異常は起きていく。
次に喉の痛みが出てきた。
『あれ、風邪か?』
しばらくそう思っていたのだが、塩気のもの
を食べても喉が痛み、終いには冷たい水でも
喉が痛くなってきた。
その痛さ、味がおかしくなった原因というの
が7月に入院することになった喉の潰瘍とい
うヤツだった。
ボクは、振り返ってみて思った。
『やはりヒュミラが合わないのじゃないか?』
と…。
調べてみたら、副作用に口内異常と書いてあ
る。
『胃痛、腹痛はプレドニンが原因じゃないか
?副作用に胃痛、腹痛と書いてあるぞ』
振り返って考えていると、原因がだんだんと
特定できてきた。
ヒュミラとプレドニンが原因だ!!
ボクは、医師に相談もせず、自身で中止する
ことを決めた。
とりあえず、約10日後の受診日にそのことを
報告すると共に、ヒュミラも止めたいし、ク
スリも飲まないようにしたいと伝えよう。
特にプレドニンは絶対飲みたくないと…。
そう決めて自分で服用を中止した。
飲み薬をもらう時に、たいてい自己判断で
中止するのは避けてください。
と書いてあったりするが、そんなのは思いっ
きり無視した。
なぜなら、思い返せば思い返すほど、原因が
クスリだと思ったからだ。
入院中、プレドニンを3日間だけ飲んで、そ
の後は中止した。
もちろん、それは医師の判断で…。
ところが、翌日、高熱が出た。
高熱は、プレドニンを急に止めたリバウンド
とのことで、再び量を減らしてしばらく飲み
続けることになり、自宅でも飲むようになっ
たというのがプレドニンを飲むことになった
経緯だ。
そのプレドニンを自分で勝手に服用中止した
次の日は、やはり少しダルく熱っぽかった。
体温を測ってはいないが、おそらく38度くら
いはあったように感じる。
それでもボクは、クスリを飲まないと決め、
ダルかったその日は仕事から帰ってきてすぐ
に寝た。
クスリを止めた翌々日も、少しダルさはあっ
たものの、すごく熱っぽいわけではない。
仕事が終わったら、すぐに自宅に帰ってきて
ベッドで寝て過ごす日が続いた。
プレドニンを止めてから3~4日経った頃、胃
痛、腹痛が徐々に減ってきたように感じる。
さらに一週間も経つと、胃痛、腹痛が無くな
ってきた。
さらに、喉の潰瘍も無くなってきたのか、だ
んだんと喉の痛みも消えてきた。
ボクは、クスリの副作用だったのだと日に日
に実感するようになってきた。
プレドニンを中止して約10日経ち、予約して
いた受診日がやってきた。
いつものように受付を済ませ、採血に呼ばれ
る。
その後、ポートフラッシュをしてもらう。
※ボクは、在宅で高カロリーの点滴ができる
ように、鎖骨下にMRIポートというものを入
れていて、それがあれば自分で針を刺し、高
カロリーの点滴を自宅でできる。
ただ、そのポートを使用していなくても一ヶ
月に1回は、ポートをフラッシュする必要が
あるため、毎回受診するたびに看護師さんに
やってもらっている。
ポートフラッシュが終わった後、IBD専門の
医師(以下IBD医師)に呼ばれるのを待って
いる。
たいてい呼ばれるのは採血結果が出てからな
ので1時間くらいは待つ。
「ヒロ田さん、6番の診察室へどうぞ」
IBD医師がボクの名前を呼んだ。
いよいよ自分勝手にクスリの服用を中止した
と伝える時だ。
ボクは、立ち上がり呼ばれた診察室へと向か
っていったのである。
ーつづくー
ヒロ田