2016年4月6日14時頃。
「ヒロ田さん、初めまして林田と申します」
WOC(ウォック)ナースの林田さんが病室に来た。
ヒロ田「あっ、はじめまして」
林田さん「熱出てたみたいですけど今はどうですか?」
ヒロ田「おかげさまで熱は下がりました。また上がってくるのかもしれないですけど、
今のところ大丈夫です」
林田さん「そうですかー、それは良かったです。ストーマの説明は聞けそうですか?」
ヒロ田「はい、大丈夫です」
林田さん「じゃあ、もし途中で体調悪くなったら言ってくださいね。
ちょっとじゃあ別のお部屋に行きましょうか」
ヒロ田「あっ、違う階に行きますか?」
林田さん「いえ、同じ階にあるお部屋なのでそんなに歩かないです」
ヒロ田「そうなんですね。筆記用具くらい持ったほうがいいですね?」
林田さん「そうですねー、何かメモすることとかあったらしといたほうがいいかもしれま
せんね」
ヒロ田「わかりました」
病室を出て50mくらい歩くと、少人数でミーティングができそうな部屋に着いた。
林田さん「ヒロ田さん、ストーマの手術を受けるということで不安なこととかありますか?」
ヒロ田「自分なりにいろいろ調べたので、何点か確認したいことはあるんですけど、不安で
はないですね。今はむしろ一日も早くストーマにしたいという気持ちが強いです」
林田さん「うわー、いいなー前向きで」
ヒロ田「えっ、そうですか?いや、正直いまの状態が続いているのが嫌なんですよ。そりゃ
最初は抵抗がありましたよ。主治医からストーマにしたほうが良いと言われたときは…。
なのでストーマにならなくていいように、半年くらいは頑張ったんですけど徐々にトイレの
回数が増えていって、もう便意恐怖症というか、便意なんかなくていい!!
そう思うくらいまでになっちゃって…」
林田さん「じゃあ今でもトイレの回数は多いんだね?」
ヒロ田「そうなんです。1日40回以上は行ってます」
林田さん「えっ、40回?」
ヒロ田「そうです。いや正確にはもっとかもしれません。何せトイレに行く前に何度も漏れる
ので、数えてられないというのが正直なところです。ただ、トイレに何回行ってるか?と
聞かれたら、1時間に最低でも3~4回トイレに行くので40回と答えているんですよ」
林田さん「うわー、それは大変だねー」
ヒロ田「そうなんです。なので早くストーマにしたいという気持ちになってるので、不安な
気持ちはないんですけど、ただ、自分でいろいろ調べてて、ここだけは実際に聞いてみないと
わからないなということが何点かあるので聞いてもいいですか?」
林田さん「はい、いいですよー」
ヒロ田「一番気になってるのが、ボク皮膚が弱いみたいでテープ負けするんです。
それでストーマにするとテープで負けたから皮膚が良くなるまでストーマを使わないって
ことができないじゃないですか。なので、そうなったときにどうするのかなーと思って」
林田さん「あー、皮膚トラブルね。うんと、まずね皮膚に貼るのを面板とかプレートっていう
んだけど、これは皮膚保護剤と言って、テープとはちょっと違うんです。むしろ皮膚を守って
くれるためにあると言ったらわかりやすいかな。なのでテープ負けするということはないんで
すけど、皮膚トラブルで多いのは便が皮膚に潜り込んで時間が経過すると痒くなったり赤くな
ったりする皮膚トラブルは出てくるかもしれないですね」
ヒロ田「そうなんですかー。じゃあテープ負けの心配はなさそうですね。あと、潜り込みって
やっぱりありますか?ボクもいろいろ調べていると、面板をストーマより2~3mm大きくカッ
トするって書いているのを見て、ピッタリじゃなかったら便が皮膚につくんじゃないかなーと
思ってたんです」
林田さん「いや、ピッタリだとストーマが傷ついちゃうので2~3mmくらい大きくカットする
ので大丈夫なんです」
ヒロ田「へぇー、大丈夫なんですね。じゃあもし便が潜り込んで皮膚トラブルになった時って
どうやって治すんですか?薬とかですか?」
林田さん「いえ、薬を使うことはほとんどないです。もし皮膚トラブルになったら、交換時期
を1日早めたりして対処していきます」
ヒロ田「へぇー、そんなことで治っていくんですね」
林田さん「そうなんですよ。治っていくんです」
ヒロ田「じゃあ、皮膚トラブルになった時は林田さんに聞くってことで問題ないですね」
林田さん「そうですね、その時の状況で判断しますので、そうなったとき言ってください」
ヒロ田「あと、周りに便のニオイがしたら嫌だなーと思うんですけど、ボクの近くに
寄ってきても臭ったりしませんかね?」
林田さん「昔はねー、ニオイが気になるってことがあったけど、今は技術が発達して
袋(パウチ)も良くなってニオイが気にならなくなったんですよ。それでももし気に
なるならストーマの袋(パウチ)の中に入れる消臭剤があったりするので、気にする
方はそういったものを使ってますよ」
ヒロ田「それじゃあニオイのことも気にしなくて良いですね」
林田さん「はい、大丈夫です」
少し気になっていたことが聞くことでどんどん解決していく。
頭の中のモヤモヤが少しずつ消えていったのである。
ーつづくー
ヒロ田