第171話 ストーマ手術翌日から起き上がり水分摂取もスタート

第171話 ストーマ手術翌日から起き上がり水分摂取もスタート

「ヒロ田さん、どうですか?変わりないです?」

そう言いながら看護師さんが病室に入ってきた。

ヒロ田「そうですね、今のところ変わりない

です」

看護師「どうします?一度ベッドに座ってみ

ます?」

ヒロ田「あっ、やってみますかー」

「今日の朝レントゲン撮りにきたんですけど、

その時、身体を少し持ち上げるじゃないです

か?」

看護師「そうですね」

ヒロ田「数年前、大腸の手術した時は同じ

レントゲン検査で少し痛かったんですけど、

今日は不思議と痛くなかったんですよ」

「だからベッドに腰掛けるまでは問題なく

いけるような気がします」

看護師「そうですかー。でも無理しないでく

ださいね。もしダメなら明日でもいいですか

ら」

ヒロ田「じゃあ、ちょっとやってみますね」

看護師「あっ、それじゃあちょっとベッド

起こしましょうか」

そう言いながら電動ベットのリモコンをボク

に手渡す。

ヒロ田「これくらいでいいですか?」

看護師「あっ、もっと立てちゃってもいい

ですよ。完全に起こしちゃっても大丈夫です」

ボクはやや直角になるようベットを起こした。

ヒロ田「じゃあこれでいいですか?」

看護師「そうですね、じゃあまず座るとこ

までやってみましょう」

ボクはベッドから足を出し、床につけてみた。

ヒロ田「あれ?ゼンゼン痛くないです」

看護師「あっ、本当ですか?」

ヒロ田「このまま立ち上がれそうですけど…」

看護師「じゃあ一回立ち上がってみます?」

ヒロ田「そうですね、立ち上がるとき痛いかも

しれませんけど…(笑)

そう言いながらボクはベッドから立ち上が

ってみた。

ヒロ田「ぜんぜん痛くないです(笑)」

看護師「あー、いいですね!」

ヒロ田「ちょっとトイレまで歩いてみていい

です?」

看護師「いいですよ。ゆっくり歩いてくだ

さいね」

ボクは病室内にあるトイレまで歩くことに

した。

ヒロ田「いやー、不思議と痛くないです。

麻酔効いてるわけではないですもんね?」

看護師「麻酔は使ってないですよー」

ヒロ田「手術翌日でこんな楽に歩けるなんて

びっくりです」

「前回の手術の時なんか翌日に起き上がること

できなかったんですよ。痛くて…」

そう言いながら再びベットに腰かけた。

看護師「歩くことができたので、今日は病室

内だけ歩いて大丈夫です」

「ただ、次に起き上がるときナースコールで

看護師呼んでからにしてくださいね」

「看護師が、一人で起き上がっても問題ない

か確認しなきゃいけないので」

ヒロ田「わかりました。次起き上がるときは

連絡しますね」

看護師「お願いします」

嬉しいことに痛みもなく起き上がることができ、

その日のうちに病室内を歩くことができた。

『このまま早い展開でいけば退院も早いかな…』

『だけどゴールデンウィークだしな…』

『このまま外科の病棟から退院できるのだろう

か?』

『きっと消化器内科に戻るんだろうな…』

手術翌日に早くも退院のことを考えている自分が

いた。

「ヒロ田さん、どうされました?」

ボクは病室内を歩くためにナースコールを鳴ら

した。

ヒロ田「ベッドから出ようと思います」

看護師「わかりました。いま行きますね」

ヒロ田「すいませんね、忙しいところ…」

看護師「いえ、大丈夫ですよー」

ボクはベッドから立ち上がり洗面台まで歩く。

看護師「フラつきも無いし、もう大丈夫そう

ですね」

ヒロ田「そうですね、痛くもないですし、

病室内歩くのは問題なさそうです」

看護師「じゃあ次に起き上がるときはナース

コールしなくても大丈夫です」

あっ、でも病室外にはまだ行かないでくださ

いね」

ヒロ田「大丈夫です。病室内だけにしますか

らー」

これで少し自由の身になった。

手術が終わって元気になると、ベッドに寝て

いることができなくなってくる。

ボクはフトお腹に目をやった。

『そうだ、ストーマになったんだな…』

『どうなってるんだろ…』

『どんなパウチ(袋)がぶら下がっているの

かな…』

気になったボクはパジャマをまくり上げ、

見てみることにした。

『うわー、大きいパウチ(袋)だなー…』

初めて見たストーマ装具は表面が透明で

大きいものだった。

後でわかったのだが、袋(パウチ)の表面が

透明になっているのは、手術後に看護師さん

や医師が見やすいようになっているようだ。

『こうなってるのか…』

ピンク色になっている自分のストーマも

見えた。

『お尻はどうなってる?』

『肛門をくり抜くと言ってたが、そのあとは

どうなった?』

すごく気になり触って確認してみたかったが、

手術翌日だし、それ以上にショックを受けても

嫌なので止めておいた。

『にしても便意が無いって楽だな…』

『それだけでこんなに動きたくなるもんなんだ

な…』

ボクは、頻繁にベッドから出て、病室内を歩き

回った。

「ヒロ田さん、順調ですねー」

そう言いながら看護師さんが入ってきた。

ヒロ田「いやー、ホント便意が無いって

いいですねー」

看護師「そうですよねー。1日何回トイレに

行ってたんでしたっけ?」

ヒロ田「40回以上って答えてましたけど、

正直数えれないくらい行ってました(笑)」

看護師「それは辛いですよねー」

ヒロ田「ホント、手術して良かったです」

看護師「そうですね、良かったと思います」

看護師「ヒロ田さん、水分取って良いことに

なったので、少しずつ水分取っていってくだ

さいねー」

ヒロ田「あっ、そうですかー」

「注意しなきゃいけないこととかあります?」

看護師「量はあんまりたくさん飲まないほうが

いいと思います」

「あと少しずつ飲んでくださいね」

「もし飲んで吐き気するとか、調子悪いなって

ことがあったらナースコール鳴らしてください」

ヒロ田「わかりました。少しずつ水を飲んでいき

ますね」

こうして手術翌日の夕方から、水分摂取の許可が

出たのである。

ーつづくー

ヒロ田

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