『クローン病です』
そう診断されると、大抵は絶食して
エレンタールを摂取していくことになる。
写真がエレンタール。
1袋80gで300kcalの摂取ができる。
ボクの場合は、初めてクローン病と診断された
その日から絶食と告げられ、入院するときまで
エレンタールを1日3袋飲んでと言われた。
1日900kcalの摂取ということだ。
1:1の割合で溶くので、1袋300kcalに対し
水かぬるま湯が300mlという計算だ。
朝、昼、晩で1袋ずつか~余裕だな。
と思っていたのだが、、、
これが不味くて飲めない。。。
最初の一口は『けっこういけるな!』
だったが、二口目、三口目と進めていくうちに
飲めなくなっていった。
飲まないと栄養が取れないとわかっているのだが、
その先が進まない。
1日3袋どころか、1日3口しか飲めない。
1日~2日はどうにかなったが、
さすがにカロリー摂取できていないから
フラフラになってきた。
さらに、最初は調子が悪くて
『食べなくても良いな』と思っていたけれど、
さすがに空腹感が出てきた。
とりあえず空腹感は飴を舐めて紛らわした。
何とかフラフラになりながらも
エレンタールを摂取せずに入院日まで
たどりつけた。
入院したその日からは絶食で点滴。
検査とかもあるので、その状態で一週間。
翌週からは、点滴とエレンタールをやっていく。
退院してから、エレンタールで生活するために、
さらに、入院前の1日900kcalとかでは成人男性の
1日の摂取カロリーには程遠いので、
最低でも1,200ckal取れるようにしていく。
しかし、3口でギブアップしているボクに
1,200ckalはとても無理だ。
そこで、経口ではなく経鼻でやるという
ことになった。
飲むのではなく、鼻から細いチューブを入れて、
寝ている時間に摂取できるようにするわけだ。
溶いたエレンタールを、ボトルに入れて
そのボトルから機械を使い、エレンタールを
鼻のチューブを通して身体に入れていく。
鼻のチューブは、75cmくらい入れるので、
十二指腸に届いていると言われているが
おそらく胃の中で止まっているように思う。
それはさておき、エレンタールは浸透圧の関係で
下痢がしやすくなると言われている。
そのため、濃くして滴下したり、スピードを
早めて滴下しないほうが良いとのことだ。
入院の時の話に戻そう。
入院して8日目からエレンタールを摂取する。
始まりは600ckalを1時間50mlで滴下していく。
次の日は65ml。その次の日は…。
そんな感じで1時間100ml滴下、12時間かけて
1,200ckal摂取できるようにする計画だ。
それができるようになるまで退院できないと
言われていた。
ボクは、脱サラして初めての店舗を
オープンさせていたこともあり、
早く退院しなければいけなかった。
計画では早くても退院できるのは一週間後。
もしダメであれば一日、次の日もダメであれば
さらに一日…と退院日が延びていく。
鼻からチューブ入れるって…
と思ったが、早く退院したいボクは、
前日に実際入れるチューブを持ってきてもらい、
病室で鼻から入れるイメトレをした。
そして次の日。
この日から午前中に外出許可をもらい、
オープンしたばかりの店舗に顔を出し、
13時頃までに病院に戻る。
という生活がスタートした。
戻ってすぐに点滴スタート。
その後、16時からエレンタールを
やっていきましょう。ということになった。
最初は、看護師さんがボクの鼻にチューブを
入れるとのことだったが、他人にされると
入れていくタイミング、飲み込むタイミング等、
合わないと辛いのではないか?という想像が
できたので、初めから自分でやってみたい。と
申し出た。
自分で鼻にチューブを入れるという行為は、
ちょっとためらったが、二人の看護師さんが
見守っている中、ウジウジもしてられない。
ボクは度胸を決めてスタートさせた。
さすがに最初は鼻の奥に突っかかって
その先に進まない。
2~3回やり直しをした。
なるべく早くやりますんで…と言うと、
「ゼンゼン気にしないでください。
ゆっくりやっていいですよ」という
優しい言葉に少し安心したが、
でも何度もしくじる訳にはいかない。
そしてイメトレしていたことを思い出した。
落ち着いてゆっくり入れていこう。
そう心の中で思いながら入れていった。
そして無事予定の長さまで挿入できた。
1回目から自分でやったことで
2回目も3回目も順調にいったし、
量も増やしていくことができた。
それで何とかクローン病になって
初めての入院は、合計2週間で済んだ。
エレンタールの摂取は、ご飯が食べれるように
なっても1日900ckal摂取するようにしていると
摂取していない人よりも再燃しづらいと言われている。
ボクは、サボることも多いが、
絶食してエレンタールだけにすると、
体調も採血の数値も良くなってくるのが
わかっているので、極力エレンタールを
摂取するようにしている。
ヒロ田