身体障害者手帳の申請が終わってからは、仕事復帰するまで自由の身だ。
約半月あるこの期間で、ボクは体重を増やし、ある程度の筋肉と体力を
つけておこうと決めていた。
一日三食、午前中と午後には間食。午前中はだいたいがヨーグルト、
午後からは蒸しパンやカステラなど、一応クローン病の安全食と言わ
れてる食べ物を摂る。
一日三食の食事に関しては、食物繊維の多い食材は避けるようにしたが、
基本、気にせず野菜も食べていた。
しかし、退院して一週間後の夜、19時頃から腹痛が起きてきた。
『あれ、ちょっとお腹が痛いぞ…』『退院してからこんなことなかった
のに…』『食べ過ぎたのかな…』
強い腹痛ではないが、継続的に4時間くらい腹痛が続いた22時頃、
便が出ることで腹痛も和らいでいった。
『ちょっと詰まり気味だったのか…?』
『そういえば野菜やわかめも普通に食べてたから、それが影響したの
かも…』
『少し気をつけないとダメだな…』
ストーマ手術後は、野菜などで腸閉塞になることがあると聞いていた
ことを思い出し、気をつけなければいけないなと思った1日だった。
退院して一週間後の体重は48.6㎏。一週間で約6.2㎏増となった。
それから数日、嘘のように腹痛はなくなり、忘れてお腹いっぱい食べて
いたからか、またもや腹痛。
これもまた徐々に便が出てきたことで数時間の腹痛で終わった。
退院してから約二週間後、消化器外科と消化器内科の受診日。
採血をしてからまずは消化器内科を受診。体重は52.6㎏。
約二週間で体重が10㎏増となった。
その後は消化器外科を受診し、ストーマの抜糸を行う。
縫っていた箇所の皮膚がポコポコと盛り上がっているような感じだったが、
時間と共に落ち着いてくるとのこと。
その後はストーマ装具の交換と状況確認のため
WOCナースの林田さんのところへ。
林田さん「ヒロ田さん、その後どうですか?何かちょっとふっくらし
ましたね」
ヒロ田「そうなんですよ。実は退院後二週間で体重が10㎏増えまして…」
林田さん「あら、そんなに増えたんですね!」
ヒロ田「そうなんです。一気に増えました」
「それでストーマのことでも気になってたんですが、ここ最近、プレー
ト(面板)の溶けがけっこう激しいかな…と思いまして…」
ボクはそう言いながら溶けたプレート(面板)の写真を見せる。
ヒロ田「これって溶けたという表現でいいんですよね?」
林田さん「あー、そうですね、これはけっこう溶けてますね」
ヒロ田「そうなんです。これ前回の交換時なので、今回もけっこう
溶けてると思うんですよね」
林田さん「じゃあちょっと見てみましょうか」
林田さん「あー、1㎝くらい溶けてますね。もしかしたらストーマと
皮膚を縫っていたので、そこのポコポコと盛り上がっていた皮膚が
今回の原因を作ったのかも…」
ヒロ田「そうですか。これってプレート(面板)剥がさないとどれく
らい溶けてるかってわからないじゃないですか?この場合って交換時期
をどう判断したらいいですかねー?」
林田さん「こんな感じで溶けてくるようだったら交換を1日とか早くした
ほうが良いかもです」
ヒロ田「わかりました。この溶けが原因で漏れたりするんですよね?」
林田さん「そうなんですよ。漏れる一番の原因がプレート(面板)の
溶けだったり剥がれなんですよね。パウチ(袋)の原因てないんですよ」
ヒロ田「へぇー、パウチ(袋)もパンパンに膨れたら破裂しそうな感じも
するんですけどね…」
林田さん「そう思いますよね。でもパンパンに膨れても破裂せずにプレー
ト(面板)が剥がれてそこから漏れていくんですよ」
ヒロ田「へぇー、そうなんですか。漏れたら嫌なので交換1日早くしてみ
ますね」
林田さん「そうですね。それでまた次来た時に状況教えてもらっていいで
すか?」
ヒロ田「わかりました。じゃあまた来月来ますのでよろしくお願いします」
その後は消化器内科を受診し、体重が増えたこと、ストーマ交換でプレート
(面板)の溶けが早くなったことなど近況報告し終了。
こうして退院二週間後の診察を終え、病院を後にしたのである。
ーつづくー
ヒロ田