第92話 ヒュミラの後はバルーン拡張術を待つのみ

第92話 ヒュミラの後はバルーン拡張術を待つのみ

金曜日にヒュミラ(アダリムマブ)を4本投

与した。

後は火曜日まで何もすることが無い。

絶食も続けているからエレンタールを自分で

作り、自己管理しながら鼻チュー生活だ。

点滴もなければ採血もない週末。

そうなると看護師さんもボクの所に来る回数

は減る。

ボクは、体調が良くなってきたからか、頭も

冴えてきたし、楽しみも増えてきた。

ドリップコーヒーを飲むことと昆布茶、梅昆

布茶を飲むことが楽しみになってきた。

朝起きて、8時過ぎには新しくエレンタール

を作る。

そしてエレンタールをスタートさせながら

コーヒーを飲む。

次に、だいたいIBD専門医師(以下IBD医師)

が8時30分~9時くらいの間に回診に来る。

それが終わると自由になる。

お風呂が午前中の時間帯は、だいたい9時

30分や10時に予約を入れておいてお風呂に

入る。

毎日お風呂に入れるのは最高だ。

午前中にお風呂が終わると、もういよいよ

やることが無い。

ボクはパソコンと向き合うことが多くなった。

体調が悪い時は、やる気が起きずテレビを

見たりしてボーッとする日々。

でも体調が良くなると、テレビを見る機会

が思いっきり減った。

見なくてもいいくらいだ。

お風呂上り、二杯目のコーヒーを飲みながら

パソコンへ向かう。

お風呂上がりだから、熱いコーヒーを飲むと

汗も出てくる。

それでも飲めるだけ幸せだ。

お昼くらいの時間になると、お腹がだんだん

空いてくる。

そうなったら昆布茶と梅昆布茶の出番だ。

どちらを先に飲むか決めるのだけれど、だい

たいは昆布茶に始まり、次に梅昆布茶、そし

て次は昆布茶…という感じで交互に飲んでい

た。

昆布茶などの塩気をとっていると、不思議な

ことに飴が不要になってくる。

空腹感を満たすために、甘い飴が欲しかった

ときもあるけれど、塩気のモノをとると甘い

モノが全くいらなくなった。

食べれなくてもコーヒーと昆布茶で満足でき

る。

そしてそれが毎日の楽しみになっていった。

コーヒー、昆布茶を飲みながらパソコンに

向かい仕事をする。

頭の中も整理できてきた。

やる気もどんどん出てくる。

後は、大腸カメラを受けて狭窄を拡張できれ

ばOKだ。

大腸検査と狭窄の拡張術が何となく楽しみに

なってきたのだ。

週が明けて火曜日。

大腸カメラと大腸狭窄のバルーン拡張術の日

だ。

バルーン拡張術も一応、手術に入るため同意

書なるものを記入する。

週末の土曜日にIBD医師が用紙を持ってきて

いたため、記入して看護師さんに渡している。

あとは、大腸検査と拡張術を受けるだけだ。

ボクは、いつも大腸カメラをする時に、眠る

注射を打ってもらう。

ホリゾンという注射。

最近では慣れてしまったからか、眠るのでは

なく、お酒に酔った感じで気分が良くなり、

ベラベラとやたら話すようになった。

それでも気分が良いせいか、苦痛なく検査

を受けることができる。

IBD医師には、使うようお願いしたが拡張術

のため、寝てしまったら痛いかどうかわから

なくなるので、できれば使いたくないとのこ

とだった。

「痛くしないから心配しないで」と言ってい

たが大丈夫か…。

一度だけ眠る注射をしないまま検査を受けた

ことがある。

けれど始まった瞬間、いつもと違った感じに

戸惑い、すぐに使ってもらった。

そんな経緯もあったことから、使わないとい

うことにちょっぴり不安な気持ちになった。

朝7時頃、看護師さんが作ってくれた下剤が

到着する。

いつもはニフレックだったけれど、今回は

マグコロールPという下剤だ。

どちらにしても、ボクは味が嫌なのでフレー

バーを用意してもらう。

パイナップル味をリクエストした。

トイレに1日10数回も行ってるのに、更に

下剤で出すとは辛いものだ。

ただ幸いなことに、ずっと絶食してることで

ボクはいつも1ℓくらいでキレイになる。

トイレ通いが面倒だけれど、飲み始めないこ

とには減っていかない。

ボクは、マグコールPをコップに注ぎ最初の

一杯を15分くらいかけてゆっくり飲んだ。

コップ二杯目くらいに入った頃、クローン病

で腸が弱ってるためか、すぐトイレに行きた

くなる。

いつも思うのだが絶食してるのに何杯も飲ま

ないとキレイにならないのは不思議なものだ。

何杯も飲むことの何が辛いって、ただでさえ

クローン病で水っぽい便だというのに、後半

は更に水っぽくなってくるから、余計に漏れ

そうになってくる。

それが何とも辛い。

トイレが近くにないと漏らしてしまいそうで

怖い。

トイレは結局10回くらい行っただろうか…。

キレイになった頃、看護師さんが確認すると

言っていたので、自信を持ってトイレから呼

び出しボタンを押した。

チェックOKだ。

あとは14時30分の検査を待つだけだ。

チェック等も入れて終わったのは10時頃。

検査の時間まで長いけれど何も飲まず待つ

しかない。

コーヒーと昆布茶が恋しい…。

しかしだ、14時30分まで待ち時間はあるが、

大腸検査とバルーン拡張術が終われば一先ず

治療は終わりになる。

そうすると退院できるのだ。

退院できるという喜びと狭窄がどれくらい

進んでいるのか…?

眠る注射を打たなくても大丈夫なのか…?

そんなことを考えながら検査時間まで待って

いたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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