第38話 狭窄で外科手術を勧められる

第38話 狭窄で外科手術を勧められる

主治医「正直ここまでの狭窄になっちゃうと

手術しかないんだよね」

主治医の提案は外科手術だった。

ボク「えー、、、そうなんですか?

あのバルーン拡張みたいなのはなかった

でしたっけ?あれじゃダメなんですか?」

主治医「うん、バルーンもここまで細く

なっていたら無理なんだよね」

ボク「このまま絶食してエレンタールで

過ごしていれば手術しなくても良いで

しょうかねー?」

何とか手術を回避したかった。

回避したい理由は、痔ろうで下半身麻酔

での外科手術はしたことがあったのだが

全身麻酔での外科手術は初めてのことで

何となく不安だったこと、腸を切って短く

してしまうのは…という漠然とした不安感

があったからだ。

主治医「エレンタールでしばらく様子見た

としても、この状態から良くなっていくと

いうことはないから、どこかのタイミングで

手術を考えたほうがいいわー」

ボク「そうですかー…。しかし何で狭窄に

なったんですかねー?やっぱり食べたり

することが良くないんでしょうか?」

ボクは食べていたことが原因でなったの

なら、次からは気をつけなければいけない

と考えていた。

主治医「いやー、もしかしたらさー、ヒロ田

さんの場合レミケードが効きすぎて、それが

狭窄になっていった原因かもしれないわー。

だからレミケード使うのはもうやめよう」

どうやら効果があると思っていたレミケード

治療が、ボクにとっては効きすぎて、それで

狭窄になっていった可能性があるとのことだ

った。

主治医曰く、炎症を起こしている腸が、レミ

ケード治療することによって治っていく。

その時に腸が縮まる。

例えて言うなら、腕や手などの皮膚が擦り

剝けた時や切り傷ができ、治っていく過程で

瘡蓋ができる。

その瘡蓋ができていく過程で皮膚が縮まる。

それと同じようなことが腸でも起きている

のではないだろうか?

レミケード治療をすることで、悪くなった

腸が良くなる過程で縮まる。

また悪くなってレミケードをやって、良く

なるときに縮まる。

そんな繰り返しで狭窄になったのではない

だろうか?という仮説ができた。

レミケードが原因で…ということは断言

できない。

しかし、その可能性があるものは今後

やっていかないほうが良いということだった。

ボクは、その考え方に賛同できたので、

今後レミケード治療はしないと決めた。

ただ、その前に手術のことだ。

どうにか手術しなくて良い方法はないの

だろうか…。

ボクはそのことで頭がいっぱいになった。

ボク「ところで先生、これは今すぐ手術

しなくてもいいんですよねー?」

主治医「うん、いいことはいいんだけど

狭窄が凄いから詰まった時が危ないよね」

ボク「もちろん絶食を続けるということが

条件です」

主治医「そうだねー。でも時期は早いほうが

楽にはなると思うけどね」

ボク「わかりました。ちょっと考えてみま

す。しかし今後レミケード治療もできないと

なれば困りましたねー」

主治医「ボクもいろいろ調べてみるわー

治療方法を…。」

ボク「今後の治療方法は、お任せしたとして、

今の状況を良くする話なんですけど、ボク

としてはできれば手術しない方向でいきた

いんですけど、このまま絶食続けてて狭窄

が治っていくということは無いんですか?」

主治医「この状態から腸が広がっていくと

いうことはありえないわー。逆に放置して

おいて腸が塞がってしまうほうが怖い。

だから手術のことを考えておいたほうが

いいねー」

ボク「わかりました。絶食しながら考えて

みます」

どうやら手術は避けられないらしい。

『とうとうきたかー、手術しなければいけ

ない時が…』

ボクは過去のことを振り返っていた。

『絶食をずっと続けていれば良かったの

かなー…』

『何でこうなったのかなー…』

『NG食を食べてしまったからかなー…』

正直、後悔した。

しかしそんなことを言っていても、過去に

戻ることはできない。

前向きに考えなければ…。

ボクは頭を切り替えることにした。

後悔しても元に戻ることは無い。

それよりも絶食してエレンタールだけで

手術を避けれるように努力しよう。

この時ボクは初めて絶食した頃と同じよう

な気持ちになった。

『絶対に絶食を続ける!』

そう心に誓ったのだ。

すべては手術をしなくて済むようにする

ために…。

ところがだ…

そんなボクの気持ちとは裏腹に、体調は

どんどん悪化していく。

以前よりも下腹部の痛みが強くなってきた。

おかしい…。

そのうちボクは、エレンタールの摂取すら

怖くなってきた。

数日経って、今度は風邪のような症状。

熱っぽくなり咳も出てきた。

ついには、肺も重たい感じになり、肺炎の

ような症状も出てきた。

『もう手術するしかないな…』

ボクは手術する決断をした。

忘れもしない2006年11月末近くのことで

ある。

何よりも気がかりだったのは、入院→手術

をすることで、会社をしばらく空けてしまう

ことだった。

でも、こんな体調のままで良い仕事はでき

ない。

手術をして心機一転させよう。

ボクは社員に自身の体調のこと、手術を

して体調を良くすることを伝えた。

連絡事項等はパソコンのメールや携帯電話

のメールもある。

後は日々ボクがいなくても大丈夫なように

しておけばいいことだ。

ボクは会社での引継ぎ事項等をしながら

病院に電話をした。

次回の診察日の予定は二週間後。

そこまでは待てない。

ボクは早めに入院できるよう病院に

電話をしたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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