第203話 凸面の面板を使用するも、平面の面板に戻した結果、凄いことに…

第203話 凸面の面板を使用するも、平面の面板に戻した結果、凄いことに…

新たな面板(プレート)を提案されたが、いま使っている平面の面板(プレート※以下、面板)もけっこうな数量が残っていたため、それを先に使用していくことにした。

ただ、その平面の面板が無くなったら、提案された凸面の面板をお願いするということは自分の中で決めていたので、数日中には販売店へ発注することも決めていた。

ボクはこの時、いま使っている平面の面板でも、上手く使えば問題ないんじゃないか?と心の中では思っていた。

いや、そう思っていたかった。

というのも、ボクが使用していた平面の面板は、一番小さいサイズの面板で良かったので、コンパクトということもあり、そこが一番気に入っていたからだ。

凸面の面板も、同じメーカーのものを使用するつもりでいたので、当然同じサイズの面板があると思っていた。

ところが、凸面になると、平面のワンサイズ上からじゃないと商品が販売されていないということだった。

いま使っている平面の面板サイズで慣れてしまっていたということもあり、変えるのには少し抵抗があったというのが正直なところ…。

愛着があったと言えばいいだろうか…。

さらに、平面の面板が使い慣れていて、しかも、ストーマの高さはきちんとあるし、体重は増えたと言っても、ストーマが皮膚に埋もれているわけでもない。

にもかかわらず凸面の面板を使用するって、逆に大丈夫なのか…?

とも思ってしまっていた。

そこでボクは、3日に1回交換ではなく、2日に1回でストーマ装具を交換し、平面の面板でも大丈夫だということを確認しようと心のどこかで思っていた。

そんなことを思いながら平面の面板を使って数日が過ぎた頃、注文していた凸面の面板とパウチ(袋※以下、パウチ)が届いた。

2017年3月1日、ボクは新しい月になって、新しく交換した日として覚えやすいという単純な理由で凸面の面板を使ってみた。

『ちょっと今まで使っていた面板より硬い感じだな…』

今までの平面の面板より硬い感じがする。

ただ、その分、溶けづらいようにも感じた。

『とりあえず今回初めて凸面に換えたので、まずは3日目で交換してみるか…』

平面の面板では2日で交換したが、凸面の面板で交換したので3日目での交換を予定し、剥がした時にどうなっているかで次の交換日を決めようと考えた。

そして3日後。

『お~、綺麗な溶け方だな…』

『というか、溶けてるという部類には入らないか…』

凸面の面板を使用し、初めて剥がしてみたところ、ストーマ周りを綺麗な円で囲むようにうっすら溶けていただけの状態だった。

『幅2㎜くらいか…。これなら4日交換でも大丈夫そうだな…』

平面の面板を使っていた時とは全然違い、4日交換でいけそうだとすぐに感じ、次回は4日で交換しようと思っていたが…。

何となく不安になって3日目で交換。

そして凸面の面板3回目で初めて4日交換をしたところ、2~3㎜くらいの溶けで、1回目、2回目と同じく綺麗な円を描いていた。

そこで自信をつけたボクは、凸面の使用を一時中止し、残っている平面の面板を使ってしまおうと考えた。

この時すでに次買うときは凸面が良いなと決めていたので、そうなると平面の面板がけっこう残ってしまうが、使ってしまわないともったいないと考えてしまったわけだ。

ただ、平面の面板にすると今のボクには3日持たない。

2日に1回交換していきながら残っている平面のストーマ装具を使っていこう。

そう決めた。

ところが、平面の面板に変更してから4枚目の面板を使用した時に事件は起きた。

2017年3月13日。この日は出張で1泊ホテルに宿泊する必要があった。

3月12日が交換の日で、平面の面板をつけ、次に交換するのは1泊し、3月14日に自宅に帰って来てから交換する予定だ。

万が一の時のために交換用のストーマ装具を持つ。

※特に外泊する時は1泊だとしても、日帰りでも長距離移動しなきゃいけない時などは今でもストーマ装具は持ち歩いている。

仕事を終え、食事してから次の日の準備をして23時頃には就寝。

朝5時30分頃、お腹の辺りに冷たさを感じ、目が覚める。

ヒヤッとしながらお腹を見てみると、特に問題はなさそうだ。

でも冷たさはある。

ボクは、Tシャツを捲り、腹巻を捲ってみた。

すると、へそ上のテープが少し剥がれて、そこからうっすら漏れてきていることが分かった。

『あれ、ここいつもテープ剥がれて漏れにつながってたところだ…』

『これはもう中で漏れてるから、テープ貼って応急処置というわけにはいかないな…』

『今日も午前中は仕事しないとダメだから、そこから家に帰って交換というわけにはいかないし…』

ボクは、持ってきた予備のストーマ装具を準備してシャワーを浴びる。

『いや~、危なかったな…』

『ホテルの布団やパジャマに被害が無かっただけでも良かったわ…』

『これもう平面の面板じゃ限界なのかもな…』

『だけど平面の面板はあと6枚くらいあったよな…』

『1日とかで交換しながらでも使いきっちゃうか…』

ボクは、宿泊先のホテルでシャワーを浴びながら、平面の面板の限界を感じていた。

同時に、凸面の面板が自分には合っているのだ。

と、認めている自分もいたのである。

ーつづくー

ヒロ田

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