第188話 退院前日の朝食と病院での最後のストーマ交換日

第188話 退院前日の朝食と病院での最後のストーマ交換日

2016年5月11日の朝が来た。

予定では明日が退院日だ。

しかし、昨日の夜中にお腹の張り、若干の

腹痛を感じ、幸いなことに便は出てお腹の

張りや腹痛は無くなったけれど、食事する

ことでまた同じようなことが起きるかもし

れない。

エレンタールの後片付けをしながらそんなこ

とを考える。

『だけど考えていてもしょうがない』

『少しでも身体を動かして腸の動きを良く

しよう!』

後片付けを終えたボクは、朝食前に病院内を

ウォーキングすることにした。

ウォーキングから帰ってきて30分もすると

朝食の時間だ。

『夜中に便が出たからかお腹は空いてる感じ

はするな…』

『朝食をとってからまた痛くなったりしない

かな…』

自身の名前の書いてある朝食を取り病室へ。

2016年5月11日朝食

・五分粥

・大根の味噌汁

・目玉焼き

・白菜のお浸し

・練り梅

これぞ病院の朝食!

という質素な食事だが、食べれるだけで

有難い。

舌が慣れてきたのか、徐々にお粥の味が

薄く感じていたので、味変に練り梅を使う。

『この練り梅いい仕事するなー…』

『ご飯がすいすい入っていく…』

『白菜のお浸しは食物繊維だけどいいんだな

…』

『手術したばっかりだし大丈夫か…』

そんなこんなでいつも通り完食。

「ヒロ田さん、変わりないですか?」

消化器内科の医師が来た。

ヒロ田「あっ、ご飯も完食で体調も良い

感じです」

「ただ、昨日の夕食後から少しお腹の張り

があって、夜中に若干お腹に痛みもあった

んですが、その後、便が出て張りも痛みも

無くなったんですけど、ちょっと気にはなり

ましたね」

医師 「今は大丈夫ですか?」

ヒロ田「今はゼンゼン大丈夫です」

「腸閉塞とかにならないですよね?」

医師 「おそらく彼たち(小腸のこと)も

食べたものが入ってきたからビックリした

んだと思います。徐々に慣れてくると思い

ますよ」

『おっ、彼たちって小腸のことか…』

ヒロ田「そうなんですね、それならいいん

ですけど、昨日の夜はちょっと焦りました

ね」

医師 「手術後ですからねー、いきなり

食べ物がきて驚いただけです」

「予定では明日退院でしたっけ?」

ヒロ田「そうですね、何もなければですけ

ど…」

医師 「うん、でも順調そうなので問題

なく退院できそうですね」

「あとは勝田先生(主治医)とお話しして

決めましょう」

ヒロ田「わかりました」

『とりあえず問題なさそうだな…』

『しかし、小腸のこと彼たち…と言ってた

な…』

『そう言われると何だか愛着がわくな…』

『さっ、そんなことよりシャワー浴びなけ

れば…』

ボクは予定していた時間にシャワーを浴び、

ストーマ交換の準備をする。

今日は病院で行う最後のストーマ交換日だ。

「ヒロ田さん、じゃあ交換しましょうか」

WOCナースの林田さんが来た。

ヒロ田「いやー、今日が最後の日ですね」

林田さん「そうですね、でもヒロ田さん1人

でできるから問題ないですよ」

「あっ、それとストーマ装具なんですけど、

在庫が無くて自宅に発送ということになった

んですよ」

ヒロ田「はい、それで大丈夫です」

「1週間くらいでは届くんですよね?」

林田さん「ちょうど1週間後くらいに届くと

思います」

ヒロ田「わかりました。ありがとうございま

す」

一通り自身でストーマ装具の交換をし、問題

ないことを確認してもらう。

林田さん「大丈夫ですね!じゃあ次は退院後

二週間くらいで外科とか内科を受診しますよ

ね?」

ヒロ田「はい、その予定です」

林田さん「じゃあその時に合わせて交換でき

るように準備してきてもらっていいですか?

また確認いたしますので」

ヒロ田「わかりました。じゃあ日にちがハッ

キリしたらお伝えしますね」

林田さん「はい、お願いします」

『よし、とりあえずストーマ交換は問題なし

だな…』

『あとは昼食、夕食をとって問題ないかだな

…』

こうして退院に向けてのカウントダウンが

始まったのである。

ーつづくー

ヒロ田

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