第62話 ヒュミラ中止で次なる治療はGキャップ

第62話 ヒュミラ中止で次なる治療はGキャップ

インフルエンザを発症したことにより、再び

クローン病が悪化したボクは、ヒュミラ

(アダリムマブ)をやっていくことになる。

ヒュミラ(アダリムマブ)の記事については

こちら→【ヒュミラ(アダリムマブ)

結果的に、そのヒュミラも中止することに

なった。

ヒュミラをやって数ヶ月後、大腸カメラの

検査をした時に、若干ではあるが狭窄して

いるところがあるため、使い続けるのは

良くないのではないか?

ということになり使用を中止した。

ヒュミラは、最初のころ効いていたような

気はしていたが、使用しているうちに効い

ていないのでは?と感じるようにもなって

いた。

ヒュミラが効かなかったのか?

それともヒュミラ以上にボクのクローン病が

強かったのか…?

それは定かではない。

ヒュミラも使えなくなったボクは、しばらく

体調が悪くなれば絶食してエレンタールを

続け、良くなってくれば食べたりして…と

いう日々を送っていた。

それでも症状は落ち着いていたのだと思う。

そして再びインフルエンザが流行し始めた

時のこと。

弱ってきているボクの身体がインフルエンザ

になっては大変だと思い、予防接種をお願い

した。

そしてこの時も2~3日後にインフルエンザを

発症。

ボクはこの時『もう二度とインフルエンザの

予防接種はしない』と心に誓った。

なぜなら、予防接種をすることによって、

ボクの身体はインフルエンザになりやすい体

質なのではないか?と感じたからだ。

現にそれ以降ボクはインフルエンザを発症

したことが無い。

こうして再びインフルエンザになったボクは、

またまたクローン病の悪化を招いたのである。

インフルエンザが治ってからも体調不良は

続き、毎月の診察での採血結果はCRP

(炎症反応)がこの時8.09だった。

健康体の人は0.30以下なのだからかなり高い。

だからと言ってレミケード、ヒュミラはやり

たくない。

主治医もヒロ田さんは薬が効きすぎて狭窄に

なりやすいのかもしれないから、やらない

ほうが良いと思うよと言っていたし…。

そこで、もし何かをやるとしたらGキャップ

(顆粒球除去療法)はどうか?と主治医が

提案してきた。

ヒロ田「それはどんな治療なんですか?」

主治医「簡単に言うとヒロ田さんの血液を

一度抜いて顆粒球を除去してからヒロ田さん

の身体に血液を戻すという治療なんだよね」

ヒロ田「へぇ~、そんな治療あるんですね。

イメージとしては人工透析をするような

感じですか?」

主治医「うん、そうだね。ただ人工透析は

片側の腕に専用の血管を作って、片側だけで

血を抜いて戻すということをやるんだけど、

Gキャップは片側の腕の血管から血を抜いて

もう片方の腕の血管に血を戻すから、一時的

に両腕は使えなくなるわー」

ヒロ田「時間はどれくらいやるんですか?」

主治医「そうだねー、1時間30分くらいかな」

ヒロ田「それで副作用はどうなんでしょう?」

主治医「副作用は無いと言ってもいいと思う

よ。たまに終わった後に頭痛がするという人

がいるけどすぐ治まるみたい。それくらいか

なー」

ヒロ田「副作用無いならいいですね!Gキャ

ップをやるとなったらいつからできるんで

すか?」

主治医「うんとねー、1週間に1回やらなきゃ

いけないんだよね。それを5週続けて、もし

効果が無いようであれば引き続き5週続けて

できるから最大10週までできるんだけど、

それでいくとヒロ田さん毎週何曜日だったら

可能だい?いま確認してみるから…」

ヒロ田「それじゃ毎週火曜日の午前中で

問題なければその曜日でお願いします」

主治医が治療を担当する部署の人に確認

をしている。

主治医「来週の火曜日10時30分~大丈夫

だって。それでね、このあと透析室に行って

打ち合わせしてきてほしいんだよね。治療は

透析室でやることになるから」

ヒロ田「わかりました。このあと透析室に

行ってきます」

診察を終えたボクは人工透析室に向かった。

ドアを開けて中に入るとカウンターのような

ものがあるのだが誰もいない。

みんな忙しそうに動き回っている。

どうすれば良いのかわからず数秒間立って

いると、女性がボクに気づき近寄ってきた。

ヒロ田「あの、ヒロ田と申しますけど…」

女性「あっ、ヒロ田さん、Gキャップの…」

ヒロ田「あー、そうです」

女性「先生から聞いてます。来週の火曜日

10時30分~でしたよね?」

ヒロ田「はい、そうです」

女性「もし時間の都合つかなくてキャンセル

することになったら遅くても30分前には連絡

欲しいんですよね」

ヒロ田「いや、キャンセルするということは

ないです。もし仮に少し遅れることがあった

としても間違いなく来ますので」

女性「それだと助かります。10時30分~だと

10時過ぎには準備するので、開封してからキャ

ンセルになると廃棄するしかなく、使わなくて

も高額な請求は病院にきちゃうので…」

ヒロ田「えー、そうなんですか。ちなみに高額

ってどれくらいかかるんですか?」

女性「14~15万円です」

ヒロ田「えっそんな高いんですか?1回で…」

女性「そうなんですよー。なのでキャンセル

する時は早めに連絡欲しいんです」

ヒロ田「あー、ボクはキャンセル無いので大

丈夫です。それじゃ来週の火曜日10時30分に

きますので、よろしくお願いします」

女性「わかりました。あっ、これ持って帰っ

てください」

女性からユーパッチテープなるものを手渡さ

れた。

ヒロ田「えっ?なんですかコレ?」

女性「あー、これ腕の太い血管(肘のとこ)

に30分くらい前から貼って欲しいんです。

麻酔なんですよー」

ヒロ田「えー、麻酔って…そんな痛いんです

か?」

女性「けっこう太い針を刺すので、採血とか

と違って刺すとき痛いと思うんです。なので

これ貼っておくと麻酔作用で痛みが和らぎま

すので貼ったほうがいいと思いますよ」

ヒロ田「あっ、そうなんですね。わかりまし

た…」

苦笑いするしかなかった。

【痛い】と聞けばどうも構えてしまうな…。

Gキャップで良くなってくれたらいいな。と

いう気持ちと『痛いの嫌だな…』という気持

ちが入り交じる。

ボクは期待半分、不安半分の気持ちで帰路に

着いたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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