第134話 人工肛門(ストーマ)にすると決断した日
2016年1月になってから、ボクの体調は益々悪化してきた。トイレの回数は一日に40回以上行く。こうなると、ほぼほぼトイレは間に合わない。毎回オムツの中にお漏らしする状態だ。ほんのちょっとしか出ないのに、それでも便意を感じるのでトイレに行く。
泣いて暮らすも一生、笑って暮らすも一生
2016年1月になってから、ボクの体調は益々悪化してきた。トイレの回数は一日に40回以上行く。こうなると、ほぼほぼトイレは間に合わない。毎回オムツの中にお漏らしする状態だ。ほんのちょっとしか出ないのに、それでも便意を感じるのでトイレに行く。
体調不良になり、いや正確にはトイレの回数が増えて、お漏らしをする可能性が高くなったと言ったほうが良いな…。そんな状態になってから、ほとんどの人と疎遠になっていった。孤独という言葉がピッタリだ。しかし、悲観的な気持ちにはならなかった。
主治医から大腸を全摘して人工肛門(ストーマ)にしたほうが、かなり楽になると提案されたが、どうしても人工肛門(ストーマ)になることは避けたかった。どうして避けたいの…?と、そのときに聞かれたら返答には困っていたように思う。というのも、特に理由が無かったからだ。
まさか、お漏らしをするようになり、オムツが必要になるとは思ってもいなかった。それでもオムツをすることで安心することができた。と、最初は思っていた。ところがパンツタイプのオムツを穿いてるだけでは横漏れしてくることがあったのだ。これは想定外だ。
痔ろうのシートン術、MRIポートの抜去を一日で行ったため、その時は体力、精神共に疲れたが、おかげさまで肛門周囲に溜まっていた膿も、常に排膿されるようになり、MRIポート抜去後は傷口も順調に、そしてキレイにくっついてくれた。
MRIポートを抜去してから一週間は毎日傷口を見せに病院に行かなければいけないとは思ってもいなかった。ボクは数秒間、どうしたら一番良いか考えた。ヒロ田「先生、どうしても仕事があって毎日は厳しいです。どうにか良い方法はないでしょうか?」
医師「それじゃ、ヒロ田さん顔にもこれかけますね」そう言いながら、布のようなものをボクの顔にかけてきた。医師「それじゃ消毒しますね」医師「麻酔します」医師がこれからやる作業を言ってくれるのは有難くもあるが、そのたびに力が入ってしまう。
2人くらいの医師に電話をした後、主治医がボクにこう言ってきた。主治医「いやー、ボクが抜去してもいいんだけどさー、でも10年近くポート入ってるんでしょー?ちょっとくっついてたりしたらボクには自信ないからさー、慣れてる先生にお願いしたいのさー」
シートン手術が終わり、ボクはクローン病の診察へと向かった。13時~採血をして、14時過ぎから診察の予定なのだが、シートン手術後まっすぐ来たため予定より早く着きすぎた。時間は12時をちょっと過ぎたくらい。ただ、採血は早くても良いので、病院に着いてすぐに採血へ。
ボクのシートン手術が終わると、手術を担当してくれた医師は別な診察室へと移動した。看護師さんが、手術後の処理をしている看護師「ヒロ田さん、もうちょっとそのままで待っててくださいね。いま車いす持ってきます。麻酔がすっかり切れるまで別の場所で寝てもらいますので…」