第116話 輸液剤がチューブの中で固まったの?

第116話 輸液剤がチューブの中で固まったの?

久しぶりに高カロリーの点滴をスタートさせ

た。

今回は針を一週間ごとに交換するため、一週

間は刺しっぱなしということになる。

しかし、針を刺しっぱなしにすることで、輸

液剤がチューブの中で固まらないか?という

ことはどうしても気になってしまう。

というのも、ボクは以前の病院で同じように

高カロリー点滴をしていたことがあり、その

時は針を毎日抜き刺ししていたのだが、注意

点としてこんなことを前の病院で言われた。

「点滴を始める前と終わりに必ずフラッシュ

していればチューブの中で輸液剤が固まるこ

とはないので大丈夫。ただ、高カロリーの点

滴は固まりやすいから、もしフラッシュして

も生食が流れなかったら(シリンジを押して

も動かない等)すぐに教えてくださいね」

そう言われていたのだ。

前の病院で、高カロリー点滴をやっていた

ある日、外出する予定があったのだが、

約5時間自宅を不在にするだけだったので、

いつもは針を抜いてるのだけれど、帰って

きたら高カロリーの点滴をすぐに始めよう

と考えていたので、針を抜かず生食をフラ

ッシュして外出した。

用事が終わり自宅に戻ってから、点滴をつな

ぐ前に生食をフラッシュしてみると…

『あれ?生食が流れていかないぞ…』

生食の入ったシリンジを押しても動かない。

ボクは、看護師さんが言ってたことを思い出

した。

『フラッシュしても固まっていたら連絡くだ

さい』

そう言っていたはずだ。

『あれ、コレって固まったということか…

?』

ボクは連絡しないとダメか…と思いながらも、

何回かチャレンジした。

シリンジを押してみて引いてみて…。

五回目くらいだろうか、ラッキーなことにシ

リンジが動き、無事に生食が流れだした。

それ以来、こんなことが二度と起きないよう

毎回針を抜き刺しするよう心がけた。

でも今回は、一週間つけっぱなしだ。

さすがにボクも気になったので、このことに

ついては医師に聞いていた。

ヒロ田「過去に、フラッシュして一時的に

流れなかったことがあるんですけど、大丈夫

なもんですかね?」

主治医「うーん、みんなつけっぱなしでやっ

てて問題ないから大丈夫だと思うんだよね。

それでやってみてさー、ダメなら違う方法考

えようか」

そんなやり取りがあり、ボクも一度だけのこ

とだったし、他の人が大丈夫なのだから…と

いうことで主治医の指示に従った。

こうして針を一週間つけっぱなしでの高カロ

リー点滴がスタートした。

翌日、朝起きてから今までは外していた針だ

けれど、今回からはつけっぱなしで生食をフ

ラッシュだけする。

日中もつけっぱなしだ。

最初は何となく違和感があったけれど、すぐ

に慣れた。

仕事を終えて自宅に帰ってきたボクは、まず

ご飯を食べ、それから10時間後に終わるよう

に逆算して点滴の準備をする。

そして生食をフラッシュ。

『あれ?固いぞ…。これって固まってるって

言うんだよな…?』

あの時と同じ状況だ。

何度か押したり引いてみたり…

それを何回か繰り返していると、プシュと

いうような小さな音と共に、生食が流れ出し

た。

『これ、固まってたと言うよな…?』

とりあえずフラッシュできて点滴がスタート

した。

本当は、病院に電話して聞けばいいんだろう

けど、結局は点滴できてるんだから良いと判

断し、電話はしなかった。

だが、この後も一回で生食が流れるというこ

とはなく、それから毎日続いたのだ。

そのたびに押したり引いたり…。

何回かやっていると、またプシュという小さ

な音と共に生食が流れていく。

『これは固まってるという判断でいいんだよ

な…?』

個人的には固まっていると判断しているのだ

けれど、医師に聞くまではわからない。

ボクは、次回の診察時に聞くことにした。

そして一ヶ月後の診察日がやってきた。

いつものように採血をしてから呼ばれるのを

診察室前で待っている。

しばらくするとボクの名前が呼ばれた。

主治医「あっ、数字ちょっと良くなってきて

るね」

ヒロ田「そうですね、高カロリーの点滴をす

ると、だいたい良くなってくるんですよね今

までも」

主治医「うん、これは効果ありってのがわか

るわー」

ヒロ田「それで先生、ただちょっと気になっ

てるのが、どうもフラッシュがスムーズにい

かないんですよ」

主治医「えっ?嫌だねそれ。どんな感じなの

?」

ボクは今までの経緯を説明する。

夜スタートする時だけダメになること。

何回か押したり引いたりしているうちに生食

が流れていくこと。

主治医「いやー、なんか嫌だなー。どうしよ

うかなー…」

ヒロ田「いま10mlの生食を処方してもらって

るんですけど、それを20mlにして多くフラッ

シュしたらどんなもんでしょうね?」

主治医「うーん、確かに少しは良くなるかも

ね」

「一応、それで出してみるけど、でも何かお

かしいんだよなー」

ヒロ田「えっ?どんなところですか?」

主治医「いや、固まってたら、そんな感じじ

ゃないと思うんだよねー。もしかしたらさ、

やり方に問題ありかもだから、もう一回、看

護師さんにやり方を確認してみてもらえる?」

ヒロ田「あー、そんなことあるんですね。

じゃあ診察終わったら聞いてみます」

主治医「うん、一応20mlで出しておくけど、

もしかしたらやり方も疑ってみたほうがいい

からさー」

そんな会話をして診察室を出てから看護師さ

んに再確認する。

確認したところやり方には問題ないようだ。

『原因は10mlしかフラッシュしてないから

じゃないか?』

そんなことを思っていた。

しかし、それが原因じゃないということが後

でわかることになる。

ーつづくー

ヒロ田

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