第138話 ストーマ手術のための入院三日目はIVHカテーテル留置と大腸カメラ

第138話 ストーマ手術のための入院三日目はIVHカテーテル留置と大腸カメラ

2016年3月25日。

入院三日目の朝がきた。

今日の予定は、左鎖骨下にIVH用のカテーテ

ルを入れること、そして大腸カメラだ。

共に午後になることはわかっているが、何時

になるかわからない。

この何時になるかわからないというのが、何

とも落ち着かない。

もう十分トイレの回数は行ってるというのに

モビプレップという下剤を飲まなければいけ

ない。

ニフレックかと思っていたが、モビプレップ

に変わったと言っていた。

ニフレックも決して美味しいわけではないが、

飲み慣れてる分、どんな感じかイメージでき

た。

しかし、今回また新たな下剤の登場だ。

『ニフレックより不味かったら嫌だな…』

そんなボクの気持ちを察知してか、主治医が

「ニフレックより飲みやすいからー」と

昨日の回診の時に言っていたことを思い出す。

7時頃、看護師さんがモビプレップを作り、

病室に持ってきた。

看護師「ヒロ田さん、これ下剤です」

ヒロ田「うわぁ、とうとうきましたか…」

看護師「コップ1杯15分くらいかけて飲んで

下さいね」

ヒロ田「わかりました」

看護師「それでキレイになったと思ったら

トイレからナースコール鳴らしてください。

看護師が確認に行きますので」

ヒロ田「わかりましたー」

『ただでさえトイレ通いが凄いのに、下剤飲

んだらトイレから出てこれないな…』

そんなことを思いながら一杯目に口をつける。

『おっ、主治医が言ってたように、ニフレッ

クより飲みやすいかもな…』

初めて飲んだモビプレップという下剤は、今

まで飲んでいたニフレックより飲みやすい。

そんなことを思っているとトイレに行きたく

なってきた。

まだ一杯目だ。

下剤が効いてなのか、大腸が悪いからなのか

どちらかわからない。

まぁ、一杯目なので下剤ではないと思うが…。

5杯くらい飲んだろうか…。

トイレの回数が多くなってきた。

普通でもトイレに一日40回以上行くというの

に、下剤で尚更行きたくなる。

しかも今回は、面倒だからちょっとお漏らし

しても良いかな…。

とはいかない。

なぜなら下剤を飲んでいるので、間違いなく

少量ではないということが分かっている。

そのため、トイレに行って病室に戻ってきて、

ベッドに座ろうと思うとまた行きたくなる。

戻ってきたのにまたトイレ…。

もっと凄いのは、トイレを出てすぐに便意。

もう何度も下着の上げ下げをした。

そんなことを繰り返しているうちに、とうと

う恐れていることが起きた。

ベッドに座っていて便意を感じ、トイレに立

とうとした瞬間お漏らし…。

『うわっ…』

ボクは慌ててトイレに…。

しかし、立ち上がるときに太ももが少し開い

てしまったからか、オムツのギャザーから漏

れ出してしまった。

『これはまずい…』

ボクはすぐに替えのオムツを持ち、トイレに

向かう。

何とか大惨事にはならなかった。

だが、下着、病衣はもちろんのこと、ベッド

シーツも若干汚れてしまった。

これはどうしようもない。

素直に看護師さんに伝え、後でベッドシーツ

の交換をしてもらうことにした。

下剤は8杯くらい飲んだろうか…。

1ℓくらい飲んでOKをもらった。

後は検査を待つのみ!と言いたいところだが

今回は、IVHをするためのカテーテル留置が

待っている。

大腸カメラは検査室に行き、後は眠る注射を

されて検査を受けるだけなので、下剤が終わ

ってしまえば余裕だ。

しかし、カテーテル留置となれば局所麻酔を

して、終わるまでの間ずっと起きてなければ

いけない。

その時間が嫌なのだ。

そんなことを考えると憂鬱な気持ちになって

きた。

13時過ぎた頃、看護師さんが病室に来た。

看護師「ヒロ田さん、IVH呼ばれました」

ヒロ田「とうとう呼ばれましたか」

看護師「X線透視室でやるようなんですよー。

それで、いま車イス持ってきますから一緒に

行きましょう」

ヒロ田「わかりました」

憂鬱な気分はMAXだ。

局所麻酔をすることもそうだが、何よりカテ

ーテル留置が完了するまでの間に、トイレに

行きたくなったらどうするか?ということが

一番気になっている。

そんなことを考えているとX線透視室に着い

た。

中に入ると、昨日エコー検査をしてくれた

IBDチームの医師がいた。

医師「あっ、ヒロ田さん、よろしくお願い

します」

ヒロ田「あっ、こちらこそよろしくお願い

します」

ここからは看護師さんの指示でベッドに横に

なったり、上半身裸になったりする。

顔には布をかけられ、医師が局所麻酔をする。

後は麻酔が効いて痛くはないのだが、カテー

テルを挿入する感触とかはわかる。

「よし、これで終わりました」

医師のその声で顔の布は取られ、後は皮膚に

血がついたであろう箇所を看護師さんが拭い

てくれている。

医師「ヒロ田さん、カテーテルは入って、使

えるようにはなったんですけど、一日は様子

みてもらって、何でもなければ高カロリーの

点滴をしていく感じになりますので、使える

としたら明日からになりますからー」

ヒロ田「わかりました」

こうして無事IVHのカテーテル留置は終わり、

あとは大腸カメラのみとなった。

13時過ぎに病室を出て、戻ってきたのは14時

15分。

約一時間くらいの時間だった。

気になるトイレだが、ちょっとはお漏らしし

たものの、下剤ですべて出た後だったからか、

ほんの少量だけ、ちょっと汚れる程度のお漏

らしで済んだ。

テレビを見ながら次の大腸検査を待つ。

何時に呼ばれるかわからないから落ち着かず、

テレビの内容も頭に入ってこない。

テレビを消してスマホでニュースを見たりす

る。

時計は15時30分が過ぎていた。

看護師「ヒロ田さーん、大腸カメラ呼ばれま

したので、いま車イスで迎えにきますから長

病衣に着替えて待っててください」

ヒロ田「あっ、わかりました」

やっと呼ばれた。

車イスで内視鏡室まで移動。

後は眠って検査を受けるのみ。

気づけば終わっていて車イスで病室に戻って

きたが、ベッドに横になり、すぐに寝てしま

ったようだ。

目が覚めると周りの人は夕食の時間になって

いた。

下剤で出しきったからか、トイレを気にせず

眠ることができた。

ベッドで寝たのは一時間くらいだろうけど、

この二ヶ月くらいの間で、一番グッスリ寝れ

たような気分だった。

こうして入院三日目の夜は過ぎていったので

ある。

ーつづくー

ヒロ田

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