第183話 外科から内科に移動そして食事再開の話へ

第183話 外科から内科に移動そして食事再開の話へ

2016年5月9日の朝が来た。

ゴールデンウィークも終わり、この週から

病院は通常業務となる。

『退院はいつ頃になるかな…?』

『早く退院予定聞きたいとこだけど、看護師

さんに聞いてもわからないだろうし…』

『外科の先生ではわからないだろうしな…』

『内科に移動してから聞くしかないか…』

手術前、頻繁にあった便意も無くなり、手術

後も痛みが無いままこの日まで来た。

そんなこともあってかボクの心の中は早く退

院したい気持ちが日に日に強くなっていた。

6時に起床し、夜から朝までかけて1,200kcal分

のエレンタール摂取し、終わった後の片付けな

どをして痛み止めの薬を1錠飲む。

その後、まずはウォーキングだ。

ぐるぐるいろんな所を20分くらい歩いて病室に

戻る。

帰ってきてからは読書だ。

9時頃、外科医が病室にやってきた。

外科医「ヒロ田さん、どうですか調子は?」

ヒロ田「最高に良いです!」

外科医「それは良かった。それで傷口も問題

ないし外科のほうは退院という形で、後は内

科の先生とお話ししていくという感じにしま

す」

「あとは退院して二週間後くらいに外科を受

診してもらって傷口など確認させてもらいま

すね」

ヒロ田「わかりました」

『ゴールデンウィーク明け、早速動きが出て

きたな…』

『ということは今日か明日には外科から内科

の病棟に移動ということか…?』

『そうなるとご飯の開始はどうなる…?』

『ご飯の開始が遅くなると退院も遅くなるよ

な…』

『待てよ、ご飯の始まりは重湯か…?』

『重湯2日、3分粥2日、5分粥2日…という

ペースでいくと退院どうなる…?』

すっかり体調が良くなったボクの頭の中は

退院のことで頭がいっぱいだった。

外科医の回診が終わってシャワーを浴びる。

ボクの身体には管も無ければ点滴の針も無い。

夜のエレンタール以外は自由の身だ。

シャワーも自由に浴びれる。

そんなこんなで時間は10時を回っていた。

「ヒロ田さん、どうだい?」

聞いたことのある声が聞こえた。

消化器内科の勝田医師だ。

ヒロ田「あー、先生。お陰様ですっかり

良くなりました」

勝田先生「ホントだねー、顔色も良くなって

きたね」

ヒロ田「頻繁にあった便意が無くなっただ

けで凄く快適です」

勝田先生「そっか、それは良かった」

「それでね、今日で外科を退院して内科に

入院ていうことになるんだけどさ、内科の

部屋がいま空いてなくて、このまま外科の

病棟にいてもらって、内科の部屋が空いたら

移動するって感じでも良いかい?」

ヒロ田「あっ、ぜんぜんボクはどこでも

問題ないですよ」

勝田先生「じゃあ空くまでこのままお願い

します」

「それでさ、そろそろ食事を開始していっ

たほうが良いなと思ってるんだけど…」

ヒロ田「それで先生、ちょっと入院長引いた

ので早めに退院できたら助かるんですけど、

どうですか?」

勝田先生「早めってどれくらい?」

ヒロ田「12日(5月)とかに退院できたらい

いなと思ってるんですけど…」

勝田先生「今日って9日だっけ?えっと9、

10…」

「4日後か…」

「まぁ、食べないで退院というわけにはいか

ないけど、食べて問題なかったら12日退院

でもいいかな」

「じゃあ今日の夜から三分粥で食事出すから

まず少しずつでいいから食べていってみて」

ヒロ田「わかりました」

『よし、先生にはOKもらえた』

『あとは食べて問題ないか?だけか…』

『久々に食べれるというのは嬉しいな…』

『でも食べて大丈夫なのか…?』

『小腸だけになったらどんなことになるんだ

ろ…』

いろんなことが頭の中を駆け巡る。

でも食べれるということが他の何よりも勝って

いる。

そして何より食べることができるということは

退院も近くなっているということだ。

ボクの気持ちは一気に明るくなっていったので

ある。

ーつづくー

ヒロ田

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