第86話 レントゲン結果は結核ではなく肺炎との診断

第86話 レントゲン結果は結核ではなく肺炎との診断

100%ジュースとドリップコーヒーを手に

病室に戻ってきたボクは、早速ドリップコー

ヒーを飲むことにした。

久々に飲むコーヒーは美味しい。

一息ついた15時30分頃、病室のドアがノッ

クされ呼吸器科の医師(以下、呼吸医)が

入ってきた。

「ヒロ田さん、今日のレントゲンの結果が

わかったので伝えにきましたよ」

ヒロ田「あー、わざわざすいません」

呼吸医「それでねー、やっぱり結核ではない

と判断できます。

というのも白く写ってた影が、いま投与して

いる抗生剤の点滴のおかげだと思うんだけど、

消えていってるから肺炎だったと判断できる

ね」

ヒロ田「あっ、そうですか。でもレントゲン

だけでそう決めれるもんなんですか?」

呼吸医「うん、そうだね。結核なら別の治療

しないと治らないので、いま打ってる抗生剤

では無理だから、それを今の抗生剤だけで治

っていってるんだから結核じゃないと判断で

きます。なので、もう隔離してなくてもいい

と思いますよ」

ヒロ田「わかりました。ありがとうございま

す」

結核じゃないとわかったことは嬉しい。

だが、同時に個室から大部屋(四人部屋)へ

と移動することを意味する。

それはそれで淋しいものだ。

呼吸医が帰り、夕方の点滴をしに看護師が

入ってきた。

「良かったですねヒロ田さん結核じゃなくて

…」

看護師のマスクは一般的なものに変わってい

た。

ヒロ田「しかしさー、隔離解除されたってこ

とは部屋の引越しもあるってことですね」

看護師「あー、それはでもまだ指示がきてな

いので何とも言えないですけどねー」

ヒロ田「まあ、どっちにしても結核じゃなか

っただけ良かったのかな」

『この個室ともお別れかー…』

そんなことを思っていると、IBD専門医師

(以下IBD医師)が病室へと入ってきた。

IBD医師「ヒロ田さん、呼吸器の先生きたで

しょ。結核じゃないと判断できるって言って

たね」

ヒロ田「そうですね、言ってました」

IBD医師「ただね、今の状態でヒュミラとか

レミケード使うことができないので、とりあ

えず血液検査でどうかと、尿の検査、それと

少し唾液が混じっても仕方ないので、なんと

か痰を3日間取ってもらって、それでクロー

ン病の治療に入っていけるか考えましょう。

本当は、今すぐにでも治療していきたいんだ

けどねー。でも、万が一あるとまずいからさ

ー。それがハッキリするまで、ココの病院の

規定でこの部屋から出れないんですよ。

もう少しですから頑張りましょう」

ヒロ田「あっ、そうなんですね。わかりまし

た。頑張ります」

こうしてボクは最低でも3日間、個室から出

れないことが決定した。

嬉しいなという気持ちと同時に、退院日が

間違いなく延びるだろうと予想できたため

ちょっぴり憂鬱になった。

翌日6時頃、看護師が採血をしに来た。

9時過ぎに再び看護師がくる。

「今日オシッコの検査があるので、オシッコ

したくなったら教えてもらえますか?」

ヒロ田「えっ?オシッコ検査って自分で取る

検査じゃなくて?」

看護師「あっ、いえ自分で取れますけど、キ

レイにしてから取ってもらわないとダメなの

で、その説明をしたいんです」

ヒロ田「あっ、それだったら今聞いておいて

も大丈夫なんですか?トイレ行く直前に聞か

ないとダメなもんですか?」

看護師「そうですね、そしたら今説明します

ので、ちょっと待っててください」

そう言って病室を出て行った。

何せボクはトイレに急に行きたくなる。

オシッコなら我慢はできる。

けれどお腹が下ってると我慢にも限界がある。

ましてや、いまはトイレに行くたびに座って

している。

オシッコがしたいと思っていくより、お腹が

下ってトイレに行きたくなるのだ。

先に説明を聞いておければ、スムーズにオシ

ッコが取れる。

そう考えていた。

しばらくすると看護師が戻ってきた。

よく目にしたことがあるオシッコを取るカッ

プ。

そして取った後に入れる専用の容器。

あと、トレーのようなものに手袋と白い丸い

ものが3つある。

看護師「手袋はつけてもつけなくてもいいで

す。この白いのが3つありますけれど、これ

はアルコール綿です。

これで尿道を拭いてもらうんですが、1つに

つき1回です。

何度も拭かないようにしてください。

1回拭いたら次のアルコール綿で、そして次

…と3回やってもらいます。

その後にオシッコをしてもらって、途中のオ

シッコを取ってください。

あと、このカップも外側はいいのですが、中

側を触ってしまったらダメなので触ったら教

えてください。他のカップを持ってきますの

で。容器に入れるときも、触ったりすると

ダメなので、私が責任持って容器に移します

から、カップにオシッコを取ったら教えてく

ださい」

ヒロ田「わかりました。なんだか触れないと

ころいっぱいだと緊張しますね」

数分後ボクは尿意を感じ、言われたとおりに

オシッコを取る。

ついでに痰を取る容器ももらっておいたので、

何とか痰を出し(と言ってもほぼ唾液だが…)

それも一緒に持っていってもらうことにした。

これで今日のやるべきことは終了した。

ーつづくー

ヒロ田

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