第186話 食事開始2回目は昼食からとなった

第186話 食事開始2回目は昼食からとなった

「ヒロ田さん、体調変わりないですか?」

2016年5月10日、朝の回診で消化器内科の

医師が来た。

ヒロ田「あっ、変わりはないですけど、食事

って朝は無しでしたっけ?」

医師 「えっと昼、夜の2食じゃなかったで

したっけ?」

ヒロ田「あっ、そうなんですか?退院が12日

の予定なので三分粥から食べていこうってこ

とだったんですけど、2食ってことだったん

ですかね?」

医師 「あれ、12日退院する予定って言って

ました?」

ヒロ田「そうなんです、勝田先生と昨日話し

て、それで12日退院の予定で食事開始してい

こうってことになったんです」

医師 「あれ、聞いてなかったな…。わかり

ました。12日だったら普通のご飯食べる前に

退院て形になっちゃうけど、今日の夜には

五分粥にして、明日の昼から全粥にしていく

感じにしましょうか」

ヒロ田「わかりました」

医師 「とりあえず昨日食べてみて問題ない

ですか?」

ヒロ田「夜中に少しお腹が張ったような感じ

になったんですけど、そのあと便も出てきて

お腹の張りは無くなりました」

医師 「そうですか、とりあえず無理せず

食べていってみてください」

「今日の昼からは食事出ますし、明日も朝か

ら出るようにしときますので」

ヒロ田「わかりました」

どうやら今日の朝食がなかった理由は、当初

1日2食ずつで様子を見る予定だったようだ。

まずは理由がわかって一安心だ。

医師がいなくなった後は、レントゲンを撮り

に行ってシャワーを浴びる。

その後は再び退院後にやるべきことを書き出

したりする。

そうこうしているうちに昼食の時間が来た。

『昼食はあるだろうな…』

『昼食と夕食だけの2食と思ってた。と

先生が言ってたから、昼食からは間違いなく

あるだろう…』

少し緊張しながら名前を探す。

『ヒロ田、ヒロ田…』

『おっ、あったぞ。良かった…』

少し足早に病室へと戻ってきたボクは、早速

蓋を開けてみる。

『どんな昼食だろ…』

2016年5月10日の昼食

・三分粥(半分)

・具なしの味噌汁

・春雨の卵とじ

・豆腐と玉ねぎの煮物

・りんごジュース

『お~、春雨OKか…』

『玉ねぎもいいんだな…』

お粥は、まだ2回目の食事だからか半分の

量だ。

『これ全部食べても問題ないんだよな…?』

『看護師さんも最初は3割だけにしてくだ

さいって言ってたし、それ以降は食べれる

んだったら完食してもいいんだよな…?』

人間の身体はうまくできているもので

体調が良くなるとお腹が空いてくる。

しかも、昨日の夜に食べたことで尚更お腹

が空いていた。

『全部食べて大丈夫だよな…?』

『問題ないよな…?』

そんなことを思いながらも完食。

その後は1時間くらい休憩してウォーキン

グ。

『体重も増やしたいし体力もつけたい…』

『今から6月1日の仕事復帰まで何とか絶好

調と言えるよう頑張ろう…』

15時30分過ぎ、WOCナースの林田さんが

来た。

この日は退院後に使用するストーマ装具

の打ち合わせ。

林田さん「装具なんですけど、ヒロ田さん

手術前から言ってたコロプラスト社の装具

で良いですか?」

ヒロ田「はい、コロプラストの二品系の

タイプでお願いします」

ボクはストーマ(人工肛門)手術をすると

決めてから、ストーマのメリット、デメリッ

トや装具のことなどを徹底的に調べた。

その中でボクはコロプラストの装具にしよう

と決めていたのだ。

値段は少し高くなってしまうが、どうせなら

スタイリッシュな装具が良いな。

という単純な理由からだ。

ヒロ田「念のため再確認ですけど、ボクが

欲しいって言ってるコロプラストの二品系

って、基本的にコロストミー用(結腸スト

ーマ)ですけど、イレオストミー(小腸

ストーマ)のボクが使っても問題ないんで

すよね?」

林田さん「ぜんぜん問題ないですよ。パウ

チ(袋)が小さいので、便の処理がイレオ

ストミーの人だと多くなってしまいますけ

ど、ヒロ田さんそれはゼンゼン気にならな

いって言ってましたもんね?」

ヒロ田「はい、今まで40回以上もトイレ

に行ってたことを考えると、10回以内で

済むならゼンゼン問題ないです」

林田さん「じゃあ大丈夫ですね」

「それでどうしますか?もう頼む手続き

しちゃいますか?退院も近いですから」

ヒロ田「そうですね、早く届いてくれた

ほうが助かります」

林田さん「じゃあ注文書に記入しましょ

う。あとサンプルで2つ渡せるので、それ

があれば1週間くらいは大丈夫ですね」

ヒロ田「あっ、それは助かります」

林田さん「今日発注しときますので在庫

があれば退院までに届くかもしれません」

ヒロ田「はい、ありがとうございます」

「よろしくお願いします」

林田さん「じゃあ明日は退院前の最後の

交換の日ですね」

ヒロ田「そうですね、少しでも慣らして

退院したいので、またわからないことが

出てきたらお聞きします!」

林田さん「はい、じゃあ明日また時間に

なったら行きますね」

『ふ~、ストーマ装具の手配は完了した』

『いよいよ退院が近づいてきてる』

『病院でストーマ交換は明日で最後か…』

『退院してから困らないように聞きたいこ

とは明日すべて聞かないと…』

そんなことを考えながら再び院内をウォー

キングすることにしたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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