辛いと思っていた検査(注腸バリウム、
胃カメラ)は終わった。
残っているのは楽な検査だけだ。
だからと言ってのんびりすることも
できない。
なぜなら膝と踝の関節痛にも悩まされて
いたからだ。
入院するまでに、頑張りすぎたのか…?
気づけば膝も踝も腫れあがり、
熱をもっている。
回診で病室に来た医師が、
「レントゲン撮って骨に異常ないか、
整形で診てもらったほうがいい」
とのことで、午後から足のレントゲンを
撮ることになった。
夕方、医師が骨には異常がないと
結果を伝えに来てくれたのだが、
「湿布を貼って様子を見よう」
「もし、あと3日経っても腫れが引かない
ようなら、二週間では退院ができない」
とのことだ。
というのも、入院8日目から在宅での
栄養療法をしていくため、鼻からチューブを
入れて、経鼻でエレンタール摂取する方法
を覚えていかなければいけない。
そのためには、熱も下がり、膝や踝の痛みも
取れて、なるべく正常に近い状態で進めたい
とのことだった。
今の状態では膝と踝の腫れと熱。
これが治まらないと在宅での栄養療法の
指導も遅れるという訳だ。
またしても心配事が増えてしまった。
入院が延びてしまうと、お店を1人で
見てくれてるビジネスパートナーに
迷惑をかけてしまう。
何とか二週間で退院したいものだ。
それが気になっていた。
しかし、これこそ神のみぞ知る。だ。。。
考えても仕方がない。
膝と踝の痛さ、熱は続く。
寝ているときは寝汗が凄い。
一度寝てオシッコに起きるときなど
足を動かすのも一苦労だ。
絶食で点滴をしているから、トイレに行く
回数は半減して1日7~8回くらいに
なった。
これはありがたい。
しかし、反面オシッコが増えた。
点滴で水分補給しているからだろう。。。
結局オシッコだけでも7~8回はトイレに
行くから、トータルするとトイレに行く
回数は変わっていない。
歩いてトイレに行くのが苦痛だった。
『しかし、なぜ点滴だけなのに大便を
したくなるのか…?』
そんなことをトイレに行くたびに思う。
入院6日目は土曜日。
予定通りに行けば8日目の月曜日から
経鼻でのエレンタール摂取だ。
細いチューブを自身で鼻に入れ、
十二指腸くらいまでチューブを送り込む。
そして赤ちゃんが飲む粉ミルクのような
エレンタールという粉末のものを、水か
ぬるま湯で溶いて、鼻に入れたチューブ
を通して摂取する。
理屈はわかるのだが、胃カメラのように
喉に引っかかったとき苦しくないか?
そんなことを考えると不安になってきた。
不安になったボクは、どんなチューブを
入れるのか、予めイメージトレーニング
しようと考えたのである。
しばらくすると看護師さんがチューブと
説明書を持ってやってきた。
『うわっ、けっこう長いぞ…』
初めてチューブを見た時の感想だ。
声にこそ出さなかったが、
心の中でそう思った。
『まぁ十二指腸までチューブを送り込むん
だから、それくらいの長さは必要か…』
「ココとココに黒い点が2つあります。
それで、この1個目にある黒い点に
鼻先が来るように入れていきます」
看護師さんが説明する。
「けっこう入れますね」と笑いながら
ボクが言う。
看護師「そうなんですよー。
でもこれくらいの長さが
ちょうど十二指腸みたいなので、
そこまで入れないとダメなんで
すよねー。
これ1人でできるように
なったら、一週間後には退院
できますから頑張ってくださいね」
ボク 「えっ、これ1人でチューブ入れれ
なかったら、できるようになる
まで退院延びるんですか?」
看護師「そうなんです。自宅でやるので
管理も自分ですし、一通り
できることが条件なんですよー」
ボク 「えー、、、そうなんですね。
今まで延びた人います?」
不安で思わずボクは聞いてしまった。
看護師「やっぱり10代の子が多い病気
だし20代の人でも自分で入れ
れない人もいるので、そういう
人は退院延びてますねー」
「関節痛が良くなって順調に
行けば明後日からスタートです。
担当する看護師が最初は
ヒロ田さんの鼻に入れていきます
から覚えていってくださいね」
そう言って病室を後にした。
チューブは想像していた以上に長かった。
さらに自分で退院までにチューブを
入れれるようになるか?
という不安もでてきた。
しかも『いま関節痛だよオレ…』という
状態。
とにかく今は言われたとおりに湿布を
交換し、良くなるのを待つしかない。
もし予定通りにED療法が
スタートしたら…?
ボクはイメージトレーニングを
することにした。
『もしかしたら看護師さんに入れてもらう
より、自分が自分のタイミングでチューブ
を入れたほうがいいんじゃないか?』
そんなことを考えた。
それからボクは自身でチューブを入れてる
イメージをしてみた。
説明書を見ながら、チューブを見ながら、
看護師さんが言ってたことを思い出し、
『喉を通るときは飲み込むような感じで…
と言ってたな』
『喉を超えたらいけそうかな…?』
そんな感じで、最初から自分でチューブを
入れれるようにイメージトレーニングを
したのである。
ーつづくー
ヒロ田