第45話 再び大腸カメラそして手術の方針決定

第45話 再び大腸カメラそして手術の方針決定

テレビをつけながらボーッとしていると

検査着を持って看護師さんが来た。

看護師「ヒロ田さん、内視鏡室から呼ばれた

ので、検査着に着替えたら、まっすぐ内視鏡

室に行ってくださいね。場所わかりますか?」

ヒロ田「はい、場所は大丈夫です」

ボクは検査着に着替え内視鏡室へ向かう。

『まさか短期間で大腸カメラを2回もする

とは思ってもいなかったな…』

『どっちにしても狭窄なことに変わりは

ない。後は今日の検査で外科医師がどう判断

するかだな…』

ボクはいろいろ調べていた。

開腹手術をすると手術後2週間は入院が

必要で、腹腔鏡手術であれば手術後1週間

で退院できる。という情報を収集していた。

であれば当初の予定通り腹腔鏡手術がいい。

だが、状況によっては開腹するかもしれない

と言われていたので、今回の大腸カメラで

どういう結果になるか…。

そんなことを考えながら内視鏡室の待合室

で待っていると、看護師さんがボクの名前

を呼んだ。

「ヒロ田さーん」

「はい」

ボクは立ち上がって看護師さんに近づいて

いく。

一緒に内視鏡室に入り、血圧を測ったり、

酸素濃度を測ったり…。

いつもと同じ光景だ。

検査を担当する医師は、内視鏡室の部長

医師のようだ。

ヒロ田「先生、ホリゾン使用でお願いし

ます」

医師「いつも寝てやってるの?」

ヒロ田「そうなんです。と言っても寝ること

はあまり無いんですけど、使ったほうがボク

は良いみたいで…」

医師「じゃあ使いながら検査しようか」

医師が看護師さんに寝る注射を打つよう

指示をしている。

注射を打つと血管がビリビリしてくるのは

いつものことだ。

するとフラフラ~としてきて気持ち良い

感じになる。

検査がスタートした。

スタートしてビックリしたのは、検査が

すごく上手だったことだ。

まったく痛くない。

ヒロ田「いやー、先生うまいですねー。

ゼンゼン痛くないです」

医師「そうかい?いや今ね右側の大腸のとこ

に来てるんだけど、狭くてこれ以上入って

いかないんだよねー。半分は入ったんだ

けどさ」

ヒロ田「へぇー、それでも半分入ったんで

すかー。ホリゾンもう1アン打って入れてく

ってのはどうですか?」

医師「いやー、これ以上やったら裂けて

しまう可能性あるから危険だなー。

レントゲンの透視で確認もできたから、特定

はできたので、これくらいでやめとくね」

ヒロ田「わかりました。それにしても検査

上手でビックリしました」

医師「そうかい(笑)」

検査が終わり、病棟の看護師さんの迎えを

待つ。

『どういう手術になるのかな…』

ボクは手術のやり方で退院日が決まるので、

それだけが気になっていた。

病棟から看護師さんが迎えに来て病室に

戻る。

手術の方向性が決まるまでやることは

何もない。

検査が無いのは有難いが、それはそれで

暇になる。

暇になったら仕事をしようと思っていたの

だが、メールチェックできればいいくらい

で、集中力が無く何もできない。

テレビを見ながら退院後のことを考える。

退院後のことと言っても食事のことなの

だが…。

『今度こそクローン病にとっての安全食だけ

食べるようにして体調悪くならないように

しよう』

『もう手術しなくていいようにするぞ!』

そう考え、安全食と言われてる食材を

把握し、その食材でできる料理などを

イメージする。

イメージするだけで前向きになれるものだ。

入院も4日経った頃、個室が空いたとのこと

で移動することになった。

ただ、個室は個室でもトイレが無い個室の

ようだった。

まずそこに移動して、トイレのある個室が

空いたらそこに移動という流れ。

6人部屋に数日一緒にいると、話しかけて

来る人がいたり、コミュニケーションが

取れてきたりで、それはそれで良かった。

更に、個室の移動を二度もするのかと思うと

面倒だったので、トイレの部屋が空くまで

このままでいいですよ。と伝えたが、もう

手続きをしたとのことだった。

しょうがなく移動の準備。

と言ってもボクは自身のものを整理しただ

けで、荷物は看護師さんや看護助手さんが

やってくれた。

検査後2日経っても予定している手術の話が

ないため、気になったボクはどうなって

いるか聞いてみた。

看護師さんが確認してくれると、今日の夜

に消化器内科と外科のチームがミーティング

をして手術の方向性を決めるとのことだった。

その方向性が決まり次第、ボクに説明が

あるとのこと。

『ということは明日には説明があるのかも

な…』

夜になり、テレビを見ながらボーッとして

いると、外科部長がお話あるとのことで

急遽ナースステーションへ。

話の内容は、腹腔鏡での手術で大腸は切り

取らず、バイパス手術をするとのこと

だった。

大腸をブツブツ切るとどんどん短くなって

いくので、極力、短くしないよう大腸を

残す方法で手術をしたいとのこと。

ボクは大腸に狭窄が左右に2箇所。

共に長さ10cmくらいの長さで狭窄がある。

その狭窄部分を避けて、狭窄の手前の腸と

奥の腸をくっつけるというバイパス手術だ。

※青い線のところを切ってくっつける。

腹腔鏡を選んだ理由は、回復が早いこと、

あと開腹手術よりも腹腔鏡手術のほうが

癒着が少ないとのことだった。

腹腔鏡だと順調にいけば1週間後に退院は

可能とのことだ。

手術は予定通り12月21日。

ということは、順調にいけば12月28日が

退院日になる。

ヒロ田「先生、では順調にいけば12月28日

に退院が可能ということですか?」

ボクは思わず聞いていた。

外科医師「そうですね。順調にいけば、それ

くらいには退院できると思います」

年内に退院できる可能性が大きくなった。

ボクは小さくガッツポーズした。

心の中でだが…。

あとは、手術までの間にやっておくべき検査

があるという。

検査と言っても大変そうではない。

体力がどれくらいあるか?

血が出た時の止まる時間など、そういった

情報を把握するための検査のようだ。

外科医師と数分間の話だったと思うが、年内に

退院できる可能性が高くなったことで、ボクは

かなり明るい気持ちでナースステーションを

後にした。

ーつづくー

ヒロ田

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