「ヒロ田さん、ヒロ田さん診察室1番へどう
ぞ」
『あれ?なんか聞いたことある声だぞ…』
ボクは診察室1番をノックして入った。
すると主治医がそこにいる。
ヒロ田「あれ、先生診るんですか?ボク
内科で来たんですけど…」
主治医「あっ、やっぱり別だと思っちゃう
かい?」
ヒロ田「クローン病じゃないから消化器内科
じゃなく内科で診ると思ってました」
主治医「あー、分かれてはいるけど、結局は
消化器内科も内科だからさー、変わらないん
だよね」
ヒロ田「あっ、そうなんですねー。いや先生
に診てもらったほうがボクも安心ですけど…」
主治医「ところで今日はどうしたの?」
ヒロ田「なんか熱があって怠いんですよー。
風邪っぽいかなーと思って…」
主治医「あれー、どうしたんだー。インフル
エンザ流行ってるから一応検査してみようか」
そう言って鼻に綿棒のようなものを入れて
グリグリ…。
主治医「これで検査に出すから少し待ってて。
結果出たらまた呼ぶので」
ボクは再び待合室で待つ。
『つい先日インフルエンザの予防接種した
んだからインフルエンザではないだろう…。
風邪じゃないかな…』
そんなことを思いながらしばらく待っていた。
「ヒロ田さん、ヒロ田さん、1番診察室へど
うぞ」
どれくらい待っただろうか。
そんなに待ってはいないと思うのだが…。
ボクは再び診察室に入っていく。
主治医「いやーヒロ田さんインフルエンザ
だったわー」
ヒロ田「えっ?インフルエンザですか?」
主治医「うん、そうみたいだねー。薬出す
からさー、しばらくその薬も飲んでー」
ヒロ田「えー、予防接種したのにインフルエ
ンザになるんですねー」
主治医「うん、予防接種したから絶対になら
ないという訳ではないから、なるときは
なるねー。でも予防接種してるから軽症で
済んでると思うよー」
ヒロ田「そうなんですかー。じゃあ仕事も
休まないとダメですね」
主治医「うん、そうだね。休んだほうが
いいわー」
こうしてボクは予防接種したにも関わらず
インフルエンザなってしまった。
そしてこのインフルエンザを機にボクは
再びクローン病も悪化してきたのである。
当然インフルエンザだから熱があり、怠さも
あったのだが、それはすぐ病院に行ったこと
もあり3日で治ってきた。
しかし、同時にお腹が下るようになってきた。
【風邪などからクローン病が悪化する人も
いる】
という言葉を思い出した。
まさに今の自分がソレだ。
でもインフルエンザだからそういう症状に
なってるのではないか?とも思った。
いやそう思いたかった。
けれど、その願い叶わず日に日に悪化して
いくばかり…。
いつものようにお腹が下りだしてくる。
このお腹が下りだしてくるところまではまだ
許せる。
もう慣れていると言ったほうが良いか…。
しかしだ、お腹が下ってくるとボクの場合は
必ず痔ろうの悪化もセットだから厄介なのだ。
こうしてボクは再び痔ろうからの膿と
お付き合いする日々が始まった。
こうなると食べたり絶食したり…の日々だ。
ボクは主治医と相談した。
悪化してきたので何か方法はないか?と…。
そこで提案されたのはヒュミラだった。
ヒュミラはヒト型だからレミケードよりも
副作用が起きづらいとのことだ。
このヒト型というのはどういうことなのか
良くわからないが、体調が良くなるので
あればやってみたいと主治医に申し出た。
ただ、ボクはバイパス手術後の大腸を見た
ことが無い。
それと以前レミケードが効きすぎて大腸が
狭窄したと主治医も言っていたので、今回
はヒュミラをやる前に大腸カメラで検査して、
その後ヒュミラを開始して数ヶ月後に大腸が
どうなっているか検査しましょうと提案した。
検査好きの主治医はすぐに快諾。
主治医も大腸バイパス手術で、大腸がどのよ
うになっているのか気になっていたようだ
った。
この記事内では大腸カメラのことは割愛する。
大腸カメラに関しては【大腸内視鏡検査】を
お読みいただければと思う。
ボクは、大腸カメラの写真を見たところで
どこがどうなっているのか良くわからない。
確かに潰瘍ができてるとかそういったことは
わかるのだが…。
主治医の話では、確かにバイパスとなって
新しい通り道はできている。
ただ本来であれば新しくバイパスにした大腸
を通過するようになるのだが、ヒロ田さんの
場合は古い大腸(手術前に潰瘍ができて狭窄
になっていたところ)にも少し食べたものが
流れていってるのかもしれないね。と言って
いた。
理屈はよくわからないが、バイパス手術した
ことにより、今は使っていないと思われてい
た大腸にも多少食べ物が入っていって、それ
が悪さしてるのではないか?という話だった。
それはそれとして、それ以外に新たな狭窄は
無いことの確認はできた。
後はヒュミラがどう効いてくれるか?だ。
主治医と話をして、ヒュミラをスタートさせ
、数ヶ月後に再び検査をして、もし狭窄がで
きていたら中止しようということになった。
ボクは、このヒュミラにかけたかった。
『どうにか狭窄にならず、症状が落ち着き
ますように…』と。
こうしてボクは初めてのヒュミラを行う
ことになったのである。
ーつづくー
ヒロ田