第199話 ストーマ(人工肛門)になって約5ヶ月経つも試行錯誤の毎日

第199話 ストーマ(人工肛門)になって約5ヶ月経つも試行錯誤の毎日

2016年6月17日の深夜0時30分に布団の中でお漏らしを経験し、それから数日経った6月20日にタイミングよくストーマ装具メーカーの方から、パウダー等のサンプルを使用した結果、どうだったかという確認のTELをいただいた。

その時に、ちょうどいろいろ聞きたいことがあったのでお話を聞いてもらったところ、合点がいき、そこからしばらくはストーマ装具交換の頻度が3日~4日程度で良くなった。

その交換頻度であれば一般的と言えば一般的な日数だろう。

だが、2016年9月3日5時20分、うっすら目が覚めたのでお腹のところを触ってみたところ…。

パウチ(袋)の膨らみが大きくなっている。

けっこうな膨らみだったので、ボクは慌ててトイレで処理しようと起き上がった。

その時、一瞬冷静になったボクは、その場で面板(プレート)も確認しようとパジャマを捲って確認してみる。

そうすると腹巻の一部分が濡れている。

【腹巻→腹巻をすると消臭、おならなどの音を軽減するなどの効果があると聞いて、この数ヶ月の間に腹巻を購入して着用していた】

『あれ、なんで腹巻が濡れてるんだ…?』

気になったボクはすぐに腹巻を捲ってみる。

『あっ、漏れてきてる!!!!!』

なんと、面板(プレート)左側(へそ側)から漏れ出してきていたのだ。

おそらく漏れ始めたばかりだったのだろう。

ボクはすぐに周囲の状況を確認する。

腹巻は一部濡れていて、パジャマもうっすらだが濡れていた。

しかし、前回のように布団などに被害が無かったことだけは幸いだ。

次に急ぎで新しい装具の準備をして浴室に向かう。

『ここ数ヶ月、何事もなかったのになぜ急にこうなったんだ…?』

『前回交換してから今日で3日目だ…』

『ちょうど今日交換する日だったな…』

『でも交換する前に漏れ出したってのは今後のためにも検証しないとダメだな…』

『考えられることって何だ…?』

『そうだなー…、ここ数日は暑さが続いてて、いつもより汗はかいてたかも…』

『あと便がいつもより水っぽかったかな…』

『パジャマのゴムが少しきつかったことでパウチ(袋)が圧迫されたか…?』

『そういえば前回の交換時に、少し面板(プレート)をストーマサイズより大きめにカットしちゃったかもな…?』

何が原因か?

正直それはわからない。

けれど、次回漏れないようにするためにも、思い当たることを列挙しておくことが必要だと思った。

そして次回の対策として、

①いつもより汗をかいた日が多ければ3日ではなく1日早めに交換する。

②面板(プレート)のカットはストーマサイズと同じ大きさでカットする。

あとは、パジャマのゴムがきついというのは直接関係しているか不明なので様子を見てみることと、便が水っぽかったというのも、イレオストミー(回腸ストーマ)は便が水っぽくなると言われてるので回避することはできないが、あまりにも水っぽい便が続いた時も交換を1日早めてみる。

そんなことを考えながらストーマ交換を終了した。

その後は、3日に1回の交換を基本とし、交換のたびに面板(プレート)の溶け具合を確認する。

そして溶け具合が2㎜~3㎜(幅)程度であれば、次は4日交換で様子を見たり…ということを繰り返していた。

2016年9月3日の漏れからちょうど1ヶ月の10月3日深夜3時20分。

左へそ側の上部から漏れを確認。

この頃、いつもオシッコで目が覚めたときにはもちろんのこと、うっすら目が覚めた時も必ずストーマの辺りを触ったりすることが癖になっていた。

このときはオシッコで目が覚めたとき。

すぐに装具交換の準備をして浴室へと急ぐ。

今回は、前回のストーマ装具交換から4日目で漏れを確認した。

『昨日の夜、面板(プレート)の上側の部分から剥がれてきてたのを確認したのに、どうせ明日の朝換えるからいいやと思ってテープを貼らなかったのが原因かな…』

『あっ、でもへそ側の皮膚が赤くなっていて、これは滲出液か…?』

『拭いてもうっすら滲出液のようなものが出てるぞ…』

『もしかしたら、この滲出液が原因で面板(プレート)の剥がれにつながった…?』

今まで皮膚が若干赤くなることはあったけれど、今回のように滲出液が出るのは初めてだった。

微量と言えど滲出液が出ている限り面板(プレート)が皮膚に貼りつかない。

そこでボクは皮膚が赤くなって滲出液が出ている箇所の面板(プレート)をカットし、皮膚に貼りつけることにした。

これは、ストーマ手術後、へその箇所の傷が治りかけている時に、瘢痕の箇所を回避するため、その部分の面板(プレート)をカットして貼りつけしたことがある。

それだと皮膚との設置面が少ないため、剥がれやすくなるのだが、反面、滲出液が出ている箇所をカットして、皮膚に空気を触れさせると治りが早い。

ただ、剥がれやすいというデメリットがあるので、今まで以上に面板(プレート)をチェックする必要がある。

けれど、この時のボクにはそういった方法しか思い浮かばなかった。

『よし、とりあえずこれで様子見よう。次回4日持つかな…。いや3日で交換したほうがいいかな…』

『まず小まめに剥がれがないかチェックしたほうが良いな…』

後でわかったことだが、便が漏れると皮膚が炎症しやすいようだ。

特に、皮膚に便が続いたままの状態が長ければ長いほど炎症を起こしやすい。

もちろん、そんなことはこの時に知るはずもないのだが…。

こうして、ストーマ(人工肛門)になってから約5ヶ月経っても試行錯誤を続けていたのである。

ーつづくー

ヒロ田

[広告]
ヒロ田レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

[広告]
ヒロ田レクタングル(大)