第185話 食事開始後2食目の朝食はどんな感じかな?

第185話 食事開始後2食目の朝食はどんな感じかな?

「ヒロ田さん、今日初めてのお食事でしたけ

ど、どうでした?」

看護師さんが様子を伺いに来た。

ヒロ田「今のところ問題ないようです」

看護師「いいですね!お食事ってどれくら

い食べました?」

ヒロ田「3割くらいで止めました。全部食べ

れそうな感じでしたけどね(笑)」

看護師「(笑)そうですね、最初なので3割

くらいで止めてもらったほうがいいです」

ヒロ田「この後お腹痛くなったら困りますけ

ど…。ただ今のところは問題ない感じですね」

看護師「もしおかしいと思ったら行ってくださ

いね」

ヒロ田「わかりました。もう少ししたらエレ

ンタールの準備して朝までやりますね」

看護師「はい、お願いします」

2016年5月9日18時30分頃、1,200mlのエレ

ンタールを時間100mlでスタート。

その後は読書してウォーキング…。

そんなこんなで1日が終了。

2016年5月10日の朝が来た。

夜中は少しお腹に張りを感じたけれど、

特に大きな問題もなく目覚めた。

『よし、今のところ問題ないな…』

『この調子で問題ないまま退院といきたい

ところだ』

昨日の夜、久々にご飯を食べたからか、今ま

で以上に空腹感が増す。

『今日の朝はどんなご飯かな…』

『朝はだいたい質素な食事だよな…』

『昨日の夜は芋に卵だったし…』

『朝に卵つくかな…』

食べれるようになったら頭の中は食事のこと

ばかり…。

もちろん退院してからのことも考えてはいる。

ただ、その前に食事して問題ないことを確認、

そして無事退院という流れなので、今は食事

しても問題ないということを願うしかない。

退院予定は5月12日。

ボクは退院後のスケジュールを考えていた。

まず退院して真っ先にやらなければいけない

ことは、障害者手帳を作ることだ。

ボクの場合は大腸を全摘し、肛門もくり抜い

ているため永久ストーマ(人工肛門)だ。

障害者手帳を申請することで、ストーマ装具

の補助券をいただくことができる。

2ヶ月分で約18,000円の補助が出るので、

大変助かる制度だ。

その補助券内の金額でストーマ装具を揃える

こともできるようだが、ボクの場合は4日に

1回交換で、他にも付属品を購入したりする

ので自身での持ち出しが必要になる。

にしても、全額持ち出しではないのは有難い。

あとは髪も切りたい。

なんだかんだで2ヶ月は切っていない。

二週間に1回切っていたボクにとって、もの

すごく伸びた感じだ。

それ以外に服も買いたい。

『ストーマ(人工肛門)になったからタイ

トな服は着れないだろうか…?』

『少しゆったりしたズボンとかのほうが

良いのかな…』

あとは約2ヶ月入院しているので体力をつけ

たい。

『日々のウォーキングに加え、筋トレも必要

かな…』

『あと体重が40kgになったから、体重も増や

していかなきゃな…』

そんな退院後のイメージを膨らませることで

仕事復帰は約半月後の6月1日にしようと決め

た。

それまでに髪を切ったり、衣類を買いに行った

り体力つけたりしよう!と…。

そんなことを考えていると食事の時間が来た。

『おっ、朝はどんなご飯だろ…』

楽しみにご飯を取りに行く。

『えっと、ヒロ田、ヒロ田…』

『あれ、無いな…』

『見落としたかな…』

『もう1回、ヒロ田、ヒロ田…』

『あれ、2回見たけどヒロ田の名前が無い

よな…?』

『なんだ、なんだ…?』

『昨日の夜だけで食事が終わり…?』

『何回見ても無かったよな…?』

『しょうがないな…。無いんだから…』

『でもなんで食事ストップになったんだ…?』

『食べないで退院というわけにはいかない

から昨日の夜から食べていくってことだった

よな…?』

自分の朝食が無かったことにショックを受け

つつ、そんなことを考えながら病室へと戻っ

ていったのである。

ーつづくー

ヒロ田

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