2016年5月11日昼食の時間が来た。
絶食の時には気づかなかったが、3回の食事
が出ることによって一気に忙しい毎日を送る
ようになった。
『すごい空腹感というほどでもないな…』
『食べようと思えば食べれるけれど…』
『もしかしたら1日2食とかで良いのかもな
…』
『でもな、元々62kgあった体重が手術の時
には40kgだったし、増やしていきたいな…』
ボクは自分の名前の書かれた昼食を取り、い
つものように病室へと戻る。
『今日の昼ごはんはどんな感じかな…』
『おっと、このアルミ箔の中身って何だ…？』
『これって、ホタテの稚貝か…？』
『にしても小さすぎるような…』
・全粥（昼食から全粥に）
・キャベツの味噌汁
・貝柱のホイル焼き
（ピーマンとパプリカ）
・鶏肉の肉じゃが
・バナナ（半分）
・オレンジジュース
『何だか急に豪華になった気がするな…』
『昼だからか…？それとも全粥になったか
らか…？』
『野菜も増えてきたけど病院で出すくらい
だから食べても問題ないよな…』
『それにしてもけっこうボリュームあるな
ー…』
そんなことを思いながらも完食。
少し休憩してウォーキング。
病室に帰ってきてまた休憩。
そしてまたウォーキング…。
順調にいけば明日が退院日。
ボクの頭の中は、体重を増やすことと
体力をつけることが大半だ。
手術時の体重は40kg。
本来ボクの体重は62kg。
体調不良と共に徐々に下がっていったの
だが、トータル22kgのマイナスだ。
ダイエッターには最高なんだろうけど、
体重を増やしたいボクにとってはガッカリ
する内容だ。
何とか早い段階で元の体重に戻していきた
い。
現段階での体重は約42kg。
3食の食事に、エレンタールを1,200kcal摂
取してこの体重だ。
とはいえ食事開始3日目で約2㎏増なので良
いほうなのか…。
そうこうしているうちに夕食の時間。
2016年5月11日夕食
・全粥
・かぶの味噌汁
・かぼちゃの煮物
・赤魚の煮つけ
・ほうれん草のお浸し
・梨の缶詰
・豆乳
豆乳は普段飲まないけれど、この時ばかり
は飲み干し、いつもの通り完食。
『お腹も動いていて適度に便が出てきてるし
先生言ってたように、昨日は彼たち（小腸）
がいきなりの食事でビックリしてただけなの
かな…』
『今のところ昨日みたいお腹が張った感じと
いうのはないな…』
「ヒロ田さん、変わりない？」
主治医の勝田先生が来た。
ヒロ田「あっ、先生」
「今のところ調子は良いですね」
「昨日の夜はお腹に張りと少し腹痛があった
ので気になりましたけど…」
勝田先生「もう今はないんでしょ？」
ヒロ田「はい、今は大丈夫です」
勝田先生「手術後で食べ始めだったからと
いうのはあるかもしれないね」
ヒロ田「そうなんですね」
勝田先生「そういえば明日退院したいって
言ってたよね？」
ヒロ田「はい、そうです」
勝田先生「うん、本当は食べて1週間くらい
は様子見たいとこだけど、手術が延びて入院
長くなったしね」
「明日の朝まで様子見て大丈夫だったら退院
しようか」
ヒロ田「はい、それだと助かります」
勝田先生「退院してから外科の外来に行かな
きゃいけないよね？」
ヒロ田「そうなんです」
勝田先生「消化器内科も受診してもらわな
きゃいけないからさ、2週間後くらいに来て
もらう感じで予定入れておくわー」
「何回も来なくていいように、外科の外来日
に合わせて予定入れとくね」
ヒロ田「あっ、ありがとうございます」
勝田先生「じゃあ今日1日様子見てみよう」
ヒロ田「はい、お願いします」
『よし、明日の朝まで問題起きなければ退院
できるぞ！』
『入院したのどれくらいだ…？』
『一ヶ月と三週間くらいか…』
『退院したら忙しいな…』
『まず髪切りに行ってだろ…』
『服も買いたいけど退院したばかりの明日は
やることいっぱいあるから無理かな…』
『でも明後日は絶対に行かなきゃだな…』
そんなことを考えながらウォーキングしたり
エレンタールの準備をして消灯の時間を迎え
たのである。
ーつづくー
ヒロ田