第3話 肛門周囲膿瘍(痔ろう)の診断

第3話 肛門周囲膿瘍(痔ろう)と診断

恥ずかしい思いをして薬局で坐薬を

購入したのだが、入れたときの

あの痛さを思うと、とてもじゃないが

二度目を入れることができなかった。

今でも覚えているが、薬局で初めて坐薬を

購入し、入れたのが金曜日。

次の日の土曜日も痛みは変わらず、

『嫌だけど肛門科にいくしかないか…』

そう心に決めた。

しかし、土曜日と日曜日だ。

病院はやってない。

(実際、土曜日は午前中やっていたのだが

この時やってないと決めつけていた…)

さらに、不動産会社で仕事していたために

土曜日、日曜日は忙しい。

休める状態ではないな。。。

と自分勝手に決めて行こうとしなかった。

身体は休みたいと言ってるのに(痛くて)、

気持ちだけで頑張っていた。

痛さはどんどん増してくる。

営業をしていたものだから、

けっこう動く。

動いていても、お尻(肛門)に力が

入らない限り痛くはない。

ところが、立ったり、咳、クシャミ、

あと、何が辛かったかって

車の乗り降りが痛くて大変だった。

普段何気ない行動でも、お尻には力が

入っているんだと、このとき初めて知った。

日曜日の夜。

仕事が落ち着いたころ、上司に月曜日は

朝から病院に行き、終わりしだい会社に

来ることを伝え許可をもらった。

そして月曜日の朝。

嫌だなという気持ちはあったが、

そうも言ってられないくらい痛みが

強く、しかも会社に朝から病院に行くと

言ってる以上、行くしかない。。。

初めての肛門科だ。

と言っても他の病院と何も変わらない。

初めての受診だったので、看護師さんに

いろいろ聞かれる。

血圧や熱を測る。

『あれ、、、37度6分もある。』

どうりでダルかったわけだ。。。

そんなことを思いながら待合室で

待っていると、、、

「ヒロ田さん、診察室へどうぞ~」

声が聞こえてきた。

ドキドキしながら席を立つ。

いざ診察室へ…。

医師「ヒロ田さん、お尻痛いのかい?

熱もあって…」

ボク「何かすごく痛いんですよねー」

医師「そしたらちょっと横になってみて」

下着を膝まで下ろし、左側を下にして

横になる。

医師「まずエコーで見てみよう」

医師は、熱があることとボクからの話で

おおよそ病名はわかっていたのかも。。。

パッと診てから患部にゼリー状のような

ものを塗っている感じがした。

そしてエコーで見てみる。

医師「あ~ヒロ田さん、ここに膿が

溜まってるわー。

切開したら楽になるけど

切開するかい?」

ボク「えっ?切開ってすぐできるん

ですか?」

医師「うん、このまま局所麻酔して

切開するだけだからすぐできるよ」

ボク「痛そうですね切開…」

医師「このまま放っておいても、いずれ

穴開いて膿が出てくるけどね」

ボク「でも、それまでこの痛さ続く

んですよね?」

医師「うん、痛みは続くわー。

けっこう溜まって浅いところまで

来てるから、ちょっと切ったら

膿出てくると思うよコレ…」

痛いのは嫌だけど、このまま痛いのが

続いているのも嫌だし…。

ほんの数秒の間だが、医師とのやりとり

をしている時にどうするべきか

考えていた。

ボク「じゃあ切開お願いします」

すぐに準備が開始された。

医師「じゃあ麻酔するよ」

膿が溜まっていると思われる肛門の

周り数箇所に局所麻酔をする。

『おっ、、、麻酔も痛ってぇ~…』

声には出さなかったが、ちょっと力が

入ってしまうくらい痛く感じた。

医師「じゃあ今から切るよ」

スパッと縦とか横に切るのかと

思っていたが、なんだかグリグリと

回して切ってるように感じた。

『うわっ、切るのも痛ってぇ~』

麻酔効いてるの?

と思ってしまうくらい切ってる感じが

あったのだが、おそらく麻酔が

効いてないともっと痛かったのだろう…。

ただ、切開して膿が放出するとともに、

楽になっていくのがわかった。

切開が終わった後は、素早く看護師さんが

周りを拭いてくれたり、ガーゼを当てて

くれたりしてから、再度、医師からの説明。

医師「ヒロ田さん、肛門周囲膿瘍って

言って、膿が溜まったから痛み

が出て、それが勝手に穴が開いたり

今みたいに切開すると痔ろうって

いう病名になる。」

医師「男性に多い痔なんだわー、

痔ろうって。。。

下痢とかしてたんでしょ?」

あ~、確かに医師の言う通り、

オレ下痢続いてたな。

というか継続中なんですけど…

医師「ストレスとか、精神的なもので

下痢する人多いんだわ~、だから

整腸剤も出しておくから、化膿止め

と一緒に飲んでな。

そのうち良くなるから。

それで、痔ろうになってこのままに

しておくのも良くないから、2泊3日

で休める日あったら手術して

取っちゃったほうがいいからさ、

それはそれでまた考えよう」

ボク「確かに1年くらい下痢が続いて

います。」

医師「下痢とか便秘を繰り返す人って

痔ろうになりやすいだわー。

いま過敏性腸症候群とかもあるから

まぁ、あんまりストレス溜めない

ようにしてさ、整腸剤も一週間

飲めば良くなると思うよ」

ボク「そうですかー。

いや~だけど切開したら凄く楽に

なったので良かったです」

医師「今日はシャワーいいけど、お風呂

だけやめてさ、あとお酒もね。

それ以外は普通に生活して大丈夫

だから。」

ボクは、あの痛さから解放され

スキップしたい気分で病院を

後にした。

『あ~、車の乗り降りも全然痛くない』

『動けるって最高だ~!!』

午後から気持ちよく会社へ出社したのは

言うまでもないだろう。。。

ーつづくー

ヒロ田

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