第153話 ストーマ手術のための入院二十一日目は再び高カロリー点滴

第153話 ストーマ手術のための入院二十一日目は再び高カロリー点滴

2016年4月12日、入院してから二十一日目の朝がきた。

今日の予定は特にない。

あるのは普通の点滴から高カロリーの点滴に変わるくらいだ。

昨日、IVH用のカテーテルを腕のところに入れたので、そこを利用して高カロリーの

点滴が始まると思われる。

朝9時頃、いつものようにIBDチームの医師が回診に来る。

昨日カテーテルを入れてくれた木田先生が来た。

木田先生「ヒロ田さん、どうですか?昨日入れたところは?」

ヒロ田「いやー、特に問題ないようです」

木田先生「ちょっと見せてもらっていいですか?」

ボクはカテーテルの入ってる左側の腕の病衣をまくり上げて見せた。

木田先生「あっ、大丈夫そうですね。それじゃあ今日から高カロリー点滴

やっていきましょうか。看護師さんに伝えておきますので」

ヒロ田「わかりました」

10時過ぎ、看護師さんが高カロリー点滴を持ってきた。

看護師「ヒロ田さん、今日から高カロリー点滴になりました」

ヒロ田「そうですねー。あっ、そうなると今まで入ってた点滴の針は抜くことに

なるんですね?」

看護師「うーん、ヒロ田さんて血管あまり出ないんでしたっけ?」

ヒロ田「皆さん苦労してますね。体調不良だからか血管が出てこないようです」

看護師「そっかー、あれ、カテーテルどこに入ってます?」

ヒロ田「今回腕にいれました」

そう言いながら看護師さんにも病衣をまくり上げ左側の腕を見せた。

看護師「あっ、ピックなんですね。じゃあ針抜いてもいいかなー。本当は何か

あった時のために残しておきたいとこですけど、使ってないのに針入ってるのもねー。

もし何かあって針刺すことになっても大丈夫です?」

ヒロ田「あっ、ボクは何回刺されても大丈夫ですよ」

看護師「それなら抜きましょうか。そのほうがスッキリしますしね」

ヒロ田「そうですね、できれば無いほうがいいです」

看護師さんが高カロリー点滴をつなぐ前に今まで点滴で使っていた針を抜く。

そのうえで高カロリー点滴をピックにつなぐ作業だ。

看護師「いやー、やっぱりピックだと生食の通りもいいですねー」

ヒロ田「あっ、そうなんですねー。ところで手術の話なんですけど、手術日って

来週の21日で決定なんでしょうかねー?」

看護師「あっ、えーと今日水曜日でしたよね?明日の夜に正式決定します。明日CTで

したよね?」

ヒロ田「そうです」

看護師「そのCT検査の結果と今までの検査結果とかを見て外科の先生と内科の先生が

夜ミーティングして決めるんです。手術の時間とかもその日に決まります」

ヒロ田「そうなんですね。わかりました、ありがとうございます」

看護師「それじゃあヒロ田さん、またあとできますねー」

こうして入院してから二度目の高カロリー点滴がスタートした。

気になるのは前回みたいに感染して熱が出ないか…ということだ。

熱が出て手術がこれ以上延びてしまうのは辛い。

予定としては来週の4月21日が手術日だ。

今日いれて10日後にはこの便意ともおさらばになる。

がしかし手術日が確定するまで気が抜けないし、高カロリー点滴をスタートしたことで

感染する可能性も否めない。

ただ、医師が腕からのピックであれば、感染しづらいと思われるとも言ってたから

まずはならないことを信用して手術日が確定するのを待とう。

そう思い、感染のことは気にしないようにした。

明日のCT検査も痛いものではないし、明後日14日は久しぶりに外出ができる。

手術前に、ストーマとなってから困らないように服を買っておきたい。

そのための外出だ。

もう頭の中は外出した時のことばかりを考えている。

気づけば消灯時間になっっていた。

2016年4月13日、入院して二十二日目の朝がきた。

今日の予定はCT検査の日だ。

時間は決まっていないが午前中に呼ばれる予定だ。

いつも通り朝の回診にIBDチームの医師が来る。

木田先生「ヒロ田さん、今日CTですね」

ヒロ田「そうですね、今日の夜に手術日が確定するんでしたっけ?」

木田先生「そうです、今日の夜に外科の先生とミーティングしてどのように

手術をするか、手術スタートする時間とかを決めていきます」

ヒロ田「いやー、気になりますね。決まるまで落ち着かない感じです」

木田先生「どうかなー、今日早い時間にわかれば伝えにきますけど、遅くなって

明日になるかもしれません」

ヒロ田「あっ、いやいいんです明日でも」

木田先生「はい、決まり次第なるべく早めに伝えれるようにしますからー」

ヒロ田「わかりました。お願いします」

今は消化器内科の病棟に入院しているが、手術日が決定すると手術日の2~3日前には

外科の病棟に移動するようだ。

せっかく消化器内科の病棟に慣れてきたのに移動とは厄介なものだが、こればかりは

仕方がない。

それよりも手術が近づいてきたこと、そして明日は外出できることに気持ちは高ぶっている。

相変わらず嫌な便意が襲ってはくるが、嫌なことも忘れてしまうくらいワクワクした気持ち

でCT検査に呼ばれるのを待っていたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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