第42話 肛門科へ転院して痔ろう手術

第42話 肛門科へ転院して痔ろう手術

大腸が狭窄になったと同時に、痔ろうも

悪化していた。

切開している箇所から膿が出ているのは

もちろんのこと、それ以外にも新たな場所に

膿が溜まってきていて、痛みが出ている。

主治医の提案通り、大腸の手術前に切開して

もらったほうがいいかもしれない。

ただ、今回は外来での簡易的な切開ではなく、

入院してゴムドレーンを入れる手術だ。

どのようなものかというと、膿が溜まって

いる箇所の二箇所を切開し、そこにゴムを

通す手術。

それをすることで、解放されっぱなしになり、

そこから膿が排出されて痛みは無くなる。

簡単に言うとそんな感じだ。

ボクは、消化器内科に入院する前、膿が

溜まって痛みがあったので、肛門科を受診

していた。

その時は、まだ切開するまで溜まっていな

かった。

もう少し溜まったら、入院して下半身麻酔で

五箇所くらいドレーン手術をしようと肛門科

の医師に言われていた。

そのため、今回、膿を排出させるために切開

するとなれば、肛門科に入院する必要がある。

ただ、その肛門科ではクローン病の治療を

していない。

ボクはこの時、高カロリーの点滴をするため

に、IVHと言って首の太い血管からカテー

テルを入れ、そこから点滴をしていた。

『高カロリーの点滴とかあるのか…?』

『IVHやりながらでも大丈夫か…?』

肛門科に入院すると、その管理が大丈夫か

気になった。

ヒロ田「先生、もし痔ろうの手術をするなら、

このままココで入院して、手術だけ隣の肛門

科でやって、終わったらココに戻ってくると

いう流れでできないでしょうかねー」

肛門科は幸いなことにボクが入院している

病院の隣にあった。

ヒロ田「クローン病の治療ができないと前に

言ってたんで、高カロリーの点滴とかも無い

と思うんですよー」

主治医「あー、そっか。そしたら手術だけ

できるか肛門科の先生に聞いてみるねー」

そう言って主治医は病室を後にした。

しばらくすると主治医が戻ってきた。

主治医「ヒロ田さん、肛門科で手術して

ココに戻ってきて入院というのはできな

いってさー。2日間は肛門科で入院してて

もらいたいみたいなんだよね。

だから一旦ココを退院してさ、隣の病院で

2日間入院してそれからココに戻ってきて

再入院することにしよう」

ボク「そうなんですねー。高カロリーの点滴

が気になりますけどしょうがないですもんね」

主治医「うん、点滴は準備するって言ってた

から大丈夫だと思うよ」

結局ボクは翌日の朝に一度退院して、隣の

肛門科へ入院することになった。

主治医が肛門科の医師と打ち合わせをして

くれて、翌日の入院したその日12時30分頃

からドレーン手術をするということだった。

肛門科の個室は別途料金になる。

いつも肛門科で入院するときは、個室を予約

するのだが、今回は急な入院だったため個室

が空いておらず、4人部屋での入院となる。

こればかりは仕方がない。

それよりもボクは早くドレーン手術を終わら

せて、外科手術を早くできるようにしなけれ

ば、年内の退院は難しくなると逆算していた。

もしこのまま順調に進めば大腸の外科手術も

無事終わり年内には退院できると…。

そのため1日も無駄にはできなかった。

翌日、肛門科に移動して4人部屋に案内され

た。

4人部屋だけど今のとこボク1人だった。

もし他の人が入院することになっても、4人

ではなく2人くらいまでにするので…。と

個室を使えないことで気を遣ってくれてる

ようだ。

4人部屋に入院して気づいたのは冷蔵庫が

部屋に無い。ということ。

冷蔵庫は別の場所にあり、別途料金を支払

えば利用できるとのことだったが、なんと

空きがないとのことだった。

これはガッカリした。

冷たいものは冷たい状態で飲みたいボクに

は冷蔵庫が無いとキツイな…。

『でもしょうがない。2日の辛抱だ…』

病室で着替えをしたりしていると

今日の担当看護師さんがやってきた。

看護師「ヒロ田さん、今日の12時30分頃

から手術の予定です。

もう何回かされてるから大丈夫かと思います

けど、何か気になることとかありますか?」

ヒロ田「気になってるのは点滴だけです」

看護師「あー、それ先生が準備するって

言ってました。たぶん夕方には点滴が届く

と思いますので大丈夫だと思いますよ」

ヒロ田「あっ、それであれば大丈夫です。

あと気になることはないです」

看護師「わかりました。それじゃ時間に

なったら呼びに来ますので、それまで

ゆっくりしててください」

とりあえずボクは1人しかいない病室で、

テレビをつけながら、また年内退院できる

プランを頭の中でイメージした。

自分勝手にイメージしてたところでどうし

ようもないのだけど…。

ただ、大腸を手術すれば食べれるようになる。

と主治医が言っていた。

それもあって年内に退院したいと思っていた

のだ。

年内(と言っても月末ギリギリだと予想され

るが…)に退院できれば、ちょうど会社は

冬休みになっている。

その休みの間にリハビリができる。

退院してすぐに仕事復帰ということよりも、

少しのんびりできたほうがいい。

その考えが強かった。

ボクはすでに大腸手術が終わって年内に

退院できることを強くイメージしていた。

そんな時間を過ごしていると看護師さんが

手術の準備ができたと呼びに来た。

手術室までは歩いていく。

もう何度か痔ろうの手術をしていて慣れて

はいる。

手術室に入ると、いつものように

クラシック音楽が流れていた。

リラックスさせるためなのか…?

看護師「じゃあヒロ田さん、こちらに横

向きになって寝てもらえますか」

下半身麻酔をするため横向きになって寝る。

看護師さんがいろいろ準備していると

医師がやってきた。

医師「ヒロ田くん、そしたら始めるかい」

ヒロ田「先生、お願いしますね。大腸の

手術もすることになったんですよ」

医師「あー、そのほうが良いっしょ。

楽になるよ」

肛門科の医師もそんなことを言っている。

『痔ろうの手術もそうだけど、大腸の狭窄

も切って早く楽になりたいわ~』

医師が下半身麻酔を準備している間、

ボクはそんなことを思っていた。

ーつづくー

ヒロ田

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