MRI検査の結果を聞く日がきた。
ボクは若干のダルさを感じながら病院に行く。
ダルさに加え吐き気もある。
おまけに食べたり飲んだりした時の味が口内
に残っている。
おそらく原因はフラジールという抗生剤を
飲んでいるからだ。
以前もフラジールを飲んだ時、同じ症状にな
り、服用中止となったことがある。
しかし今回はしばらく服用していなかったこ
ともあり、二週間だけ飲むことになったのだ
が、やはり同じ症状になった。
調子悪いながらも診察室近くの待合室で待っ
ていると、ボクの名前が呼ばれ診察室へ…。
早速MRIの画像を見せてくれた。
しかし、見たところでボクには何がどうなっ
ているのかまったくわからない。
IBD専門の医師(以下IBD医師)は、どこが
どうなっているか丁寧に説明してくれた。
ボクの痔ろうの元となっている箇所(一次口
というらしい)は、2箇所ということだった。
膿が出てくる箇所(二次口というらしい)は、
10箇所くらいはあるんじゃないだろうか。
もちろん、すべてから排膿されてるわけでは
ないが、5箇所くらいから今は排膿されている。
ボクの痔ろうは複雑でアリの巣のようになって
いるとのこと。
クローン病での痔ろうは、複雑痔ろうになりや
すいとのことだった。
確かに、肛門科(別の病院)で複雑痔ろうは、
クローン病を良くしない限り、いくら痔ろう
の手術をしても完治しないと言っていた。
そのため排膿させるためのシートン術をする
けれど、ゴムを入れっぱなしにしておく手術
で、完治させるための手術はできないという
ことを聞いていた。
しかし、IBD医師は一次口の二箇所からシー
トン術をして、痔ろうを治してしまおうと言
う。その痔ろうの治療をやってから腸の治療
をしていこう。そのためには入院が必要とい
ことだった。
ボクも昼と夜に仕事をしていたことで、疲労
が蓄積していた。
体調も悪い。
正直、今の状態だと家にいるときは寝てばか
りいる状態だ。
仕事に行く時間になり、どうにか起き上がっ
て、動き出すという毎日だった。
歩いて地下鉄に乗ったりというのも辛い。
しかも歩いていると、便意を催してくる。
だから余計に起きていたくないのだ。
そんな状態だから、入院して疲れを取り、
治療して良くしないとダメだなと思っては
いた。
ヒロ田「ボクも入院して治療したほうが良い
のかな?と考えていたから、入院は大丈夫で
す。ただ、どれくらいの期間ですか?」
IBD医師「そうだねー、本当は一ヶ月くらい
入院してほしいんだけど…」
『確かに初めてIBD医師と会った時も、一ヶ
月くらい入院できないか?と言ってきてたな。
だけど一ヶ月は厳しいな…』
ヒロ田「さすがに一ヶ月はちょっと厳しいで
す。二週間くらいでどうにかできませんか?」
IBD医師「うーん、そうだねー、じゃあ二週
間で予定組んでみるかい?」
ヒロ田「それだと助かります」
IBD医師「それじゃあ入院前に腸の部分のCT
撮ってもらおうかな。そしたら入院までの間
に治療方針決めれるので」
こうして入院前にCT検査をすることになった。
CT検査の日。
この日は、採血もする予定だ。
受付を済ませ、CT検査室前へと行く。
ボクの名前が呼ばれ中に入り、看護師さんが
造影剤のルート確保と一緒に採血をする。
MRIと違い、CT検査はもう何度もやっていて
どれくらいの時間で終わるのかがわかってい
るから安心だ。
あっという間に検査は終わり、診察を待つ。
診察室に入ると、IBD医師が真っ先に言って
きたことはCRP(炎症反応)が前回より下が
っているということだった。
一週間前まで5.25とかだったのだけれど、そ
れが今回は3.53に下がっている。
たぶんフラジールという薬を飲んでいたから
だろう。
きっと抗生剤が効いて膿を抑えてくれていた
ことにより若干CRPが下がったように思う。
ただ、同時にこの薬を飲むことでダルさ、吐
き気、食欲不振。
そういった副作用が出ている。
このことに関しては、IBD医師にも言ったが、
もう少し我慢して飲んでもらって、治療法を
決めてから違う方法にするということだった。
CTの結果は、小腸の水が大腸に少し溜まっ
ているということだ。
それは、大腸のどこかで詰りがあるというこ
とを意味してるらしい。
この場合は、いきなり下剤を飲んでカメラを
すると危険が伴う可能性があるとのこと。
そこで、大腸のどこで詰りがあるのかを水を
流しながらMRIで検査するという話が出た。
ヒロ田「水を流すってどう検査するんですか
?」
気になったボクはすかさず聞く。
IBD医師「鼻からチューブを入れて、そのチュ
ーブから十二指腸に水を流し、その水の流れを
MRIでチェックするんだよね」
『何だ?鼻からチューブって?小腸造影の時
とかに使うあのチューブか?あのチューブだ
と太いチューブでちょっと辛いぞ…』
ボクは、鼻からチューブを入れると言われて
小腸造影に使う太いチューブをイメージした
のである。
ーつづくー
ヒロ田