第127話 化膿が原因で急遽MRIポートの抜去が決まる

第127話 化膿が原因で急遽MRIポートの抜去が決まる

2人くらいの医師に電話をした後、主治医が

ボクにこう言ってきた。

主治医「いやー、ボクが抜去してもいいんだ

けどさー、でも10年近くポート入ってるんで

しょー?ちょっとくっついてたりしたらボク

には自信ないからさー、慣れてる先生にお願

いしたいのさー」

ヒロ田「先生、やっぱり今日取ったほうがい

いんですかね?」

主治医「うーん、その状態なら早くとっちゃ

ったほうがいいねー。放っておいていいこと

は絶対ないから…」

ボクは複雑な心境だった。

正直、仕事の予定もあるから、取るのであれ

ば、今日やってしまったほうがいいと思う。

けれどシートン手術をやったあとに、また麻

酔かー…。

麻酔といっても局所麻酔だけど、その局所麻

酔というのがボクにはちょっと抵抗がある。

というのも、下半身麻酔や仙骨硬膜外麻酔よ

りも痛いからだ。

下半身麻酔、仙骨硬膜外麻酔は、まったく痛

みを感じなかった。

無痛といってもいいくらい。

なんか押されたな…という感覚はあるけれど、

『いてぇ~』と感じることはない。

でも局所麻酔は『いてぇ~』と感じる。

だから何とも複雑な心境だ。

今日やったほうが良いとも思うし、ちょっと

避けたいなーとも考えてしまう。

だがこんな今はこんな状況だ。

お天道様にお任せするしかない。

診察を受けてる時間は15時頃。

この時間から、果たしてMRIポートを抜去で

きる医師はいるのだろうか?

主治医が、いろんな医師に電話をかけている。

主治医「ちょっと状態が良くないので、今日

抜去したほうがいいと思ってるんですよー。

抜去できる時間なんかないでしょうかねー?」

抜去できそうな医師にお願いしている。

主治医「あっ、16時30分頃大丈夫です?

わかりました。それじゃそれでお願いします」

主治医「ということで、今日の16時30分に

抜去しよう。それで抜去してくれた時にさー、

新しいポート入れる打ち合わせもしてみて」

ヒロ田「わかりました。それで次いつ来れば

いいです?」

主治医「ボクのとこは一ヶ月後でいいよ。一

ヶ月後に予約いれとくから。あとは切った後

、傷口の経過とかを見るのに形成外科になる

のかなー、たぶん抜去した時に指示あると思

うから、その先生に聞いてみて」

どうやらお天道様は、今日MRIポートの抜去

をしたほうが良いと判断したようだ…。

とりあえずボクも、ある程度は腹を括ってい

たから、すぐに頭の中を切り替えた。

次の指示が来るまでボクは待合室で待つこと

になった。

しばらくすると看護師さんがボクのところに

きた。

看護師「ヒロ田さん、この用紙持ってレント

ゲン室に行ってください。透視しながら抜去

するようなので」

そう言いながらボクの主治医が書いたカルテ

のようなものをボクに渡してきた。

もう少し待たされるかと思ったけれど、意外

と早く、そんなに待たずに済んだ。

やると決まったなら、早いとこやってしまい

たいと思うボクにとっては、ダラダラと時間

が過ぎていくのは嫌だから、とても良かった。

レントゲン室に移動し、もらった用紙を受付

で渡す。

『まさか、ここでかなりの時間待たされない

だろうな…』

と一瞬思ったが、すぐに呼ばれた。

レントゲン室に入ると、看護師さんが一人い

て、金属のものはないか?時計や眼鏡は外し

てください…など、レントゲンを撮る時に言

われる内容と同じなので、これから抜去する

ような感じがしない。

違うところといったら、看護師さんが一人で、

オペ室にいるような服装でいたことくらいだ。

ヒロ田「服はこのままでいいんですか?」

看護師「はい、上半身だけ裸になって仰向け

になってもらいます。まだ大丈夫ですからー」

ボクは、やることがないけれど、看護師さん

はまだやることがあるようだ。

ボクはしばらくレントゲンの台の上で座って

待っていた。

看護師「それじゃーヒロ田さん、上半身裸に

なって仰向けになってもらえますか?」

ヒロ田「わかりました」

上半身裸になって仰向けになっていると、手

術の時に使う布のようなものを掛けてきた。

看護師「ヒロ田さん、寒くないですか?」

レントゲン室内は、裸になっても平気なくら

い暖かった。

ヒロ田「はい、大丈夫です」

看護師「それじゃ、少し待っててくださいね」

しばらく待っていると、医師が登場した。

医師「ヒロ田さん、よろしくお願いします」

ヒロ田「はい、よろしくお願いします」

医師「ポート入れてから10年くらいって言っ

てましたっけ?」

ヒロ田「正確には8年くらいです」

医師「あー、そうなんですねー。まず、局所

麻酔してから抜去するんですけど、順調に行

けば30分くらいで終わりますので」

ヒロ田「わかりました。あっ、そういえば新

しくポートを設置する日も抜去する時に決め

たほうがいいと言ってましたけど…」

医師「あー、それねー、少し期間空けたほう

がいいです。取ってすぐは別の場所につける

にしても、切った後の状況見ながらって感じ

にしたほうがいいので…」

ヒロ田「あっ、じゃあしばらく設置はしなく

ていいですね」

医師「そうですね、様子見ましょう」

ポートはあったほうが良いと思っていたが、

抜去するのに局所麻酔、設置するのに局所

麻酔…と続くのは嫌だったから、少し様子

を見ることになってホッとしたというのが

正直なところ。

だが設置しないことに安心しても、まずは

抜去という作業が待っている。

『もう少ししたら抜去するための局所麻酔

かー…』

ーつづくー

ヒロ田

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