インフルエンザを発症したことにより、再び
クローン病が悪化したボクは、ヒュミラ
(アダリムマブ)をやっていくことになる。
ヒュミラ(アダリムマブ)の記事については
こちら→【ヒュミラ(アダリムマブ)】
結果的に、そのヒュミラも中止することに
なった。
ヒュミラをやって数ヶ月後、大腸カメラの
検査をした時に、若干ではあるが狭窄して
いるところがあるため、使い続けるのは
良くないのではないか?
ということになり使用を中止した。
ヒュミラは、最初のころ効いていたような
気はしていたが、使用しているうちに効い
ていないのでは?と感じるようにもなって
いた。
ヒュミラが効かなかったのか?
それともヒュミラ以上にボクのクローン病が
強かったのか…?
それは定かではない。
ヒュミラも使えなくなったボクは、しばらく
体調が悪くなれば絶食してエレンタールを
続け、良くなってくれば食べたりして…と
いう日々を送っていた。
それでも症状は落ち着いていたのだと思う。
そして再びインフルエンザが流行し始めた
時のこと。
弱ってきているボクの身体がインフルエンザ
になっては大変だと思い、予防接種をお願い
した。
そしてこの時も2~3日後にインフルエンザを
発症。
ボクはこの時『もう二度とインフルエンザの
予防接種はしない』と心に誓った。
なぜなら、予防接種をすることによって、
ボクの身体はインフルエンザになりやすい体
質なのではないか?と感じたからだ。
現にそれ以降ボクはインフルエンザを発症
したことが無い。
こうして再びインフルエンザになったボクは、
またまたクローン病の悪化を招いたのである。
インフルエンザが治ってからも体調不良は
続き、毎月の診察での採血結果はCRP
(炎症反応)がこの時8.09だった。
健康体の人は0.30以下なのだからかなり高い。
だからと言ってレミケード、ヒュミラはやり
たくない。
主治医もヒロ田さんは薬が効きすぎて狭窄に
なりやすいのかもしれないから、やらない
ほうが良いと思うよと言っていたし…。
そこで、もし何かをやるとしたらGキャップ
(顆粒球除去療法)はどうか?と主治医が
提案してきた。
ヒロ田「それはどんな治療なんですか?」
主治医「簡単に言うとヒロ田さんの血液を
一度抜いて顆粒球を除去してからヒロ田さん
の身体に血液を戻すという治療なんだよね」
ヒロ田「へぇ~、そんな治療あるんですね。
イメージとしては人工透析をするような
感じですか?」
主治医「うん、そうだね。ただ人工透析は
片側の腕に専用の血管を作って、片側だけで
血を抜いて戻すということをやるんだけど、
Gキャップは片側の腕の血管から血を抜いて
もう片方の腕の血管に血を戻すから、一時的
に両腕は使えなくなるわー」
ヒロ田「時間はどれくらいやるんですか?」
主治医「そうだねー、1時間30分くらいかな」
ヒロ田「それで副作用はどうなんでしょう?」
主治医「副作用は無いと言ってもいいと思う
よ。たまに終わった後に頭痛がするという人
がいるけどすぐ治まるみたい。それくらいか
なー」
ヒロ田「副作用無いならいいですね!Gキャ
ップをやるとなったらいつからできるんで
すか?」
主治医「うんとねー、1週間に1回やらなきゃ
いけないんだよね。それを5週続けて、もし
効果が無いようであれば引き続き5週続けて
できるから最大10週までできるんだけど、
それでいくとヒロ田さん毎週何曜日だったら
可能だい?いま確認してみるから…」
ヒロ田「それじゃ毎週火曜日の午前中で
問題なければその曜日でお願いします」
主治医が治療を担当する部署の人に確認
をしている。
主治医「来週の火曜日10時30分~大丈夫
だって。それでね、このあと透析室に行って
打ち合わせしてきてほしいんだよね。治療は
透析室でやることになるから」
ヒロ田「わかりました。このあと透析室に
行ってきます」
診察を終えたボクは人工透析室に向かった。
ドアを開けて中に入るとカウンターのような
ものがあるのだが誰もいない。
みんな忙しそうに動き回っている。
どうすれば良いのかわからず数秒間立って
いると、女性がボクに気づき近寄ってきた。
ヒロ田「あの、ヒロ田と申しますけど…」
女性「あっ、ヒロ田さん、Gキャップの…」
ヒロ田「あー、そうです」
女性「先生から聞いてます。来週の火曜日
10時30分~でしたよね?」
ヒロ田「はい、そうです」
女性「もし時間の都合つかなくてキャンセル
することになったら遅くても30分前には連絡
欲しいんですよね」
ヒロ田「いや、キャンセルするということは
ないです。もし仮に少し遅れることがあった
としても間違いなく来ますので」
女性「それだと助かります。10時30分~だと
10時過ぎには準備するので、開封してからキャ
ンセルになると廃棄するしかなく、使わなくて
も高額な請求は病院にきちゃうので…」
ヒロ田「えー、そうなんですか。ちなみに高額
ってどれくらいかかるんですか?」
女性「14~15万円です」
ヒロ田「えっそんな高いんですか?1回で…」
女性「そうなんですよー。なのでキャンセル
する時は早めに連絡欲しいんです」
ヒロ田「あー、ボクはキャンセル無いので大
丈夫です。それじゃ来週の火曜日10時30分に
きますので、よろしくお願いします」
女性「わかりました。あっ、これ持って帰っ
てください」
女性からユーパッチテープなるものを手渡さ
れた。
ヒロ田「えっ?なんですかコレ?」
女性「あー、これ腕の太い血管(肘のとこ)
に30分くらい前から貼って欲しいんです。
麻酔なんですよー」
ヒロ田「えー、麻酔って…そんな痛いんです
か?」
女性「けっこう太い針を刺すので、採血とか
と違って刺すとき痛いと思うんです。なので
これ貼っておくと麻酔作用で痛みが和らぎま
すので貼ったほうがいいと思いますよ」
ヒロ田「あっ、そうなんですね。わかりまし
た…」
苦笑いするしかなかった。
【痛い】と聞けばどうも構えてしまうな…。
Gキャップで良くなってくれたらいいな。と
いう気持ちと『痛いの嫌だな…』という気持
ちが入り交じる。
ボクは期待半分、不安半分の気持ちで帰路に
着いたのである。
ーつづくー
ヒロ田