2016年4月22日金曜日、入院して三十一日目の朝がきた。
昨夜は、トイレに起きてからの寝つきが悪かった。
起きるたびに1時間くらいは寝れなかったように思う。
手術が予定通り行われるか気になっていたというのもあるだろう。
そんなこともあっていつもより眠たい朝を迎えた。
回診は早い時だと8時30分くらいに来るときもある。
ボクは早く回診に来てくれるのではないかと期待した。
しかし、こういう時に限って遅いものだ。
9時30分近くだろうか、主治医とIBDチームの医師が病室に来た。
主治医「外科に移動するのがねー、26日の火曜日になったからー」
ヒロ田「ということは予定通り手術するってことですか?」
主治医「うん、28日に手術は決まったから。で、朝2~3時間くらいの手術があって
その後だから手術は昼くらいからかなスタートするの」
ヒロ田「そうなんですね。まずは手術日が確定して良かったです」
主治医「うん、長かったねー。ホント良かったわー。それで本当は3日くらい前に
外科に移動するんだけど、次の月曜日は部屋が空かないみたいなんだよねー。
だから2日前の火曜日に移動だわー」
ヒロ田「あっ、わかりました。これで延期になるってことはないですよね?」
主治医「あー、無い無い。もう確定したから大丈夫だわ」
ヒロ田「何回も延びたからまた延びるのではないかと気になっちゃって…」
主治医「そうだよねー。あれ、いつだっけ入院したの…」
ヒロ田「3月23日です」
主治医「あー、もう一ヶ月だもんなー。でもあと少しだから…」
ヒロ田「そうですね、手術が決まったから頑張れますわー」
主治医「うん、外科に移動してもたまに様子見に行くからさ」
ヒロ田「あっ、それで手術終わった後ってどうなります?外科でそのまま退院という
流れになるんですか?」
主治医「いや、ご飯食べたりもしなきゃいけないから、外科でOKになったらまた
内科に移動してくることになるわー」
ヒロ田「あっ、そうなんですね。わかりました」
やったぞ!4月28日に手術が確定した。
あと6回寝たら手術ということになる。
ボクはようやく安堵することができた。
とは言っても手術が決まったからといって便意が止まるわけではない。
便意は容赦なくやってくる。
相変わらずトイレに行くかベッドで寝ているかの状態だ。
「ヒロ田さーん、山口です」
14時頃、IBDチームの山口先生がきた。
ヒロ田「あっ…」
そう言ってベッドから起き上がろうとする。
山口先生「いいですいいです、寝てて大丈夫ですよ」
そう言ってくれたが寝たまま話すのも嫌なので起き上がって話を聞く。
山口先生「手術が決まって良かったですねー」
ヒロ田「ホント良かったです。長かったですわー」
山口先生「そうですよねー、もう入院してけっこう経ちますよね?」
ヒロ田「もう明日で一ヶ月になりますよー」
山口先生「あー、それは辛かったですねー」
ヒロ田「そうですねー、何が辛いって便意が辛いです。ホント便意なんか無くて
いいなって途中から思いましたもん」
山口先生「うん、ホントねー大変そうだったから手術決まって良かったです。
もう少しですから頑張っていきましょう。それで外科の病棟に移動するって
話は勝田先生(主治医)から聞いてました?」
ヒロ田「あっ、二日前に移動するとかって言ってましたよ」
山口先生「そうですね、来週の火曜日に移動することになりましたから。それと
前回の手術の説明ってご家族の方も聞いてますよね?」
ヒロ田「はい、父親が来て聞いてます」
山口先生「あっ、そうなんですね。それで26日にまたお父さん来れますか?」
ヒロ田「あれ、26日に何かあります?」
山口先生「一度手術の説明を聞いてると思うんですけど、あれから日にちが空いちゃった
ので、外科の先生が再度説明してサインもしてもらわなきゃいけないんです」
ヒロ田「あー、そうなんですね。それって26日に父親が来て28日には来なくていいって
ことにはならないですか?」
山口先生「そうなんです。26日も28日も両方来てもらわないとダメなんですよ」
ヒロ田「わかりました。じゃあ父親に言っときます。時間はわからないですよね?」
山口先生「そうなんです。おそらく前日の25日にはわかると思いますので、わかり次第
お伝えする感じですね」
ヒロ田「わかりました。まず父親に来てもらうよう伝えておきますね」
山口先生「はい、お願いします」
一回目に聞いたのは4月8日だ。
確かに日にちが空きすぎている。
ボクは父親に電話をして28日で手術が決まったこと、そして再度26日に
手術の説明を聞かなければいけないことを伝えた。
相変わらず襲ってくる便意にめげそうになるが、あと6回寝れば手術なんだ…と
自分に言い聞かせ、残りの日々を過ごすことにしたのである。
ーつづくー
ヒロ田