第141話 小腸バリウム検査で大量にお漏らし

第141話 小腸バリウム検査で大量にお漏らし

主治医「あれ、今まで順調に流れていたのに

急に流れが悪くなってきたなー」

ヒロ田「えっ、そうなんですか?」

主治医「うん、大腸近くまで行ってるんだけ

ど急に流れ悪くなってきたわー」

『何だか雲行きが怪しくなってきたぞ…』

ヒロ田「けっこう流れるまでかかりそうです

か?」

主治医「うーん、大腸の近くで止まっちゃっ

たんだよねー。もう少しなんだけどなー」

ボクが気になっていたのは検査時間だ。

あと20分と言われてたから頑張れたけど、時

間が延びるとなれば小漏れどころじゃなくな

る。

主治医「いやー、どうしようもないもんなー。

ちょっと待ってみようか…」

そう言って主治医は画像を確認しに技師さん

のところに行った。

『うわー、検査時間延びるってことだなコレ

は…』

相変わらず便意は襲ってくる。

ちょろちょろと小漏れを繰り返す。

『バリウムが大腸に到達する前で止まってる

と言うんだから、たくさん漏れることはない

かな…』

しばらく時間が経過して主治医がボクの近く

に戻ってきた。

主治医「どうだい?今まで順調にいってたの

に急に動き悪くなったんだよなー…。ちょっ

とさー、横になってみてもらえるかい?」

とりあえずボクは主治医に言われた通り横に

なってみる。

主治医がボクのお腹を揺らしてみたり少し押

してみたりする。

主治医「いやー、ダメだなー。仰向けになっ

てもらっていいかい?」

今度は横向きから仰向けになって寝る。

すると主治医がお腹を強く押したり揺らして

みたりする。

これは参った。

主治医がお腹を押したりするものだから、一

気に出てきた。

オムツの中が生温くなってくる。

当然そんなことをわかっていない主治医は

ボクのお腹を押し続ける。

『これ、うまくオムツから外に漏れずに中で

溜まってくれてるのだろうか…』

今すぐにでも確認したいが検査中で起き上が

ることもできない。

まだ検査は続くようだ。

オムツの中で溜まってくれていることを願う。

最悪オムツの中に溜まってくれていれば、検

査が終わったと同時に、すぐトイレに駆け

込めばいい。

そう思っていた。

しかし、主治医は流れが悪いということで

更に押し続ける。

押せば押すたび便が出てくる。

とうとう腰の辺りまで生温くなってきた。

『あれ…、これ絶対漏れてるぞ…』

ヒロ田「先生、押すと刺激されて出てきます

わー。もう漏れて凄い状態になってると思い

ます」

主治医「えっ?あっ、ホントだ。もう仕方な

いわー。このまま続けるよ。もう少しだから

さ」

そう言って続行する。

ボクは寝ているから漏れている状況が良くわ

からない。

わかっているのは外に漏れだしたことだけだ。

主治医「あっ、流れてきたわー」

ヒロ田「ホントですか」

主治医「いやー、今までずっと大腸の手前で

止まってたのに急に流れ出したわー。これ大

腸は凄く悪くなってるんじゃないかなー。大

腸では止まることなく下まで流れていったか

ら…」

ヒロ田「それで一気に出ちゃったんですかね

…」

主治医「うん、もうこれはしょうがない。い

ま検査終わったら拭いてもらったりしよう。

でさ、手術なんだけどどうする?早くて4月

7日なんだけど、その日はガン患者さんが3人

くらい待ってて、そっちを優先したいみたい

なんだよね」

ヒロ田「そうですかー。ボクもこの状態でい

るの辛いから、早く手術してくれるなら早い

ほうが助かるんですけどね…」

主治医「そうなんだけど、どっちにしても今

の栄養状態じゃ外科の先生も手術をしたがら

ないのさー。もう少し栄養状態良くなってか

らが良いって言ってるんだよねー」

ヒロ田「そうですか。であればしょうがない

ですよね。でもなるべく早くお願いします」

主治医「うん、ちょっと栄養状態見ながら4

月7日ダメでも翌週とかさ、できるようにや

っていこう」

ヒロ田「わかりました」

主治医「じゃあ、これで検査終わるから、キ

レイにしてもらってね」

手術は延びそうだは…。

でも今はそれどころじゃない。

検査が終わると看護師さんが近くに寄ってきた。

ヒロ田「いやー、漏れちゃいましたよ」

看護師「あっ、ちょっと待っててくださいね」

腰の辺り、お尻の辺りが冷たくなって気持ち悪い。

早く起きてみたいのだが看護師さんが拭くものを

持ってきてくれるのを待つしかない。

看護師「ヒロ田さん、じゃあちょっと起き上がっ

てみましょうか」

ボクはゆっくり立ち上がる。

ヒロ田「うわっ、これは凄いですね」

起き上がったらお尻の辺りに溜まっていたも

のが流れ出し床を汚してしまう。

ヒロ田「あー、ごめんなさい」

看護師「うん、大丈夫ですよ。いま病棟の看

護師に迎えに来てもらいますけどパジャマ持

ってきてもらったほうがいいですね」

ヒロ田「あっ、あとオムツも持ってきてもら

えると助かります。車イスに乗ってる時に漏

れてきたら困るので…」

看護師「あー、じゃあオムツも2枚くらい持っ

て来てもらいますね」

そんなやりとりをしている最中に、再び漏れ

出してきた。

ヒロ田「うわっ、また漏れてきました」

看護師「あっ、じゃあすぐそこにトイレある

のでこのまま行ってもらっていいですか」

ボクはトイレに急ぐ。

トイレにいると病棟の助手さんが迎えに来て

くれたようだ。

トイレのドアがノックされる。

看護師「ヒロ田さん、これで汚れたとこ拭い

てください。あとオムツと着替えのパジャマ

置いときますね。ゆっくりでいいですから」

ヒロ田「あっ、ありがとうございます」

ぬるま湯で濡らしてくれた何枚ものガーゼを

使い、汚れたであろう箇所を拭く。

オムツは病院のものを持ってきてくれたよう

で、穿くタイプではなくテープで止めるタイ

プのものだった。

これがまた自分でテープを止めるのがスムー

ズにいかない。

どうにかオムツを着用し、キレイなパジャマ

に着替えトイレから出る。

ヒロ田「お手数おかけして申し訳ありません」

そういって汚れた床を拭こうとした。

看護師「あっ、大丈夫ですよ。ここは私がや

りますのでお部屋に戻って休んでください」

ヒロ田「すいません、ありがとうございます」

ボクは助手さんが持ってきてくれた車イスに

乗り病室へと戻っていった。

病室に戻り、風呂場を確認すると運よく誰も

使っていなく、空いていたのでシャワーを浴

びる。

10時20分に呼ばれ、戻ってきたのは12時15

分。

約2時間検査室にいたことになる。

さすがにどっと疲れた。

こうして入院六日目の小腸バリウム検査は、

お漏らしをして終わったのである。

ーつづくー

ヒロ田

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