第70話 疲れと寝不足から再び体調悪化

第70話 疲れと寝不足から再び体調悪化

大腸のバルーン拡張術を終えたボクは、効い

ていたと思われたGキャップも『実はあの時、

Gキャップではなく同時にやっていた抗生剤

が効いたのではないか?』という結論になり、

結果的にはGキャップをやっても意味が無い

とのことでやらなくなり、ヒュミラも狭窄が

進むのでやらないし、レミケードは狭窄が進

むことに加え一度アナフィラキシーショック

を起こしているため、もうやることはない。

そんなことでボクはできる限りの治療をやっ

てきたが、最終的には絶食してエレンタール、

それでもダメなら鎖骨下に入れたポートを使

用して高カロリーの点滴を二週間くらいやる。

点滴だけで二週間過ごしていると、腸も良く

なってくるようなので、そうなると再びエレ

ンタールに変更し、調子が良くなってきたら

食事を再開してみる。

そういった日々を過ごしていた。

だが、今までの傾向からいくと冬期間に必ず

体調が崩れている。

2~3月くらいに体調が悪くなり、それが4~

6月の病院に行く回数を多くしているし、ま

た入院してるのもその月が多い。

2014年4月頃からの話をしていこう。

ボクは病院に月4回行った。

主治医も入院しての治療を勧めてきている。

ボクも入院したほうが良いと考えてるくらい

体調が悪くなってきていた。

症状としては、痔ろうというか肛門周囲膿瘍

で悩まされている。

もちろん、下痢が続いていることで、どんど

ん悪くなってきたのは自分でもわかっていた。

同時に、倦怠感、貧血気味という症状だ。

原因は自分で分かっている。

今までは、体調が悪化してくると食事をやめ

てエレンタールだけにして過ごしていた。

それを一週間も続ければ、少し回復してくる

ので、また食べてしまう。

そして悪化してきたら、また絶食をする。

そう繰り返してきた。

もちろん良い事ではない。

ずっと絶食していれば良いのだろうけれど、

どうしても『まっ、いっか』という気持ちが

出てしまい、【食べる】という選択する。

今まではそうやって乗り切ってきたけれど、

今回に限っては、体調がどんどん悪化してい

った。

その原因は睡眠不足だ。

ボクはこの一ヶ月前、昼と夜の時間に仕事を

入れてしまった。

最初は、3時間くらい寝れれば大丈夫。

そう考えて仕事を引き受けたのだ。

少し収入を増やしたいということもあったの

で、欲を出してしまった。

結果的にそれが体調悪化を招いた。

もちろん、毎日昼と夜の仕事をやるとは考え

ていなかった。

さすがにボクも昼と夜を連続して仕事すると

疲れることは想像できていたので、昼と夜の

仕事が重なる日は、多くても2日と考えていた。

しかし、ボクに仕事を振られると断ることをし

なかったボクは、昼も夜も仕事の重なる日が

いつしか増えてしまった。

当初、昼と夜の重なる日は多くて2日と考えて

いたのだが、気づけば5日続いていたのだ。

3時間寝れれば大丈夫と思っていたけれど、

体調が万全ではないこともあり、さすがに3日

目から寒気がするようになってきた。

最初は、この寒気も寝不足からくるものだと

考えていた。

昼と夜の仕事をして5日目、この日は夜の仕

事が無かったけれど、夜に会合があり、それ

に参加することになっていた。

ボクは、寒気とダルさで久々に熱を測ってみ

ることにした。

すると、体温計は38度2分の文字が…。

37度5分くらいまでは身体が慣れてしまって

いて正直気づかないことが多い。

しかし、さすがに38度2分だと『熱があるな』

と気づく。

ボクは以前、病院からもらっていた解熱剤を

探し、それを飲んで会合に出席した。

『二次会があっても出ないで帰ろう』

そう決めて、前から約束した会合にだけ参加

し、早々と帰ってきた。

次の日の朝は仕事を休みにしていたので病院

へ直行した。

インフルエンザが流行っていた時期だったけ

れど、ボクは二ヶ月前にインフルエンザをや

っている。

なのでインフルエンザではないと思っていた

が、続けて2回なる人もいるようなので、念

のため検査をすることになった。

結果はインフルエンザではなく風邪というこ

とになり風邪薬を処方された。

炎症反応(CRP)は、驚きの12.82だった。

主治医もこれには驚いていたが、風邪から

CRPが上がっている可能性もあるので、風邪

が治った頃もう一度、病院に行くことになり

二週間後で予約をした。

クスリは、風邪薬と抗生剤、それに解熱剤。

それをもらい、夜に仕事があるのでその前に

少し寝ることに…。

夜の仕事へと向かった。

解熱剤を飲む前と飲んだ後では随分と変わっ

ていくのがわかる。

まず、解熱剤を飲むまでは熱が出ているから

か、寒気とダルさがある。

そんな時は動きがとっても鈍い。

わかりやすく言うと、面倒になってきて何も

したくない。

早く横になりたいという気分だ。

気力だけで仕事をしてるような感じ。

そんな時に解熱剤を飲むと、30分くらいで

効いてくる。

まず、身体がポカポカしてきて熱くなってく

る。

今まで寒くて暖房の前から離れられなかった

り、暖房の温度設定を高くしないとダメだっ

たのに、急にそれが嫌になってくる。

人と一緒に仕事をしている時などは一番辛い。

暖房の調整ができないからだ。

ただ、少しするとそれも落ち着いてくる。

と同時に身体のダルさも無くなってくる。

ボクは一週間それを繰り返した。

そこで気づいたのは、解熱剤は6時間くらい

したら徐々に効果が無くなってくる。

7時間くらいまでは何とか大丈夫だけれど、

8時間経つと、もう寒気がしてきて元に戻っ

てくる。

解熱剤は、極力飲まないようにして、寒気、

ダルさで凄く辛くなってきたら飲むようにし

た。

それ以外にもう一つ心配事があった。

それは、トイレにいつ行きたくなるか?とい

うことだ。

仕事は同じ場所にいるのではなく、車で移動

することが多い。

自分一人になる時は、いつでもコンビニに行

ったり、トイレのある場所に行けば良いのだ

けれど、人が一緒の時だと大変だ。

頻繁にトイレも行ってられない。

ボクがクローン病ということは誰も知らない。

また言う必要もなかった。

そんなに長くする仕事でもなかったし…。

『クローン病で、いま体調が悪く頻繁にトイ

レに行くよ』ということを言っていれば楽

だったのかもしれないが、仕事をしている人

とは初めて会う人ばかりだし、人間関係も長

く続くわけではない。

そのためいろいろ聞かれて説明することにな

るのが面倒だったのである。

ーつづくー

ヒロ田

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