第94話 ボクの大腸はクエスチョンマークの形なの?

第94話 ボクの大腸はクエスチョンマークの形なの?

大腸カメラとバルーン拡張術をするために

別の病院から来ていた医師(以下、検査医)

が、検査が間もなく終了することを告げる。

検査医「ヒロ田さん、そろそろ終わりますか

らねー。トイレはそこにありますから…」

『なぜトイレ?』と思った。

というのも今まで検査後すぐにトイレに行っ

たことがない。

一応、わかりましたと伝え、起き上がろうと

したとき、看護師さんが来て「大丈夫ですか

?フラフラしません?」と声をかけてきた。

ホリゾンを使っているからだろう。

看護師「フラフラする注射打ってるから気を

付けてくださいね。いま病棟の看護師を呼び

ますから。それよりも、ちょっとトイレ行っ

て、これで拭いてもらったほうがいいかな」

と、お尻拭きのようなものをくれた。

起き上がってみると…

「あら、なんですかこれ?」

ガストロや水を注入したからか、寝ていた

お尻の周りがベチャベチャになっている。

ヒロ田「あ、これはトイレに行かないとダメ

ですね。しかし、こんなになったの初めて

だな…」

看護師「うん、ガストロとかお水をけっこう

使いましたからねー」

とりあえずボクはトイレに行き、ベチャベチ

ャになったお尻周りをキレイに拭いた。

しばらくすると病棟の看護師さんが車いすを

押して迎えに来てくれた。

フラフラする注射を打ってるからだろう。

ボクは歩けそうなんだが、病院での決まりで

車イスでの移動が必要のようだ。

病室に戻り、しばらくするとIBD専門の医師

(以下IBD医師)がやってきた。

IBD医師「ヒロ田さん大丈夫かい?」

ヒロ田「はい、ゼンゼン大丈夫です」

IBD医師「それじゃ、検査の説明しても大丈

夫?」

ヒロ田「あっ、お願いします」

そして別室へと移動する。

IBD医師「いやーヒロ田さん、良くなってる

わー。絶食したのとヒュミラも効いたんだね

ー」

ヒロ田「そうなんでしょうかねー」

IBD医師「うん、いま画像見せながら説明す

るから」

そう言いながら医師がパソコンの画面を操作

している。

ニコニコしながら操作しているから、よっぽ

ど嬉しかったのだろう。

IBD医師「あのねー、たぶん写真だけじゃど

うなってるかわからないだろうから、ここに

図を書くね」

そう言って、近くにあったホワイトボードを

使い大腸の図を書き出した。

一般的な大腸の図を書き、説明が始まる。

IBD医師「まずね、ヒロ田さんの手術したと

ころがこの辺で、その画像がこれね」

確かに言ってる箇所を手術している。

ヒロ田「そこバイパス手術してるとこですけ

ど、バイパス前の大腸のところも通過するよ

うになってました?」

IBD医師「ボクもそこ気になってたんだけど

きちんと閉じてて通過しないようになってる

わー」

ヒロ田「へぇー、そうだったんですね」

ボクは、バイパス手術した箇所が、どうなっ

ているのか聞いたことがなかったから聞けた

ことで少し安心した。

IBD医師「ヒロ田さん、炎症も良くなってき

てるよ」

ボクは、正直、今回の入院でどれくらい良く

なるのか?

そして今後はどうなっていくのか?

それが少し気になっていたのでIBD医師から

出てきた【良くなっている】という言葉を聞

いて凄く安心した。

だが、このあと今まで聞いたことがない話も

出てきた。

IBD医師「あのね、ヒロ田さんの大腸はねー、

手術してからたぶん形が変わったと思うんだ

けど、いまこんな感じの形になってるんだよ

ね」

そう言って図を書きだした。

ちょっと文字だとわかりづらいかもしれない

が説明したいと思う。

一般的な大腸の形は、良く見る形なのでわか

ると思うが、真っ直ぐ見て左側から、上行結

腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸そして直

腸、肛門という感じになっている。

ボクの場合は、それがクエスチョンマークの

ような形になっているようだ。

横行結腸と下行結腸がつながっているという

イメージだ。

その話を聞いたときは、ちょっぴりショック

を受けたけれど、問題はないという説明に安

心した。

IBD医師「それでヒロ田さんの場合ね、S状

結腸のあたりで炎症がけっこう凄くて、それ

で下痢をしやすいんだよね。

でも、ヒュミラも効いてきてるし、良くなっ

てくると思うからさ、固形物食べていくよう

になれば、形のあるうんちになってくと思う

よ」

IBD医師の説明を聞いてまずは一安心だ。

IBD医師「ヒロ田さん、それで今日の夜から

ご飯出してみるからさ、食べてみて。」

ヒロ田「えっ?絶食のままでもいいですけど

…」

IBD医師「いや、やっぱりね食べてみたほう

がいいからさ、食べて様子見てみよう」

ヒロ田「大丈夫なもんですかね?」

IBD医師「うん、ただエレンタールも摂取し

たほうがいいから、どれくらいなら一日に

摂取できるだろう?」

ヒロ田「そうですねー、やっぱり最低でも

900kcalは摂取したほうが良いですよね?」

IBD医師「そうだね。それじゃーさ、一日二

食にして、あとはエレンタールで足りない栄

養を補っていくようにしてみよう」

「とりあえず、今日は全粥になっちゃうけど

今日から食べていってみよう」

ヒロ田「わかりました」

IBD医師「あとね、退院はさー、食べて少し

様子見たいから今週の金曜日か土曜日あたり

で考えよう」

今日は5月27日の火曜日だ。

そうなると退院の予定が5月30日の金曜日か

5月31日の土曜日ということになる。

ボクは、退院が近いことに嬉しくなった。

ただ、退院後にはやるべきことがたくさん

待っている。

何だか少し複雑な気分でもあったのである。

ーつづくー

ヒロ田

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