第75話 入院1日目の晩御飯はチキンカツだ!

第75話 入院1日目の晩御飯はチキンカツだ!

入院する日の朝がやってきた。

車では行けないので地下鉄を利用する。

普段、地下鉄を利用することはほとんどない。

利用したとしても、朝の早い時間(始発から

9時まで)は、まったくと言っていいほど乗

ったことがない。

そんなボクが8時過ぎに地下鉄に乗った。

キャリーバッグをコロコロと転がし、地下鉄

駅に行く。

地下に降りていくと、ちょうど地下鉄が来た。

ボクは、飛び乗るように車両に乗り込んだ。

真ん中あたりに席が空いていたので、そこに

座り、ニュース等をチェックしようとスマホ

を出したのだが、視線を感じたためフト周り

を見渡すと数人の女性がボクのほうを見てい

るように見えた。

『あれ、オレの身体に何かついてる…?』

『キャリーバッグが迷惑か…?』

一瞬そんなことを思ったのだが、気にせず

スマホに目をやった。

しばらく乗っていると降りる駅が近くなって

きた。

ボクはスマホを鞄にしまい、席を立とうと準

備しながら周りを見渡すと、どうも女性ばか

りが目立つ。

『何なんだこれは…』

気になったボクは地下鉄内をいろいろと見渡

してみると…

【女性専用車両】の文字があるではないか…。

【始発から9時まで】と書いてある。

ボクが乗っている時間帯は、思いっきり女性

専用の時間帯だったのだ。

ボクは、下車寸前で気づいたため、駅に着い

たとたんすぐに降りた。

ボクが地下鉄を利用していない間に、なんと

女性専用車両が出来ていた。

『周りの女性がボクを見ていたのはこういう

ことだったのか…』

地下鉄を降りてから、歩いて10分くらいの

ところに病院がある。

歩くことも可能だったが、荷物が重いのと

身体がだるいのとで、タクシーを使うことに

した。

受付を済ませ病室へと案内される。

4人部屋だけど、ボクが入院する病室はボク

以外に1人しかいなかったため、少しホッと

した。

入院1日目は、点滴がまず1本スタート。

その後、昼ご飯が出てきたので食べる。

低残渣食となっているけれど、ボクが避けて

きた野菜類がいっぱいだ。

『まぁ病院だから大丈夫だ』という口実を

つけ完食。

午後からは心電図とレントゲン。

あと、これと言って検査という検査はない。

ゆったり過ごせそうな入院1日目だ。

心電図とレントゲンで終わり、新たな点滴が

スタートする。

抗生剤の点滴が2本(1日)と水分補給?の

点滴が2本(1日)の予定だ。

あと1日目は採血をした。

ボクの中では過去最高の本数を採血した。

確か7本くらいを採血したと記憶している。

後はIBD専門の医師(以下IBD医師)が来て、

今後の予定を伝えていく。

予定としては、明日(入院2日目)痔ろうの

状況を把握するために外科の外来診察室に

行き、手術の予定等を決めていく。

明後日(入院3日目)は、小腸のMRI検査を

するということだ。

フト時計を見てると、16時過ぎだった。

何だかお腹が空いてきて『今日の夜ご飯は

どんなのか?』

そんなことを気にしながら話を聞いていた。

18時近くになり、食事が運ばれてきた。

何とチキンカツだ!

もちろん、油で揚げているものではなく

パン粉をつけてオーブンで焼いたものだ。

けれど、肉が出てくるなんていうのは有難い。

今後の病院食がより一層楽しみになってきた。

相変わらず野菜は必ずついてくるけれど…。

2日目の朝、若干お腹の張りを感じながら起床。

というよりも、お腹の張った感じは結構前か

らあった。

下痢止めを飲んでいるからか?

それとも違う薬のせいか…?

はたまたクローン病のせいか…?

何がそうしているのか良く分からないけれど、

お腹は張っている。

トイレの回数も1日に8~10回は行っている。

それでも不思議なもので朝食が出てきたら

お腹も空いてくる。

昼と夜に比べて朝食はずいぶん質素だ。

しかも牛乳がついてる。コップに入ってね…。

『いや~オレ大人になってから牛乳なんて滅

多に飲まないぞ。ましてやクローン病になっ

てからなんて飲んでないぞ…』

そう思いながらも、残すことの出来ないボク

は、またしても完食。

そのせいか分からないけれど、お腹の張りが

より強くなった感じがする。

『ご飯を完食してしまったからか?』

『そもそも食べたらまずいんじゃないの?』

『このまま食べ続けてて大丈夫か?』

今までは、入院するとしたら絶食して点滴

もしくはエレンタールでの入院生活だったが、

今回は、「どんどん食べて栄養つけて!」と

IBD医師も言っている。

しかし大丈夫か?

ボクは入院2日目で食べることに不安を感じ

てきたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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