第27話 副作用なくレミケード終了

第27話 副作用なくレミケード終了

看護師「じゃあヒロ田さん、まず体温測って

もらえますか?それから…」

体温を測ってから血圧を測ったり、

酸素濃度を測ったりして記録をつけていく。

そしていよいよレミケードがスタート。

最初の30分は点滴の速度をゆっくり

滴下していく。

20分くらい経った頃だろうか…

何となく顔が火照ってきた感じがして

少し動悸もしてきたように感じた。

あの副作用が出た時と感じが似ている。

『あれ、もしかして副作用?』

何となく気になる症状だが、まだそこまで

凄くなっていない。

ボクは少し様子を見ることにした。

それから数分経って、気になる症状は

無くなった。

スタートして30分経過。

看護師さんが様子を見に来た。

「ヒロ田さん、どうですか?」

と看護師さんが聞いてくる。

ボク「さっき顔が火照ってきて何となく

動悸してきたかなと感じたけれど、すぐ

普通の状態に戻りました」

看護師「そうなんですね。それじゃ予定

通り点滴の速度を少し速めるので、何か

あったら言ってくださいね」

こうしてレミケードの点滴速度が速め

られた。

『最初の30分だけゆっくり滴下して

身体は慣れたのだろうか?』

『速くしても副作用は起きないだろうか?』

そんな不安もあったが、まずは言われた

通りにやってみるしかない。

あまり気にしないよう本を読むことにした。

本を読んでいると、いつの間にか眠って

しまったようだ。

気づけば2時間くらい経過している。

レミケードの入った点滴を見てみる。

どうやら問題なく進んでいるようだ。

『ここまできたら副作用は起きないか?』

『それともこれから出てくるのか…?』

そんなことを思っていると、看護師さんが

再び様子を見に来た。

「ヒロ田さん、どうですか?

とくに変わりありませんか?」

ボク「寝てたから気づかなかったですけど

今のところ問題ないです」

看護師「良かったです。それじゃ体温とか

血圧を再度測りますね」

体温計を脇に入れ、逆側の腕で血圧を測る。

体温も血圧も問題ないようだ。

「終わる予定が20時ですので、

その前に何回か様子見にきますね」

そう言い残し看護師さんが病室を

後にした。

『終わるのは20時かー。長いな』

『あっ、でもその前に楽しみがある』

そうだ、今回の入院は食事つきだった。

18時に夕食の時間だ。

夕食の時間まであと1時間。

ボクはテレビを見ながらその時を待って

いた。

「ヒロ田さん、お食事ですよー」

そう言いながら看護師さんがベッドまで

夕食を持ってきてくれた。

ボク「あれ?自分で取りに行こうと思って

たんですけど、持ってきてくれるんですね」

看護師「ヒロ田さん点滴してるから持って

きたんです」

ボク「あっ、ありがとうございます」

待ちに待った夕食だ。

何度も書くがクローン病になってから

入院と言えば絶食だった。

それが今回の入院で初めて食事つきだ。

食べれる入院というのは嬉しいものだ。

昼と同じ潰瘍食。

これまた美味しく完食した。

後はレミケードの点滴が終わるのを

待つのみ。

副作用もなく良い感じで進んでいる。

このまま副作用もなく終わってくれれば、

入院しなければいけないけれど、レミケード

を続けれることで体調不良にならなくて済む。

そんなことを考えながらテレビを見ていると

20時の点滴終了時間がきた。

看護師さんが注射針を抜いたり、最後の

体温や血圧を測ったりしながら、何事も

なく終わったことを喜び合った。

消灯時間は22時。

それまで少し時間がある。

この時まだ喫煙室が病院内にあった。

ボクは副作用が無く終わったことに

ホッとし、まだ止めていなかったタバコ

を吸いに喫煙室へ向かった。

タバコを吸いながら、今後のことを

考える。

『レミケードは入院してやらなければ

いけないけれど、美味しい病院食を

食べれて、しかもタバコも吸える。

体調が少し悪くなっても、レミケードで

体調が良くなるんだから、このまま

続けれるなら最高だな…』

ボクは2本タバコを吸う間に、

そんなことを考えていた。

もうレミケードがあれば最強だ!

そう楽観的に考えたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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